大地の力をうまみに 土との相性が大切
はるか遠くの防風林まで続く ゴボウ畑。カタカタ・・・。軽快 な音を立てながら専用収穫 機が土を掘り返すと、土中か ら次々とゴボウが現れた。収 穫作業を見せていただいた のはビ-トや小麦などととも に、約3㌶でゴボウを育てて いる松久良行さん(43)=東 坂の上=の畑。松久さん宅 では毎朝7時から、家族4人で長さ65㌢以上のゴボウを収穫してい る。今年は4月下旬に種をまき、9月上旬から収穫を始めた。収穫は 11月上旬まで続く。収穫機にはベルトコンベヤ-がついており、この ベルトでゴボウを両側からはさんで堀り上げるしくみ。うまくはさまな いと土中でゴボウが折れてしまう。土質によってトラクタ-のスピ-ド を変えたり、コ-スから外れないようにしたり、細心の注意が必要だ。 530㍍もの長さ。「朝から2往復で日が暮れます。後ろを向きながら 運転するので腰や肩が痛みますね」。松久さんは汗をふきながら笑顔 で語るが、かなりの重労働だ。松久さんは土づくりや減農薬・化学肥 料に取り組む農業者を認定する道の「エコファ-マ-」を習得。牛ふん や野菜の残さをすき込むなど土づくりにも工夫を重ねている。1・5㌶の 畑でゴボウを栽培する同町北伏古の畠山誠さん(45)も「土がゴボウ の肌に合うかが大事です」と話す。畠山さんによると、ゴボウ栽培では、 障害物にぶつかって傷ついたり根が曲がらないよう、土中1㍍ぐらいま で土を柔らかくすることが重要。畠山さんは種まき前に、トレンチャ-と 呼ぶ専用機械で広大な畑を丁寧に掘り起こしている。農水省の2006 年度統計によると、芽室町のゴボウ作付け面積は132㌶で全道1位。 JAめむろの生産者は65戸で、今年は2746㌧の収穫を見込む。風味 が良く、柔らかい芽室産のゴボウは道内のほか関西、四国など全国各 地に出荷され、高い評価を得ている。
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ゴボウは食物繊維が豊富なほか、腎臓の機能を高める作用がある イヌりンや滋養強壮効果があるアルギニンも含まれている。JAめむ ろ営農情報課の専任指導員・甲地悦子さんと課長補佐の横地利枝 さんにゴボウ料理を紹介してもらった。「ゴボウス-プ」は牛乳で煮 込んだゴボウをフ-ドプロセッサ-にかけ、味を調えたもの。じわりと ゴボウの甘みが広がる。皮むき器で薄くむいて揚げたゴボウチップス はビ-ルとの相性も抜群だ。かみしめるほどに味わいがあるゴボウ。 実りの秋。生産者の心意気が根の咲まで詰まったゴボウを肴に、 一献傾けるのも良さそうだ。
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