東北大発表 糖尿病の一種「B型インスリン抵抗症」
胃の中のヘリコバクタ-・ピロリ菌を除菌することで、高血糖と低血糖を繰り返す糖尿病の一種「B型インスリン抵抗症」の患者が完治したと、片桐秀樹東北大大学院教授(代謝学)らの診療チ-ムが発表した。成果は18日付け英医学誌ランセットに掲載される。同疾患では、血糖値を下げるインスリンと結合するタンパク質に抗体が発生、血中糖が正常に肝臓や筋肉などの組織に取り込めなくなる。高血糖を下げようとインスリンがさらに分泌されてしまうため、一時的に抗体が外れると反動で低血糖になり、冷えや汗や震えなどの発作が起きる。治療法は確立されていない。しかし、診療チ-ムが治療を続けていた80代男性患者が、突発性「血小板減少症」を併発。昨年3月に同治療に有効なピロリ菌の除菌を実施したところ、血小板数値が改善しただけでなく、インスリン抵抗症の抗体数がゼロになったという。患者には糖尿病の症状が見られなくなり、治療から1年経過しても再発せず完治したと判断された。