パン教室「カフェ・タブリエ」主宰 森本 まどか 道産小麦でもちもちに
穀物の高騰や「食の安全」を脅かす出来事が 続き、私たちを取り巻く「食の環境」は変化して います。「内食」と言われる手作りの食事が増え、 パン焼き器の売り上げもアップしているそうです。 自分の手で確かめた材料を使うパン作りは、安心とおいしさの一石 二鳥。私の教室では北海道の小麦にこだわり、いろいろな種類を使 い分けています。少し前まで、道産小麦は「水の吸収が悪い」「パン を焼くと横に広がる」などという評判もありました。パンの膨らみのも とになるタンパク質の量は、米国やカナダ産の強力粉が12%強で、 道産は11%少し、ボリュームを出しにくい面もあるようです。しかし 今は、品種改良が進んで膨らみもよくなり、しっとりしたパンが焼けま す。外国の麦にはない、ほんのりとした甘さもあり、もちもちとした食 感は日本人好みです。道産小麦は、天然酵母との相性が良いのも特 長。低温で長時間発酵させると、小麦の中心にまで水分が行き渡り、 小麦本来のうまさが引き出されるように感じます。秋まき小麦のよう に、じっと冬の寒さに耐えた後の味わいなのでしょうか。地元の小麦 で豊かに焼きあがるパンは、北海道の自然エネルギーに満ちていま す。
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