- バイバイ、ブラックバード」を読みました。
星野一彦の最後の願いは何者かに“あのバス”で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。
そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」―これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。
なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。
久々の伊坂作品です。
タイトルの「バイバイ、ブラックバード」とはジーン・オースティンの歌のタイトルで”不吉な黒い鳥に別れを告げて、青い鳥に希望を求める”といったような内容の曲です。
5人の女性と同時に交際しているという割にはどこか憎めない主人公が謎の金髪巨漢女と一緒に一人づつ彼女たちの家を巡り別れを告げるという5編のショートストーリー。
著者独特のユーモアにつられて読んでいると、巧みに張られた伏線でラストでは”あ~、そう云うだったの事か!”と驚かされます。
流石に伊坂作品! この手の手法は相変わらず素晴らしい!!
内容も「フレンチ・コネクション」や「ドカベン」、「キャッツ・アイ」に、「13日の金曜日」、「銀河鉄道999」等の昔懐かしいネタが出てきて思わずニンマリです。
しかし、肝心の“あのバス”が・・・
この小説の満足度:☆☆☆