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自殺者6割薬過剰摂取

2010-06-01 16:51:12 | 健康・病気

厚労省調査 精神科治療に課題

精神科治療を受けながら自殺に至った人の6割近くが、処方された薬を過剰に服用していたことが、厚生労働省研究班の調査で分かった。過剰摂取自体の致死性は比較的低いものの、自殺行動を促す恐れがあり、国立精神・神経センタ-精神保健研究所の松本俊彦室長は「特に若い人に目立つ。乱用を防ぐ方策や、精神科医療の質の向上が必要だ」としている。研究班は自殺の実態把握と原因分析を目的に、2007年12月~09年12月、自殺既遂者76人の遺族への面接調査を実施。精神科受診の有無など精神医学的な観点から分析した。自殺直前に何らかの精神疾患にかかっていたと推測される人は66人(86・8%)で、罹患率は国内外の先行研究とほぼ一致していた。死亡前の1年間に精神科・心療内科の受診があった人は半数の38人。30代以下が三分の二を占め、平均年齢は36・8歳で、受診していない人(平均46・3歳)より低かった。自殺時に、処方された睡眠薬や抗うつ薬などの過剰摂取があったのは、はっきり分からない5人を除き33人中19人(57・6%)だった。死ぬつもりでなくても、薬の多量摂取は抑制が外れて自殺衝動を起こすことがある。同室長は「早めの受診は大切だが、一方で薬が行き渡り過ぎるのは悩ましい問題。治療が薬物療法に偏り過ぎて、適切に処方されていない可能性ある」と指摘している。

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