顔は外気や日光の影=當瀬規嗣解説
よく老いることの象徴として「しわ」のことがあげられます。お年寄り の顔に刻まれたしわは、樹木の年輪のように、その人の人生を象 徴して印象深いものだと思います。一方で、とくに女性は顔のしわ を「老ける」ことの象徴として嫌がる傾向が強いです。そこで、お肌 のお手入れとか、しわ取りクリ-ム(?)とか、いろいろ試されて努 力を惜しまない方も多いようです。ところで、しわはどうしてできるの でしょうか?しわは赤ちゃんの時からあります。たとえば、手首や足 首のしわ。これは手足が成長するのに備えてあらかじめ作ってある 皮膚が、たるんでいるのです。一方、年を経るにつれてできてくるし わには二つあります。一つは関節の周りのしわのように、頻繁に皮 膚が伸び縮みするので、しわになるもので、服にできるしわと同じよ うなものです。もう一つは、皮膚の水分や皮下組織の弾力性などが 失われ、次第に細かいしわができてくるものです。これが、女性が 目の敵にしている「小じわ」です。ところで、小じわは顔によくできる のですが、胸やおなかの皮膚ではあまりみません。顔にしわができ やすくなるのは、一概に老化とはいえないような気がします。元来、 顔は常に外気や日光にさらされているので、これによる影響によって 次第にしわができるのです。長年のお化粧も影響があるのかもしれ ません。しわ取り治療を「アンチエジング」という人がいますが、何か 違う気がするのです。(とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)
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