Kuniのウィンディ・シティへの手紙

シカゴ駐在生活を振り返りながら、帰国子女動向、日本の教育、アート、音楽、芸能、社会問題、日常生活等の情報を発信。

日本の中学生の精神年齢が幼くなっている~中学の懇談会より

2009-03-20 | 日本の中学校
昨日、上の息子の公立中学で、今年度最後の学年全体の保護者会とクラス会があった。2月の福島でのスキー教室の写真をスライドで見せてくれて、いい雰囲気の中、生活指導の先生がこの一年間を振り返って、総括してくれた。

淡々と終始ソフトな口調で話されたが、話の内容は苦渋に満ちたものだった。それでいて話されている内容が、あまりに理路整然としていたので、逆に重々しく感じたほどだった。先生の話では、一部の生徒たちが、休み時間にどこかへ行ってしまい、その生徒たちを捜したり、その子たちが給食時間に帰ってきたら、別室で授業を受けてない分を自習させたりと、とても苦労されたらしい。何の連絡もなく休む生徒たちの家に訪問もしなければならなかったようだ。中2の全生徒240人中、17人もの生徒が一年を通して、30日以上休んでいたので、学校生活になじめずにいる生徒がかなりいたということだ。これは、きっと日本全国でも同じような傾向であろう。メディア等で報道される不登校という文字が現実なのだとつくづく実感した。

そして、現代の日本の子供たちがかかえている大きな問題について言及された。「今の子供たちは、親をこえる力はない」とよく言われる。これは、「家族の一員として、忍耐強く何かしなくてはいけない」という意識に欠けるということ。習い事や塾等で子供たちの日々が忙しく、何でも親が手をだしてしまうので、生活体験がきわめて未熟で、親の世代を越える子供たちがだんだんなくなってきているらしい。「世の中をどう生きていくか・・・わが子に世の中をたって歩かせる力が必要」と強調された。これは、小学生からひきずられている問題だと思う。今の小中学生は、習い事や部活、そして塾とあまりに忙しすぎる。

現代の子供たちは、どんどん幼くなっていき、実際の年齢×0.7と言われる報道もあるという。13歳なら10歳の精神年齢。(信じられない現実)先生は続ける。自己主張はするが、自分がいやなことを言われていると思うと、立ち去ってしまい、落ち着いて人の話を聞く力がなくなっている。「学力がつくための重要な話だと気付く切り替えがへただ」とも言われた。

息子が、シカゴ日本人学校全日校からこちらに編入してきて、気がついたことと先生の話は一致していた。息子にこの先生の話をすると、「うんうん、まさにその通り!」とうなずきながら、その先生がいつもいい話をされるのだが、話をしているときに、ヤジをとばしたり、聞かずに勝手に話している生徒がかなりいることが信じられないと言っていた。このように必死に生徒たちのことを日々思い、彼らの面倒を見ている誠実な先生たちに、息子はいつも同情し、私もいたく心配していた。先生たちは、明らかに疲れている。もう「あまりおこる気になれない」と淡々と言われた。おこったように言われなかったので、保護者たちに果たして響いたであろうか。

最後に、子供に対して、腫れ物にさわるように接してはいけないとアドバイスをくれた。どんな突拍子もない悪いことをしても、「あなたを救えるのは、私たち親しかない!」とドーンと構えるように言われた。そして、高校選びも親と子供ですれ違いが起こった場合、子供に最終判断をさせるように言われた。「そうしたら、子は、入った学校で何かあっても、自分で選んだ道と耐えていける。子は教員でなく、親を本当は頼りにしている」と締めくくられた。

なんだか、ジーンとくる内容であった。この先生の体験談をもっと聞きたかったほど。私立のエリート校では、聞けない内容であろう。どうやって、現状を打破していけばいいのだろう。先生たちの力ではどうにもならない現実。親たちが協力して、子供たちの生活習慣自体を改善していけなければ、現状は変わらないであろう。それは、小学校から始まっているので、もう遅いのだろうか?親たちがもっともっと認識しなくてはいけない。現代日本がかかえる問題の縮図が公立中学にある。

追伸

WBC、日本は韓国に勝利!心配したけど、今日はすっきりですね。あのジャパンキラーの韓国ピッチャーもカモにしてしまったね。それにしても、青木ってすごい!攻守走すべてに光ってる。息子いわく、「イチロー2世」というよりか、「イチローが元祖となるアオキ」って感じになってきているとコメント。小笠原は、気迫のヒットって感じです。このいきおいで、決勝まで突っ走ってほしい!


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3 コメント

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Unknown (TAKI おかん)
2009-03-21 16:21:22
多感な中学生、いろいろ大変ですよね。
不登校に大人ぶりたいヤンキー・・・おかげ様で、あぶなっかしいうちの息子も卒業式を終えました。公立中学の卒業式は初めてでわずか半年しか通ってないので、感動で涙涙とはなりませんでしたが・・・シカゴ日本人学校のことも思い出しつつ、感無量でした。3日後志望校の公立中学合格の知らせも届き、やっと桜が咲きました。おまけに、今日は白組応援団長のO君と太鼓隊のI君が遊びに来てくれ、楽しい春休みです
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Unknown (TAKIおかん)
2009-03-21 16:26:19
何度もごめんなさい。高校合格でした。それにつけても、倉工と金光大阪の試合といい、サムライJAPANといい、感動しますね。高校行ったら野球またやらないかな~と、息子に言ってますが・・・。馬場君目指せ甲子園で、がんばってね。
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タッキー、合格おめでとう! (kuni)
2009-03-22 00:13:54
お久し振りです!無事に志望校合格本当におめでとうございます!!コメントがしばらくなかったので、ひそかに心配しておりました。本当によかったです!あのタッキースマイルがでっぱなしですかね。O君とI君と一緒で相当楽しい春休みになったでしょうね。
明日は、うちのシカゴ中2関東組は、お台場のジョイポリスに集合です。女の子が多いけど。男の子たちは部活で来れないみたい。息子は、部活がめずらしく休みなので、はりきって行くようです。やはり、シカゴ友達っていいですね。全国にいるから。Eちゃんは、札幌からきますし、Cちゃんは、群馬からくるよ。
う~ん、甲子園は遠いですねえ。息子にとって、アメリカの硬式野球から日本の中学の軟式野球への移行は、苦戦してます。また、そのうちブログで報告しますね。
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