めったに本業ネタは書かないのですが、実はこの1ヶ月ほど大変な日々が続いていたのです。
専門のことですので、興味のない方はパッパッとスルーしてください。
実はインプラントの大きなケースを2つばかり抱えて、すったもんだしていたのです。
そのうちの一つがこれです。
これで完成ではなく、実はプロビジョナル(俗に言う仮歯)です。
無歯顎の上顎に、インプラントが7本埋入されていて、その上にテンポラリーのフルブリッジを作ります。
テンポラリーなので、簡単にレジンで作れば良さそうなものですが、できれば半年~1年は筋肉のリハビリをしなくてはならないそうなので、金属の裏装をして硬質レジンで作りました。
半年~1年後にチタンのフレームで完成補綴物を作ります。
いい加減なところなら、これで完成補綴物と言ってもおかしくないと思いますが・・・(笑)
フィクスチャーの埋入方向があまり良くなくて、前歯の切縁や唇面にアクセスホールが出てしまいました。
これは私の責任ではありませんので、デンティストの責任でCR等で塞いでもらうように言いました。
しかしここまでこぎ着けるのは大変でした。
インプラントの歯科技工っていうのは、とにかく面倒で時間がかかる割りにはあまり儲からないのです。
本業も副業も半ばボランティアみたいなもんです・・・
これとは別に下顎6前歯のインプラントもあって、実にハードな1ヶ月だったのでした。
当然約束した芸能活動は休むわけにいかないし、お弟子さんの稽古も付けなくてはいけないし。
本業も芸能活動も、有能な弟子が必要です・・・
私たちはそのねじ穴の上の構造物を作る仕事なのですが、何もないところから作るのでこれがまた大変。
損得勘定を抜きにすれば創造的な仕事で良いのですが・・・・(笑)
インプラントはアフターケアが大切です、定期点検をお忘れなく。
歯科技工士でもインプラントの補綴ができるのはとても優秀な技工士だそうで、引っ張りだこだとか。
最近中国では、腕の良い歯科技工士を日本からスカウトして教授として厚遇しているようです。我が家の地域でも腕の良い技工士さんが次々と中国に引き抜かれて困っているとか聞きました。
くまりんさんもヘッドハンターに狙われないようにしてくださいね。
田舎では、本業も裏稼業もなかなか厳しいです。
やっぱり独立するときに都会に出るべきだったか・・・
中国もしたたかですからねぇ、気を付けます。
もっとも裏稼業など無ければ喜んでヘッドハントされるかもしれませんが・・・
あと20年もすれば国内に歯科技工士なんてほとんどいなくなってしまう計算です。
国内の歯科技工士の平均年齢は50歳をはるかに越えているそうですから。
まぁそうなれば、間違いなく中国を筆頭として海外へ発注と言うことになりますね。
中国には歯科技工士という資格はありませんから、そうなれば私たちの資格は絶滅ということになります・・・
仮歯の後、完成品を作る時に歯科技工士さんが歯医者に来られて、いろいろ採寸(?)や写真を撮られていました。綿密な作業ですね。
この前、2回目の点検をしました。インプラントは骨にしっかりくっつき、歯茎も問題なく順調とのこと。氷もバリバリ囓られます。歯磨きを丁寧にするようになりました。
何度も通ううちに患者さんと顔見知りになることもあります。
願わくば、保険診療に組み入れられて、患者負担が少なくなれば理想的なのですが。
そうそう、歯磨きはしっかりやりましょう。