国の特別天然記念物タンチョウが、海岸の岩場
に飛来する珍しい姿が20日 、後志管内積丹町
でみられた。釧路市の阿寒国際ツルセンタ-に
よると、道東の海岸では砂浜や干潟でみられる
こともあるが、岩場は足場が悪く、タンチョウが飛来するには適し
ていないため、「非常に珍しい」という。このタンチョウは性別
不明の成鳥。今月初めに同町内の牧草地でタンチョウが確認されて
おり、同一の個体の可能性もある。長年、世界のツルを撮影してい
る釧路市の写真家林田恒夫さん(72)は「岩場の水たまりで貝類な
どを捕食するため飛来したと思われる」と話す。タンチョウは近年、
石狩川河口などでも確認されるなど、生息域が広がっているが、
積雪が多い場所は好まないため、積丹での越冬は難しそうだという。
2007年列島フォトリレ- 北風受け親子舞う
山の端の雲間から差し込む陽光を受け、収穫を
終えた田畑が黄金色に染まる。そこに国の特別
天然記念物コウノトリの親子三羽が、じっとたた
ずんでいた。兵庫県北部の豊岡市は、絶滅した
野生コウノトリの最後の生息地。かっての姿を取り戻そうと、県立
コウノトリの郷公園が中心となり人工繁殖や飼育に取り組んできた。 二年前から放鳥を開始。今夏には、自然界に戻ったペアから一羽の
ひなが生まれ巣立った。国内て゜は四十六年ぶりの<慶事>だった。
三羽がねぐらへと飛び立つ瞬間、北風があぜのススキを揺らした。 秋の深まりは冬の入り口。間もなく風花が舞い、やがて辺り一面に
雪が降る。育ち盛りのひなに十分な餌が与えられるのか、家族の
力が試される季節は目前に迫っている。 (宮路博志=神戸新聞)