゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

白血病薬 効かねば「黄信号」

2010-07-31 15:47:18 | 健康・病気

北大医学チ-ム 判定法開発 クラゲ蛍光色で識別

北大大学院医学研究科の大場雄介准教授(病態医科学)と近藤健講師(内科)らの研究チ-ムが29日、10種類以上ある慢性骨髄性白血病の治療薬が、患者ごとに有効かどうかを治療前に判定できる手法を開発したと発表した。発光クラゲの蛍光タンパク質を使って作った分子構造を、患者から取り出した細胞に注入し、タンパク質が出す光の色で有効性を判断する。現在は最長1年かけて適合する薬を探しているが、この手法なら、患者の負担を軽減できる。29日付けの米がん学会誌に掲載された。慢性骨髄性白血病の患者の約7割は「イマチ二プ」という薬で原因タンパク質の活動を抑えられる。しかし、効かない患者がいるうえ、1度効いても耐性ができ効果がなくなる例も報告されている。大場准教授らは薬の効果を判定するセンサ-として、2008年にノ-ベル化学賞を受賞した下村脩博士が発見した蛍光タンパク質に着目。遺伝子工学の技術を使って、蛍光タンパク質の遺伝子を組み込んだ新たな分子構造を作った。この分子構造は白血病の原因タンパク質が働くことで細胞に生じるリン酸化の有無で違う色の光を出すよう作られており、それを薬を服用した患者の細胞に注入。薬が効かずに細胞がリン酸化していると、細胞内が黄色く光り、薬が効いてリン酸化していないと、青緑色に光る。研究チ-ムは実際に患者の細胞を使い、この手法の有効性を確かめた。現在はこうした事前の判定ができず、患者に適合した薬を探すために次々と薬を投与している。一つの薬を試すのに数ヵ月かかるため、有効な薬が見つかるまで1年ほどかかる場合もあり、患者が副作用や病状悪化などに苦しむことがあった。大場准教授は「今後1~2年かけて試験を重ねて有効性をさらに確認し、実用化したい」と話している。

100_7869 慢性骨髄性白血病 遺伝子の異常により、がん細胞を生じさせる原因タンパク質ができ、骨髄で白血球が過度につくられる血液のがん。発熱や倦怠感が続き、脳や心臓に転移する例もある。急性より少ないが、国内では年千人が発症し、現在の患者は約5千人。死亡例も多い。

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根治療法未確認の「表皮水泡症」

2010-07-31 14:40:22 | 健康・病気

骨髄移植 治療に有効

北大大学院研究科皮膚科学分野(清水宏教授)の阿部理一郎講師(41)と藤田靖幸医師(32)らの研究班は、骨髄移植が難病の表皮水泡症の症状を改善させ、治療に有効なことをマウスで確認した。最新の米科学アカデミ-紀要(電子版)で発表した。

北大研究班マウスで確認

皮膚表面の表皮とその下の真皮をつなぎ留めるタンパク質がないために起きる同症は、根本的な治療法がない。今回の研究は骨髄移植が有力な治療法となる可能性を示した。研究班は、原因タンパク質の一つ、17型コラ-ゲンが生まれつきない同症のマウス20匹に、健康なマウスの骨髄を移植。その結果、移植した骨髄の一部が皮膚細胞に分化し、8割以上のマウスの皮膚に移植でできた新しい細胞や17型コラ-ゲンを確認した。水疱ができにくくなるなど皮膚の症状も改善した。研究班によると、同症の根本的な治療法としては、欠損タンパク質の遺伝子を患者の皮膚細胞に導入する遺伝子治療や、タンパク質自体を皮膚に補充する治療法か゛挙げられるが、まだ研究段階だ。阿部講師らは「今後は、ヒトでも骨髄移植でタンパク質や皮膚を形成できるか確かめねばならない。骨髄移植は白血病などの治療で既に行われており、他の研究段階の治療法に比べ、障壁は低く、実現性は高い」と話している。

治療法発展に寄与

大阪大大学院医学系研究科の玉井克人准教授(50)=遺伝子治療学、皮膚科学=の話 骨髄移植が有力な治療法の選択肢の一つとなる道を開いた。今回のマウスの実験で、治療の安全性や有効性、メカニズムや課題などを検討、評価できるようになり、治療法の発展に寄与する成果だ。

治療進めてほしい

患者会「表皮水泡症友の会 デブラジャパン」(札幌)の宮本恵子代表(55)の話 毎日のように水泡の処置や患部のガ-ゼ交換で痛みに耐えている患者にとっては、希望となる研究結果だ。治療法がないこの病気が1日でも早く治せるようになるため、さらに研究や治験を進めてほしい。

表皮水泡症

生まれつき皮膚が弱く、ちょっとした接触や刺激で表皮と真皮の接着がはがれ、水ぶくれ(水泡)やびらん(たたれ)ができる。繰り返しできる水泡などで手足の指が癒着したり、できた潰瘍ががんになったりすることもある。国内推定患者(難病)で医療費が助成される。

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橋本病は圧倒的に女性に多い病気です!

2010-07-30 17:16:04 | 健康・病気

ウイミングクリニック札幌 院長 内科医 堀本正禎さん                                    札幌医科大学医学部卒業。医学博士。解説

●発症率は男性の20倍

甲状腺ホルモンが不足した状態を甲状腺機能低下症と呼びますが、その代表的な病気が橋本病です。橋本病は、抗サイログロブリン抗体や抗甲状腺ヘルオキシダ-ゼ抗体と呼ばれる自己抗体により引き起こる慢性甲状腺炎で、女性に発症する頻度は、男性の約20倍です。

●症状と治療法

橋本病が進行し、甲状腺機能が低下すると①首の前部が腫れる②体温が低い・寒がり・疲れやすい・動作が鈍い・体重が増える・むくみなどの全身症状③もの忘れ・無気力・眠たい・ボ-ツとするなどの精神症状④脈が遅い・息切れするなどの循環器症状⑤汗がでない・皮膚が乾燥する・脱毛・まゆが薄くなるなどの皮膚症状⑥食欲低下・便秘などの消化器症状がみられます。さらに女性では過多月経や無月経など月経に関するトラブルが初発症状になる事もあります。また高コレステロ-ル血症、肝障害、貧血などを指摘されたり、これらを治療しているのに改善が見られない場合には、橋本病が原因になっている事があるので注意が必要です。治療に関しては、甲状腺機能が正常であれば必要ありませんが、機能が低下している場合には、不足している分だけ甲状腺ホルモン薬を内服します。血液検査をしながら適切な量を調節しますので、薬による副作用の心配はありません。長期間の治療が必要ですが、血液中の甲状腺ホルモンが正常にコントロ-ルされていれば、日常生活、運動、仕事、妊娠、授乳など特に制限はありません。

●定期検査が重要

橋本病では①甲状腺機能低下症のほかに、②一過性に甲状腺機能が亢進する無痛性甲状腺炎③TSHレセプタ-刺激抗体が原因で甲状腺機能が亢進するバセドウ病④甲状腺がんや悪性リンパ腫などの甲状腺腫瘍を合併することがあります。それぞれ治療法が異なりますので、初診時に治療の必要がないと診断されても、必ず定期的に血液検査や超音波検査などを受けて下さい。

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最近よく聞く「パニック障害」とは?

2010-07-29 15:40:12 | 健康・病気

ウイミンズクリニック札幌 院長 内科医 堀本正禎さん                                     札幌医科大学部卒業。医学博士。解説

仕事がうまく出来るか、自分の将来はどうなるかなど、私たちはさまざまな不安を感じながら生きています。しかし、不安が病的に強くなると、必要な行動が出来なくなったり、体の不調が現れて、日常生活に大きな支障が出てきます。このような病態は不安障害と呼ばれ、その代表的な病気が「パニック障害」です。この病気は100人中1~3人にみられ、女性は男性より約2~3倍多く発症し、20~50歳代に多く認められます。

●パニック障害とはどんな病気?

パニック障害の中心的な症状に「パニック発作」があります。パニック発作とは、何の前ぶれもなく、突然心臓がドキドキする。呼吸が苦しい、汗が吹き出る、手足がしびれる、目まいがする、吐き気がするなどの身体症状が短時間のうちにピ-クに達し、このまま死んでしまうまではないかと思うほどの恐怖感に襲われる病態です。発作は激烈で救急車で運ばれることも少なくありませんが、検査を受けても体に異常は見つかりません。1度パニック発作を経験すると、また同じ発作が起きるのではないかと不安になり、以前発作を起こした場所に行けなくなったり、発作が起きてほしくない場所(例えば地下鉄、バス、人ごみなど)を避けたりすることもあります。

●パニック障害の原因と治療について

パニック障害の患者さんでは、脳の扁桃体が過活動になっているため、安全な状況にもかかわらず不安や恐怖を感じ、それに付随して起きる身体症状に対してさらに不安を覚えます。そういった悪循環からパニック発作に至ると考えられています。薬物治療では、選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)や抗不安薬などが使用されます。また、身体症状に対し過剰な不安を修正する認知行動療法も有効とされています。パニック発作に似た症状が出現し、検査で異常が認められなかった場合には、この病気に詳しい医師を受診ダして下さい。

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新型インフル肺炎 解明

2010-07-22 16:42:25 | 健康・病気

北大チ-ム ウイルスが細胞破壊 治療方法の確率に期待

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新型インフルエンザ感染によるウイルス性肺炎について、北大医学部腫瘍病理学の田中伸哉教授(45)らの研究チ-ムが、人間での発症メンにズムを世界で初めて解明した。研究チ-ムは、新型ウイルスが肺の細胞を直接破壊することを確認。今後の治療方法の確立につながると期待される。チ-ムは研究内容を国内の感染症専門誌のインタ-ネット版で発表する。

研究チ-ムは、田中教授と、国立感染症研究所(東京)の佐多徹太郎感染病理部長らがメンバ-。同チ-ムは、新型インフルに感染し、昨年8月末に急死した宗谷保健師事務所利尻支所の40代の女性保健師について、保険師の脳や心臓、肺など全臓器の状況を調べた。その中で、両肺が炎症などで通常の3倍の600㌘まで重くなっていたほか、肺胞の表面にある上皮細胞内に新型ウイルスが存在していることを確認。肺胞上皮細胞の中でも、肺胞の収縮を滑らかする表面活性剤をつくる細胞が多数壊れていることも発見した。研究チ-ムは保健師の死因をウイルス性肺炎と特定。表面活性剤を失った細胞が収縮を繰り返す内に崩壊する状況が急激に進行し、結果的に呼吸不全に陥った-との発症メカニズムを突き止めた。田中教授らによると、このを研究を元に、中国地方の病院が昨年11月、新型感染による肺炎で意識不明となった女児(11)に対し、分泌液成分の直接吸入などを実施。その結果、女児は一命を取り留めたという。季節性インフルエンザの場合、ウイルス感染が直接肺内部ではなく、気道上の細胞に限られる。このため、肺炎を起こす場合は、ウイルス感染で弱った肺への細菌感染が主原因になるという。田中教授は「新型ウイルスは、季節性とは明らかに異なる性質を持っており、肺内部を直接攻撃するため、劇症肺炎となる可能性もある。このため、呼吸器疾患を持つ患者や乳幼児などは特に気を付けて」と説明している。

100_7800_2 画期的な研究

日本小児科学会新型インフルエンザ対策室長の森島恒雄・岡山大医学部教授(小児科学)の話 新型インフルエンザウイルスが肺内部で増殖することは動物実験で確認されていたが、ヒトで実証したのは田中教授らが初めて。今後、新型感染による重症肺炎の治療を的確に行う上でも、大きな意味を持つ画期的な研究だ。

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難病・ベ-チェット病

2010-07-19 16:21:59 | 健康・病気

原因2遺伝子発見                                                           北大チ-ム 新薬開発に前進

100_7775 北大大学院医学研究科は14日、全身に潰瘍や炎症を繰り返す難病で、国内では道内に最も患者が多いとされるベ-チェット病を引き起こす二つの原因遺伝子を、横浜市立大の研究チ-ムとともに発見したと発表した。原因遺伝子は既に一部が特定されていたが、これにより、遺伝子因子の解明の大部分が終わり、新薬開発の可能性が高まった。

11日の米科学誌ネイチャ-ジェネティクス電子版に掲載された。ベ-チェット病は青年期に突然発症、重症化すると失明し、死亡例も多い。厚生労働省によると患者は全国に一万七千人おり、国が1972年に難病指定した。道ベ-チェット病友の会(札幌)によると、道内には1600人の患者がいる。黄色人種特有とされるが、北海道に患者が多い理由は不明。北大大学院医学研究科の大野重昭特任教授(炎症眼科学)らが日本人1352人の遺伝子を解析したところ、多くの患者に1番染色体の「IL10」と「IL23R/IL12RB2」と呼ばれる二つの遺伝子の変異が認められた。この変異でベ-チェット病の発症リスクは通常の1・5倍に高まることも分かった。従来の研究では、6番染色体の「HLA-R51」などが原因遺伝子として特定され、薬も開発されたが、効果があるのは患者の6割にとどまっていた。ベ-チェット病は遺伝子因子に、細菌などの環境因子が重なると発症するとされるが、環境因子についてはなお、未解明な部分が多い。今回の発見について大野教授は「病気のメカニズムをつかみ、新薬を開発する大きなステップ」と説明。道ベ-チェット病友の会の木村之夫事務局長(53)は「私も30年前に発症し、片目を失明した。この発見を機に新薬開発を急いでほしい」と期待している。

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こげくさい匂いの正体 !?

2010-07-17 16:13:21 | 健康・病気

推測だが、過去に喫煙したたばこの肺に付着したタ-ル

何十年か前へに、手術で映し出された映像に肺の表面がタバコのタ-ルで覆われていたのを思い出しました。そのころは、まだ喫煙中でニコチン中毒が優位を占めていた状況のため深刻には受け止めてはいませんでした。

40年間の喫煙習慣もはや禁煙してから15年位が過ぎます。いつの間にか、そのことでの体調への影響を想像しにくくなっていました。5年ほど前から、声がかすれる様になりました。接客中に声がかすれる。よく風邪のウイルスで扁桃腺を腫らすことが習慣的に経験する体質のため、一過性とたいして気にもしていませんでした。健康食品を取り扱っている立場上、よく試飲します。健康食材の基本的コンセプトは自己免疫力を高め、自然治癒力による体調の正常化にあります。そのためか何故かは分かりませんが、試食すると体の中心が暖まります。かって、低体温気味で自律神経失調症かつメニエ-ル症候群の症例に合致した経験をもちますが当時は多少不整脈は確認できても特に異常は認められないとの診断でした。その後、食事に注意を払い健康食品とのつながりを持ちながら健康を確保した経験があります。今から約一年ほど前に取り扱い始めたサプリメントを試食。その年の晩秋、軽い急性アレルギ-症状に罹患しました。そのことが、引き金になったのかは分かりませんが、焦げ臭い匂いを感じるようになりました。当初は対象物に責任を転嫁していました。ところが、自分の鼻の奥にその原因があることと、その前後口の中に接着剤の匂いが充満しました。その原因を入れ歯の不具合に起因するのではとの憶測をしました。その後、体調は可もなく不可もない状態で推移し何時しか匂いの問題も解消していました。

今夏、急性アレルギ-症状が多少頻繁に経験。何度かサプリメントで免疫力をアップし治癒していたが、そのことと相前後し昨年経験した焦げ臭さを鼻の奥に再度感じるようになりました。サプリメントでの免疫力アップで治癒するためには、こまめに摂取することが効果的でひと月位は各種臓器に十分に栄養素が蓄えられることが肝要とのことで、それを実行しました。結果は焦げ臭さから口の中に接着剤の匂い、更に記憶が呼び戻され、灰皿から“もく”を拾いニコチンを吸ったその時の味を毎日味わっている状況です。

栄養素を急速に補充することによって代謝を活性化、肺の機能の正常化に向かって付着しているタ-ルが口腔から体外へ排出しているとしか考えられません。たばこは吸わないが、昔味わっていた一服をしばらくの間経験することも“よし”としよう。と腹をくくったしだいです。

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細胞が変化 膵機能回復

2010-07-16 16:35:11 | 健康・病気

奈良・スイスチ-ム解明 糖尿病治療に期待

100_7764 膵臓でインスリンを出し血糖値を下げるベ-タ細胞を取り除くと、反対に血糖値を上げる細胞が変化して膵臓の機能回復させることを奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)とスイスのジュネ-ブ大のチ-ムがマウスを使って解明した。

糖尿病患者ではインスリンが働かなくなったり欠乏したりしており、ベ-タ細胞を除去したマウスは糖尿病と同じような症状を示す。チ-ムの河野憲二奈良先端大教授は「細胞が変化し機能が回復する仕組みが分かれば、治療につながるかもしれない」としている。チ-ムは、マウスの膵臓にある組織「ランゲルハンス島」でインスリンを出しているベ-タ細胞を除去。15日後に正常なマウスの0・4%しかなかったベ-タ細胞が、1ヵ月後には1・2%、10ヶ月後には17%にまで回復し、生存に必要だったインスリン投与も不要になった。そこで、ラングルハンス島でベ-タ細胞とは逆に血糖値を上げるグルカゴンを出す「アルファ細胞」を、発光するようにして識別できるようにした上でベ-タ細胞を除去。すると、発光する細胞がベ-タ細胞に変化し、インスリンを分泌していた。アルファ細胞も同時に除去すると、ベ-タ細胞は増えなかった。成果は英科学誌ネイチャ-に掲載された。河野教授は「正反対の機能を持つ細胞に直接変化したのは驚き。生き延びるための適応の結果ではないか」と話している。

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異常な血管の再生に新技術

2010-07-15 19:55:54 | 健康・病気

旭医大講 師 膵臓がん治療に活用期待

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旭川医大の水上裕輔講師(41)=内科学講座=は13日、東京都内で記者会見し、がん細胞周辺の異常な血管を修復・再生する新技術を開発したと発表した。これまでの医療技術では難しかった膵臓がん治療などへの活用が期待されるという。水上講師によると、膵臓がんなどでは、がん細胞周辺にできる血管は酸素や血液を運ぶ働きが十分ではない。このため抗がん剤ががん細胞に届かず、転移しやすいなど、悪性度が高い。がん細胞周辺に次々とできる異常血管の発生を阻害する治療法もあるが、血流の少ない膵臓がんには効かなかった。水上講師は、健康なマウスの骨髄から血管を安定化させる細胞を取り出し、膵臓がんを発症したマウスに移植する方法で、血管の正常化を促進。がん細胞内の血流が良くなり、酸素が十分に行き渡った結果、抗がん剤の効き目も明らかに上がったという。今後がん患者らへの臨床応用を目指し、研究を重ねる。水上講師は新エネルギ-・産業技術総合開発機構(NEDO)の2007年度産業技術研究助成事業に選ばれ、研究を進めていた。「今後はがん患者本人などから、安全で治療効果の高い細胞を取り出す方法を確立できるかどうかが課題」と話している。成果は、米国癌学会が発行する13日付けの学術雑誌(オンライン版)にも掲載された。

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健康阻害の仕組み解明

2010-07-15 17:34:34 | 健康・病気

奈良先端大 体の機能調節Gタンパク

100_7771 生命の維持機能を調節する体内の「Gタンパク質」の働きを、特定の化合物が阻害する仕組みを奈良先端科学技術大学院大とアステラス製薬のチ-ムが突き止め、12日付けの米科学アカデミ-紀要電子版に発表する。Gタンパクは細胞にあり、光やにおい、ホルモンの感知や、筋肉、心臓の動作などの機能に関与。過剰になるなどの異常があると、がんや心筋梗塞につながり、奈良先端大の伊東広教授は「働きを邪魔すれば治療薬の開発が可能」としている。細胞では、表面で分子レベルの信号を受け取るとGタンパクが“開いた”構造に変化。GDPという物質を放出し活発に働きだし、血管収縮や神経系の興奮も起きる。チ-ムは、土壌細菌が作り、血液の凝固を防ぐ化合物がGタンパクを阻害ひかするのに注目。大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)で構造を調べた結果、化合物がGタンパクのくぼみに入り込み、開いた構造になるのを防げていた。Gタンパクは人で約20種あり、くぼみの形が異なる。各くぼみに合う化合物を作れば、さまざまな病気の薬を開発できる可能性があるという。

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果実の香りでシロアリ撃退?

2010-07-09 15:22:46 | 学問

岡山大グル-プ 女王フェロモンの成分特定                                                            駆除薬開発に可能性

シロアリの女王が分泌し、ほかの雌による産卵を妨げている「女王フェロモン」の成分が、2種類の果物のにおいであることを突き止めたと、松浦健二岡山大准教授(社会生物学)らのグル-プが米科学アカデミ紀要に発表した。シロアリは、木造家屋などを食い荒らす嫌われ者となっている。グル-プは、このフェロモンの人工合成にも成功しており、効果的な駆除薬開発につながる可能性があるという。グル-プは、日本で最も一般的なヤマトシロアリの女王200匹を容器に入れ、回収したガスを分析。その結果、フェロモンの成分は、リンゴやバナナの香りに含まれる「プチルチレ-ト」と、ブドウなどに含まれる「2-メチルブタノ-ル」の2種類の揮発性化学物質の混合物だと分かった。次に、このフェロモンを人工的に合成して、働きアリ100匹を集めた空間に漂わせると、女王化するアリは1匹程度で、フェロモンがない場合の5匹程度に比べて明らかに女王化が抑制された。松浦さんは、合成フェロモンと殺虫剤をくみ併せることで、群れ全体を効率的に壊滅させる駆除薬を開発したいとしている。

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iPS細胞の使用本人以外も容認へ

2010-07-08 16:27:01 | 健康・病気

厚労省が指針最終案

さまざまな細胞になることができる「万能細胞」のiPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)を人間の治療に使う臨床研究をする際の手続きなどを盛り込んだ指針最終案を厚生労働省の専門委員会がろ9月30日、まとめた。上部部会への報告を経て、指針は8月に告示される見通し。当初案は、iPS細胞は提供した本人への使用に限定していたが、他人の細胞をもとに作ったiPS細胞の利用を求める意見を受け、最終案ではそうした細胞の使用も認めた。またES細胞は当面、人間の胚の利用に関する基準ができるまでは使えない。厚労省は今後作業部会を設置し、治療目的に胚を使う際の倫理的課題などを検討する。最終案では、治療は病気やけがで失われた臓器や組織の再生が目的で、臨床研究には、医療機関の倫理審査委員会と国による審査のダブルチェックを求めた。iPS細胞の使用について、委員や国民からの意見募集で「患者本人の細胞から作ったiPS細胞を使うには数ヵ月かかり、治療に間に合わないケ-スがある」「遺伝的な疾患の場合などは、本人のiPS細胞を使うと病気の再発の原因にもなる」などの意見が寄せられ、最終案て゛は他人由来のiPS細胞使用に道を開いた。

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安全なiPS細胞で脊髄損傷治療

2010-07-08 15:25:21 | 健康・病気

岡野・慶大教授ら成功 マウスの歩行機能回復

100_7762 腫瘍になる危険性を事前に調べ、安全性が高いと確認した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、脊髄損傷のマウスの歩行機能を回復させることができたと、岡野栄之慶応大教授と山中伸弥京都大教授らが6日付けの米科学アカデミ-紀要電子版に発表した。iPS細胞はさまざまな細胞になる能力があるが、腫瘍化の危険性が指摘されている。今回は事前チェックで安全なiPS細胞を見分けて治療に利用できることを示す結果で、岡野教授は「安全性が担保できたiPS細胞を使えば治療効果の確実性が高まる。iPS細胞による細胞治療の基本的な考え方を示すことができた」と話している。岡野教授らは、しっぽなどマウスのさまざまな体細胞から作製したiPS細胞が腫瘍化しやすいかどうかを調べるため、特殊なマウスの脳に移植した。すると胎児の皮膚から作製したiPS細胞は、移植後半年経過しても腫瘍化せす゛、安全と判断した。これを神経幹細胞に分化させて脊髄損傷のマウスに移植し、治療に成功した。移植した細胞は損傷した脊髄に生着し、運動機能にかかわる神経組織を回復させていた。大人の線維芽細胞という体細胞から作ったiPS細胞は腫瘍化などの危険性が高いとされるが、今回の方法で事前に安全と確認できたものは、治療に使って歩行機能を回復させることができた。

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ヒト血液からiP細胞

2010-07-03 18:08:24 | 健康・病気

慶大など 臨床応用へ前進

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ヒトの血液細胞から万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作製することに、慶応大とハ-バ-ド大、ホワイトヘッド生物医学研究所の日米3チ-ムがそれぞれ成功した。慶応大の福田恵一教授らが1日付の米科学誌セル・ステム・セル電子版に発表した。身体の多様な細胞に変えることができ、難病の再生医療や新薬開発への応用が期待されるiPS細胞はこれまで、皮膚の表皮の下にある真皮を採取して作られることが多かった。しかし、健康診断などで採取の機会が多い血液なら、患者の痛みや費用の負担が少なく、安全性も高いと期待される。2007年にヒトiPS細胞を世界で初めて開発した山中伸弥京都大教授も「臨床応用に向け、技術的に大きな前進だ。非常に近い将来、iPS細胞の材料は、皮膚の線維芽細胞から血液に劇的にシフトする可能性がある」と評価するコメントを同誌に寄せた。3チ-ムはいずれも、血液に含まれるT細胞(リンパ球の一種)などに山中教授らが発見した4種類の遺伝子をウイルスを使って導入し、iPS細胞を作った。

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iPS細胞 自動培養

2010-07-01 16:45:49 | 健康・病気

産総研など 実用化へ前進

皮膚などの体細胞から作り、さまざまな細胞になる能力があるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を自動培養することに世界で初めて成功したと、川崎重工業、国立成育医療研究センタ-、産業技術そ総合研究所が28日、発表した。iPS細胞の実用化に向けては、安定的な大量培養技術が必要とされていた。開発した自動培養装置は高さ2・1㍍、幅2・2㍍、奥行き1・4㍍の箱型。内部にロボットア-ムを備える。画像処理による未分化なiPS細胞のより分け、培養液の交換や破棄、培養血の移し替えといったiPS細胞の培養に必要な複雑な作業を自動化した。同時に約20系統を自動培養でき、15週間連続培養した細胞は正常がであること確認された。iPS細胞は、病気の原因解明や新薬開発での利用が期待されており、産総研甘幹細胞工学研究センタ-の浅島誠センタ-長は「自動培養でIiPS細胞の研究は大きく加速するだろう」と話した。

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