ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

二重訴訟

2009年11月10日 20時21分20秒 | 民訴法
二重訴訟の禁止


乙は甲に500万円の代金支払請求していた。
甲は乙に対する1000万円の貸金を相殺するとの主張をした。

さらに甲は別訴で残りの500万円の貸金返還請求を提起した。
甲の訴えは認められるか?



これは考えたことがなかったです。
二重訴訟と一部請求。



142条の趣旨と事件の範囲を記述。
相殺に利用するのは反対債権であり、別個独立の債権。
よって係属する事件ではなく、142条は直接適用ない。

しかし、相殺の抗弁は既判力が及ぶ。
抗弁を提出後、別訴提起すれば判決の矛盾・衝突があるため、142条の趣旨から認められない。
よって142条を類推適用して別訴は認められず、弁論の併合をすべき。


しかし、相殺の抗弁は対等額にのみ及ぶ。
とすると、別訴がその対等額とは無関係な範囲を訴訟物とするなら既判力の矛盾・衝突はない。

この場合は?

一部請求の訴訟物を記述。

一部請求における訴訟物を明示的表示があれば可能とすると、別訴の訴訟物は残部500万円である。
よって先の訴えとの判決の矛盾・衝突はない。

したがって、別訴は認められる。


ここまででもOKだと思うのですが、142条の趣旨の被告の応訴の煩、訴訟不経済を考慮すれば、甲は反訴として残部請求するのが適切。

とすれば、残部請求の別訴は、かかる趣旨から先行する訴えにおいて甲が反訴すればよく、甲の別訴は認められない。
よって弁論を併合すべきである。

とするか、


142条の趣旨から考えた事件とは、訴訟物が異なる以上、処分権主義を当事者に認めたことに鑑み、訴権の濫用となる特段の事情がない限り、別訴を認めるべき。

とするかは好みでしょう。

手形の偽造者からの取得者

2009年11月08日 00時05分38秒 | 商法
手形の偽造は苦手です。


手形受取人から窃取した者が、受取人になりすまして裏書譲渡をし、取得した所持人。


#これは裏書譲渡が偽造だと思うのですが、人違いとの記載もあり。

原則:偽造による手形行為は無効。

しかし、手形面上偽造かどうかは不明であるため、取引の安全を保護する必要がある。
では、手形所持人はいかに保護されるか。


善意取得が偽造にも適用されるなら、善意取得により保護される。
(ここが合っているか不明です。)

善意取得は偽造には適用されないとするなら、手形所持人は手形上の権利を取得しない。


本人に対する責任追及は、表見代理の類推適用又は、権利外観法理(①外観の存在、②外観作出の本人の帰責性、③外観に対する信頼)によって保護される。

②本人の帰責性は手形の保管に認められる。

外観に対する信頼は、重過失は悪意と同視し得るため、善意、無重過失であること。


また、偽造者は8条類推適用によって手形債務を負担する。

∵8条は本人の手形債務負担の外観作出に対する無権代理人の法定責任であるが、偽造も本人が手形債務を負担するかのような外観を作出した点においては同じである。


善意取得で有効に手形上の権利を取得したならば、偽造者に対して手形債務を請求し得る。

もっとも、民法117条2項との均衡上、手形所持人は偽造について善意、無過失であること。


善意取得の偽造への適用が無い場合で、本人に責任追及し得る場合には、偽造者への責任追及も8条類推適用で認められる。

この場合も民法117条2項との均衡上、善意、無過失が必要。




このように考えると、善意取得を認めた方が手形所持人の保護が重視されますね。

ただ、私は善意取得は、前主の無権利のみ治癒するという立場なので、権利外観法理によって、本人への責任追及が認められない限り手形所持人は保護されないという結論になってしまいます。

日曜答練商法第3 回

2009年11月06日 22時10分41秒 | 商法
日曜答練商法第3回をやりました。

有価証券法なのに長文で書くことテンコ盛りの内容で、これでもか~って感じでした。


時間は足りないわ、問題提起、論証はまともに書けないわ、どこまで省けるかが不明でした。

優秀答案も時間切れがあったり。
焦りもあり、いい訓練でした。

注文者取得説への批判

2009年11月05日 23時38分37秒 | 民法
建物建築請負契約において、注文者取得説に対する批判の一つ。

この見解は請負の報酬債権は建物の留置権、同時履行の抗弁権によって保護されるとするが、注文者が建物を占有侵奪すると占有訴権しかなく、善意の第三者に占有させると、もはや占有訴権も行使できない。


過去問昭和63年第37問から。

証明責任

2009年11月02日 22時32分43秒 | 民訴法
客観的証明責任は訴訟終了時に問題となり、
主観的証明責任は訴訟進行時に問題となる。

通常、証明責任というと、客観的証明責任のことを指す。


証明責任は主張責任の分配をする基準となる。



否認は相手方が証明責任を負う事実を否定する陳述

抗弁は自己が証明責任を負う事実を主張する陳述


証明責任は否認と抗弁を区別する基準となる。



証明責任は請求原因事実と抗弁事実を区別をする基準となる。

原告が証明責任を負う事実が請求原因事実
被告が証明責任を負う事実が抗弁事実


証明責任は本証と反証も区別する。


証明責任は自白の成否に影響する。



このように証明責任は多くの基準となる。

弁論の更新

2009年11月02日 20時10分09秒 | 民訴法
下記の場合、弁論の更新が必要なのは?

①第一回口頭弁論期日前の裁判官の交代
②口頭弁論終結前の裁判官の交代
③口頭弁論終結後、判決言渡前の裁判官の交代





















②のみ。
249条1項の直接主義は口頭弁論に関与したかどうかが要件になっているため、口頭弁論前や後ならば、直接主義に反しない。
口頭弁論後なら、判決は決まっており、交代した裁判官は旧裁判官の判決を言渡すのみ。

もっとも、口頭弁論終結後、判決が確定していないならば、弁論を再開し、更新の手続をとる必要がある。

将来給付の訴え

2009年11月02日 19時16分07秒 | 民訴法
将来給付の訴えは原則として、訴えの利益がない。

これは、通常現在化していないため、実効的紛争解決に適さないからである。

もっとも、紛争が現在化しており、将来もそれが継続しうるなら訴えを認めるべき。
それが『あらかじめその請求をする必要』である。
これは、義務者の態度、給付の目的、性質等を考慮して個別具体的に判断すべきである。


しかし、あらかじめ将来給付を得ておく必要があっても請求の内容が明確でない場合には、債務者は請求異議の訴えによらなければ、強制執行を阻止できないことになるため、不当である。

そこで請求権発生が相当程度確実であることが必要である。
これが請求適格である。
大阪空港騒音訴訟の三つの要件
①~
②~
③~

共同訴訟的補助参加

2009年11月01日 23時34分46秒 | 民訴法
共同訴訟的補助参加について

明文はないが、解釈上認められる。
既判力の拡張がされる第三者で、補助参加しかできないのでは、手続保障が図れないから。


共同訴訟的補助参加の判決の効力は、既判力と参加的効力の両方。

共同訴訟的補助参加の要件が、判決効が拡張されるのに、当事者適格がない者が可能だから。

ただし、参加的効力の除外事由は否定。十分な手続保障があるから。