雑草、地下茎食べ尽くし
瀬戸内海に浮かぶ山口県上関町の祝島は、古 くは海上交通の要衝として知られていたが、数千 人だった人口は現在5百人程度と減少の一途を たどっている。島の経済を支える農業も高齢化で 衰退し、耕作放棄された農地が目立つ。この島で、 雑草に覆われて荒れた休耕地を豚に耕してもらう ユニ-クな農法を進めるのは氏本長一さん(58)。 北海道で畜産業を経験した後、故郷の祝島に戻り、既に休耕地となっ ていた実家の農地の再生に着手した。いったん休耕地になると厄介 なのは、クズなど地下に茎を張り巡らせる植物がはびこることだ。地 表だけの対処では間に合わず、復旧には多大なコストがかかる。しか し豚は、背の低い雑草を食べ尽くすと、土を掘り返して地下の茎も食 べ、ふんはそのまま肥料になる。2頭で荒れた休耕地約8百平方㍍を 食べ尽くし、10年近く放置していた土地が1ヶ月ほどで畑に復活した。 栽培したイモや野菜は有機栽培で味が良いとされ、豚も食肉として出 荷するが、放し飼いに近い環境で育ったため、氏本さんによると「通常 の高級豚より高い値段が付いた」という。
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