北見・古屋医師発表へ 薬指との比調査
[北見]北見市の泌尿器科医の古屋聖児医師(69)らのグル-プが、男性の前立腺異常と、手の人さし指と薬指の長さの比率との間に関連があるとの研究結果をまとめた。5月の全米泌尿器科学会総会い゛発表される。
嚢(のう)胞できやすく
古屋医師は前立腺にまれにでき、前立腺疾患の原因になる嚢胞(液のたまる袋)と、近年注目されている胎児期に男性ホルモンが少なかった男性ほど薬指が短く人さし指が長くなるという学説に着目。 1年前から前立腺肥大症患者118人を対象に、嚢胞の有無と、人さし指と薬指の比を調査した結果、薬指を1とした場合の人さし指は嚢胞のある人が平均で左右とも0・94。無い人は右0・91、左0・92で、嚢胞がある人の方が、両指の差か゛小さかった。嚢胞が生じやすいくぼみは女性器の名残とされる。 古屋医師は「人さし指が薬指に対して長い人ほど嚢胞が多くできた」と前立腺疾患とホルモンとの関係を示唆した上で、「臨床への応用は未知だが前立腺の疾患の予防につながる可能性もある」と話す。古屋医師は前立腺肥大症などの治療を専門に扱う古屋病院の院長で北見医師会会長。これまでも前立腺に関する論文が米国の学会誌に掲載されるなど、臨床に基づく研究成果が注目を集めている。