祖母が始めた仕立て屋『南洋裁店』を継いだ市江(中谷美紀)は、
古びたミシンをカタカタ言わせて一生ものとなるような服を一着一着丁寧に作っている。
昔ながらの職人スタイルを取っているため量産はできず、
百貨店の営業・藤井(三浦貴大)からの再三にわたるブランド化の提案も断り続けている。
祖母が作った服の仕立て直しやサイズ直しをし、
祖母のデザインを流用した新作を作る日々に、市江は十分満足していた。
しかし、自分がデザインしたドレスを作りたいはずという藤井の言葉が、市江の心を動かす……。
(Movie Walkerより)
池辺葵のこの原作コミックは読んでませんが、「かごめかごめ」の方を読んでます。
静謐で澄んだ空気感のあるマンガ。
「繕い裁つ人」もたぶんそうだろうと思い観に行ったら、
まさにそういった世界が広がってました。
ちょっとは洋裁のようなものをする自分にとっては、
道具も作業台も憧れるわ~。
足踏みミシンも、昔実家にあって使ったことがあります。
あのカタカタという音はお母さんの音、母親の作った服で育った自分です。
映画は洋裁店の建物から、街並み、道具、登場人物の衣裳と
凝りに凝ってるのが分かります。
たぶん原作の世界観をできる限り崩さないように、緻密に選んでいるんじゃないでしょうか。
パンパン進む映画と違い、間の長い余韻をもたせる映像になってるので、
かなり眠くはなりましたが、雰囲気は十分楽しめます。
脇を固める俳優陣も達者な人を揃えているので、ひとつひとつが素敵に見えます。
難を言えば夜会のシーンかな。
あそこはマンガの方がずっと素敵だったんでは…。
実写でやるとどうしても無理が見える。
まあ、おとぎ話だと思えばいいんでしょうがw
(祖母の葬儀のお見送りシーンはなかなか良かったんですけど)