道立道南農業試験場研究部長 赤司 和隆 昔の人は米よく食べた
道南の北斗市に松前藩の陣屋の跡があります。 外国からの進入に備えて1855年に造られたも ので、当時は17棟の建物と6つの砲座があり、 約120人の藩士がいたそうです。米蔵跡の案内 板に「米は1人1日白米5合、特に重労働の仲間(上役の雑役係)に は玄米7合5勺が与えられた」とあります。5勺は1合(180㍉㍑)の 半分です。与えられた白米をご飯にすると、普通の茶わんにやや大 盛りで約10杯、玄米(精白していない米)は約15杯にもなります。 すべてを食べずに、一部は換金していたかもしれませんが、1日に平 均約1・1合と少ない私たちから見れば、すごい量です。昭和初期の 宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」の一節「1日ニ玄米4合と 味噌ト少シ ノ野菜ヲタベ」にも、玄米4合の文字が見えます。この量は約2100㌔ ㌍に相当し、軽作業の成人男性がほぼ1日に必要な熱量です。米が 主なカロリ-源であった当時、4合あるいはそれ以上の量が必要とさ れたのでしょう。今、道産米がおいしくなっています。しかも安いときて います。「昔ノ人ニモマケズ」もっとお米を食べてみてはいかがでしょう。
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