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10月15日に銀座ブロッサムホールでの上映に行ってきました。
1976年制作のマリア・プリセツカヤの『アンナ・カレーニナ』です。
ロシアの文豪レフ・トルストイによる巨編「アンナ・カレーニナ」。
「芸術上の完璧であって、現代ヨーロッパの文学中、
なにひとつこれに比肩することのできないような作品」とドストエフスキーに評され、
20世紀に入り、グレタ・ガルボやヴィヴィアン・リー主演で映画化。
近年では一路真輝主演でミュージカル化もされ、
誕生から現在に至るまで、世界文学の中でも最高の光輝を放ち、
私たちに「真実の愛」を訴えかけ続けます。
(パンフレットより)
愛の壮大な叙事詩を、バレエ界最高峰のプリマ、マイヤ・プリセツカヤが、
バレエ芸術に昇華させ、全身全霊で「愛とは何か?」を問いかけたバレエ映画の最高傑作!
ということで、プリセツカヤ絶頂期を知らない自分は
どんな作品だろうと思い行ってきました。
〈ストーリー〉
1870年代の帝政ロシア。政府高官の妻アンナはモスクワ駅で若い将校貴族ヴロンスキーと恋に落ちる。
家庭がある身のアンナは離婚を決意するが、夫カレーニンは別れるつもりなどない。
アンナはすでにヴロンスキーの子供を身ごもっている。
出産後、重篤のアンナの許に駆けつけた夫カレーニンは、彼女を寛大に許す。
ヴロンスキーは、アンナが自分の許を離れてゆくという恐怖から、ピストル自殺を図る。
結局これは未遂に終わるが、回復したアンナを連れてふたりは外国へ逃げる。
この不品行は社交界を揺るがした。一向に離婚が進まぬアンナ。
一方、農地経営に力を注ぎ始めたヴロンスキー。ふたりの間で徐々に不和が起こり始める。
アンナはヴロンスキーがとうとう他の女性に気持ちが移ったと確信するまでに至った。
アンナは深く絶望し、迫り来る列車にひとり身を投げる。
このストーリーを
〈ニコラエフスカヤ鉄道の駅にて〉
〈舞踏会にて〉
〈ヴロンスキーの夢〉
〈競馬場にて。ヴロンスキーの落馬〉
〈アンナの病と夢〉
〈息子との再会〉
と場面を変えて踊っていきます。
法村友井バレエ団やボリス・エイフマン振付の新国立劇場バレエ団で観た作品も
それぞれ、また観てみたい舞台でしたが、
このプリセツカヤの作品は音楽のせいか、少々単調に感じられました。
〈ヴロンスキーの夢〉や〈アンナの病と夢〉の場面はかなり観念的です。
(音楽はプリセツカヤのご主人のロディオン・シチェドリン。
パンフレットによるとふたりは二人三脚で、新作バレエの創作に取り組んだとあります。)
76年の映像作品ですから、古さを感じるのはしょうがないことでしょう。
エイフマンの振付も心象風景的な部分もかなりありましたが、
チャイコフスキーの音楽とシンプルに洗練された舞台美術で魅せてくれました。
それよりも何よりも、やはり凄かったマリア・プリセツカヤ!!!
現代バレエの最高のプリマ!、バレエ界の最高峰!と言われる所以も分かる!って感じでした。
上から吊ってるんじゃないかとさえ思える程でした。
そして超絶技巧のボリショイバレエ団です。凄いモノ観ちゃいました。
(語彙が乏しくてすいません)
ピエール・カルダンデザインのバレエ衣装もガッツリ着こなしてました。
〈キャスト&スタッフ〉
アンナ・カレーニナ:マイヤ・プリセツカヤ
ヴロンスキー:アレクサンドル・ゴドゥノフ
カレーニン:ウラジーミル・チホノフ
バレエ:ボリショイ・バレエ団
バレエ振付:マイヤ・プリセツカヤ
衣装:ピエール・カルダン、マイヤ・プリセツカヤ
原作:レフ・トルストイ
監督:マルガリータ・ピリヒナ
脚本:B・リヴォフ=アノーヒン
音楽:ロディオン・シチェドリン
指揮:ユーリ・シモノフ
演奏:ボリショイ劇場管弦楽団
ヴロンスキーを踊ったアレクサンドル・ゴドゥノフって
79年にアメリカに亡命したあと映画俳優になってるんですね。
(その後、45歳で亡くなってます。)
ハリソン・フォード主演の『刑事ジョン・ブック』でレイチェルに心を寄せる
アーミッシュの若者役で出演してました。『ダイ・ハード』にも出てるそうです。
そして、また新しい『アンナ・カレーニナ』の映画が製作されてるそうじゃないですか。
今度はキーラ・ナイトレイとジュード・ロウって!
監督は『プライドと偏見』、『つぐない』のジョー・ライト監督。
アンナはキーラ・ナイトレイ、夫のカレーニンがジュード・ロウ、
ヴロンスキーは、『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』、
『キック・アス』で主演を務めたアーロン・ジョンソン。
これは、かなり好みの映画が出来上がりそうで大期待!!
2012年後半の全世界公開予定だそうです。