筋肉に炎症、硬く収縮
春が近づいています。プロ野球もオ-プン戦です。長いキャンプを終 えて、残念ながら故障してしまった選手もいました。ぜひ、回復して また活躍してほしいものです。ところで、よく新聞紙上に「腰のハリで 欠場」とか「足のハリが出たが、故障ではない」などと、見出しや記 事が載りますが、この「ハリ」ってよくわかりません。私はスポ-ツが 苦手で、スポ-ツでけがをしたことがないので、実感がないのです。 もちろん、筋肉痛はよく経験しますが。以前、「ハリは出たが痛みで はない」という表現が新聞にあって、痛みの一歩手前らしいことが分 かりました。そこで、少し調べてみました。ハリは、筋肉が疲労や炎 症のために硬くなっている状態で、ある種の違和感はあるけど痛み ではない状態を指しているようです。そこで、肩コリを思い出しました。 どうもコリとハリは同じもののようです。ところで、筋肉の痛みはどうし て出るのかというと、筋肉で疲労や炎症や損傷があったとき、その部 分で痛みを引き起こす発痛物質が出て、これが筋肉を包む膜にある 神経を刺激するからです。一方、コリやハリは部分的に筋肉が硬く収 縮してしまった状態をいい、その原因はやはり筋肉の疲労、炎症、損 傷によるものです。激しい運動や同じ姿勢の維持は、筋肉を酷使して 損傷や炎症をおこし、コリやハリとなり、ついには痛みがでるのです。 鍛え上げたスポ-ツ選手は痛みに強く、軽い炎症ではハリと感じるよ うです。全く鍛えてない私は、ハリなど感じずにすぐ痛みになるのかも しれません。チョット情けないです。 (とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)