平取の脱サラ農家・渡辺さん 新規就農から2年連続 指導と土地に感謝
[平取]道内屈指のトマト産地・日高管内平取町 で、就農二年目の脱サラ農家が2年連続で、面 積当りのトマト収穫量町内一を達成した。横浜市 から移住した渡辺邦衡さん(41)で、10㌃当り の収量(反収)は約160戸の平均より50%以上 多い16㌧前後。「町が良い土地を紹介してくれ た上、地元の皆さんに親切丁寧におしえてもらっ たおかげ」と話している。
渡辺さんは江別市生まれ。東京の大学を卒業後、印刷き機器メ-カ -に就職し、13年間営業、企画部門で働いた。妻の直子さん(37) も自動車メ-カ-の正社員だった。長男(六つ)の誕生後も、邦衡さん は休日出勤や残業が続き「子育てにも参加でない」と悩んだ末、5年 前に退職した。新たな職業は「子供におやじの背中がいつでも見せら れる」と農業を選び、邦衡さんが大好きなトマトの産地・平取に一家で 移った。地元農家などで3年間研修した後、昨年、土地を借り、8棟の ビニ-ルハウス(計約40㌃)や農業機械を整えて本格就農した。土 地はトマトが連作されておらず、収量増には有利だった。とはいえ、こ れだけの収量を上げたのは、こまめに生育を観察し、水やり追肥を繰 り返す基本を貫いた結果といえる。平取町農協トマト・胡瓜部会の糸 屋新一郎会長は「新規就農者からはいい刺激をもらえる」と語る。町 は2000年から毎年一組ずつトマトの新規生産者を受け入れ、全員が 順調に営農している。邦衡さんは「就農に際して町から最大500万円 の補助もあり、新規就農者は恵まれている。過疎の町にももっと農家 が増えてほしい」と話している。
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