警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。
初動捜査では、その手口から犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んでいた。
田川は事件現場周辺の目撃証言を徹底的に洗い直し、犯人が逃走する際ベンツに乗車したことを掴む。
ベンツに乗れるような人間が、金ほしさにチェーンの居酒屋を襲うだろうか。
居酒屋で偶然同時に殺害されたかに見える二人の被害者、仙台在住の獣医師と東京・大久保在住の産廃業者。
田川は二人の繋がりを探るうち大手ショッピングセンターの地方進出、それに伴う地元商店街の苦境など、日本の構造変化と食の安全が事件に大きく関連していることに気付く。
食品の安全性をめぐる闇や大手スーパーの裏側、そして破壊されゆく地方の現実を暴いた社会派ミステリーです。
帯に書いてあっつた平成版「砂の器」というキャッチフレーズはややオーバーながら、その内容はスリリングでなかなか面白かった!
久々に一気に読ませる本格ミステリー小説でした。
この小説の満足度:☆☆☆☆ 震える牛」を読みました。