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コウモリはなぜ?空を飛ぶ〜新型コロナウィルスの巧みな生存戦略とは

2021年02月25日 03時54分54秒 | 新型コロナ渦

 全ての生き物には、生きる権利がある。
 そして、生存する場所を守る権利がある。
 人間とて、彼等の権利を侵す事は許されないし、生存する権利を侵そうとすれば、彼等は容赦なく牙を剥くだろう。
 ウィルスだって同じだろう。
 彼らには生きる権利があるし、生き延びる方法を常に考えてる筈だ。

 コロナウイルスの最大の生存戦略は、約1万年前にコウモリを宿主に選んだ事だと言う説が有力である。
 コウモリは空を飛ぶ唯一の哺乳類である。洞窟内で群れで密に暮らし、1日の飛行時間が数百キロにも及ぶ事がある。
 故にコロナウイルスは、コウモリと共存する事で、非常に効率よく他の哺乳類へ生息範囲を広げた。
 確かに、人間は現在、コウモリ以上にグローバルを移動する空を飛び、彼等が住む自然環境を破壊し、様々な野生動物を食う傲慢な哺乳類となった。
 新型コロナの感染が急拡大したのも、当然の結果と言える。


1万年前に誕生したコロナウィルス

 「新型コロナウイルスの生存戦略は巧みだ」では、なるほど納得の事が書かれていた。
 今では、ウイルスの変異を計算する事で誕生の歴史を導こうという研究が成されてるが、それによれば、インフルウイルスは1億年前、ヘルペスウイルスに至っては、3億〜5億年前まで遡るという研究がある。
 ホントかどうかはさておき、ウィルスそのものは単体で考えれば”無生物”だが、一度、他者の細胞内に入り込むと自己増殖機能を獲得し、あたかも生物のように振る舞う。
 つまり、他者に感染した細胞こそがウイルスの本性だとすれば、”ウイルスは生きてる”(ヴィロセル説)事になる。
 そのヴィロセル説に則れば、細胞の中に入っていない”無生物”状態のウイルスは移動の為の手段で、移動している状態のウイルスはそれほど強くない。つまり、空気中に放出されたウイルスは、数時間で下に落ち死滅する。細胞を離れ生存してる時間はそれほど長くはないと(しかし、24時間生き延びたという説も)。

 新型コロナも他の多くのコロナウイルスと同様、コウモリが宿主だとされる。人間に感染するまでの間に中間宿主である野生動物がいるとされてたが、上述したコウモリの飛行距離を考えると、人に直接感染したとしてもおかしくはない。
 実はコウモリの体内には、無数のコロナウイルスがいて、それが絶えず変異する。コロナのスパイクタンパク質(鍵)は、その形状を人のレセプター(鍵穴)に合わせ感染する。
 コロナウイルスの誕生は1万年前だとされるが、1万年前といえば、文明が誕生し、人が野生動物を家畜化した時期と重なる。
 故に、家畜化により人との接触機会が増え、動物を宿主としたウィルスが人に感染する様になった。
 コロナウイルスが原因の感染症として、2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)、2009年のMERS(中東呼吸器症候群)がある。
 しかし、それ以外にも無数のウイルスが人にアタックしてきた筈だが、人のレセプターに合う形に変異できなかったと考えられる。
 

コロナウィルスの”巧み”な生存戦略 

 生き物かすらわからないウイルスに、なぜ変異という機能が埋め込まれているのか?
 簡単に言えば、“生存戦略”。つまり、増えて生き延びる事が彼らの“目的”なのだ。
 致死率の高いウィルスは、生存戦略としては”巧み”ではないのかもしれない。
 新型コロナは、この“巧みさ”を持つウイルスで、致死率は低く、無症状者と軽症患者が多い為に、世界中に拡散した。しかし、高齢者や持病持ちには決して油断ならないウィルスではある。

 ウイルスが宿主動物内で悪さをし、宿主が死んでしまったら、ウイルスは個体数を増やせずに絶滅する。故に、基本的にウイルスは宿主の中では大人しくし、共存関係を維持しようとする。
 つまり、頻繁に遺伝子の構造を変化させ、亜種(下位の種)を作る事で生物的多様性を獲得し、環境の変化に対応するのが、ウイルスの巧みな生存戦略だとされる。

 本来ウイルスは、宿主の中では特定の細胞や器官に感染し増殖するという、ある種のルールに従い増殖する。しかし、宿主以外の動物に感染した場合は、このルールが適用されず感染した動物を傷つけてしまう。
 感染した動物は免疫機能によりウイルスを退治しようとするが、ウイルスはこの免疫機能に対し、変異する事で対抗する。これを繰り返す事でウイルスは”無生物”ではなく、”病原体”としての能力を強めていく。
 この様に、”種を超えて”感染した場合に、症状が重症化する。

 鳥インフルエンザを例に上げると、本来カモなどの水禽類を宿主とするインフルエンザウイルスが養鶏場のニワトリに感染する事で、強い病原性を持ち、殺処分する事で感染拡大を防ぐ。
 通常の鳥インフルは人間に感染する事は殆どないが、ニワトリに頻繁に触れたりする事で、本来の宿主でない人に種を超えて感染し、強い病原性を持つ様になり、重い症状をもたらす。
 以上、MacroScopeからでした。


なぜコウモリが?

 SARSはコウモリが、MERSはラクダが宿主で、新型コロナはコウモリやヘビが宿主の可能性が強いとされる。
 コウモリ、ラクダ、ヘビなどあまり馴染みのない動物だが、中国など東アジアではコウモリやヘビを食する文化があるので、これが原因の一つだと言う人もいる。
 しかし、SARSウイルスは熱やアルコールに弱いので、正しい衛生環境の元で処理を行えば、コウモリ食に問題はないかとも言える。
 以下、「環境破壊が生み出す人獣共通感染症の恐怖」から一部抜粋です。

 今までは、水鳥を宿主とするインフルエンザがヒトの間で流行してたが、これは人間がそういった動物に接触する頻度が高かったからとも考えられる。
 しかし、近年のコウモリ等の馴染みのない動物を宿主とするウイルスからヒトへの感染は、人間が野生動物の住処を奪い、野生動物との接触が増えた結果、ウイルスが感染できる様になった、と考えられるかもしれない。

 哺乳類であり、空を飛ぶ唯一の動物であるコウモリは、飛行の際に高熱を出した様な状態になる。彼らが巣から出てエサをとりに出かける時と巣に戻る時に、高熱状態になる。
 そうした宿主の環境に順応する形で、ウイルスは変異する。
 私たち人間も高熱を出す事で、病原菌を殺してカラダを守る。しかし、コウモリに宿るコロナウイルスも高熱に強い種が生き残っていく。
 コウモリも人間同様、ストレス状態に置かれると病原体などに冒され易くなる事が知られている。つまり、野生動物市場に連れて来られた様々な動物たちは大きなストレスを抱えてるのだ。
 そして、ストレス状態におちいった動物はウイルスに感染し易くなる。こうして新型コロナは人間が感染する所まで、遠く離れた山奥の洞窟から遥々やってきたとされる。
 

責められるのは、コウモリではない

 仮に、センザンコウが中間宿主だったとしても自然の中に生きてれば、新型コロナをパンデミックにする事はなかった。
 つまり、それを買い求める人間がいるからこそ、ヒトとの接触が生まれ、パンデミックに繋がった。責められるべきはセンザンコウではない。
 同じ様にコロナウイルスを宿すコウモリも、自然の中にいれば害をもたらす事はなかった。仮に害があったとしても人間から自然に近づくか、自然から人間に近づく様な状態を避ければ、病原体との接触は防げた筈だ。

 私たち人間がコウモリの生息する自然環境を破壊すれば、ストレスを抱えたコウモリが生まれ、ヒトの住む町へとエサを求めて近づいてくる。
 こうして新たなる”人獣共通感染症”が生まれ、その感染症がグローバル化した経済によって世界に撒き散らされる。それが今回のパンデミックを生み出した基本的な構図である。

 そこに追い打ちをかけるのが自然破壊による加速する地球温暖化だ。
 温暖化は動物たちの生息域を大きく変え、熱帯性の動物たちが北上するきっかけをつくり、熱帯性の感染症が世界に広がるきっかけとなった。
 私たちは自然を破壊する事で莫大な利益を得る。だが一方で、新型コロナウイルスの様な莫大なる不利益も生じる。
 つまり、私たちが目先の利益だけをバカみたいに延々と追い求めていたら、この地球上で持続的な暮らしを営む事は難しい。
 以上、エコロジーOnlineからでした。


最後に〜ウィルスも空を飛ぶ?

 コウモリが空を飛ぶのは、人類のエゴによる自然破壊の為に、神が与えた”生存戦略”かもしれない。しかし、ウィルスが変異するのは、ウィルス自身が与えた生存戦略かもしれない。
 人が空を飛ぶのは文明である。
 その文明がコウモリの棲家を破壊し、逃げ惑うコウモリたちが人の頭に上に、変異したコロナウィルスを産み落としたとしたら?

 つまり、コウモリが追い詰められれば、その体内に棲むウィルスも追い詰められる。
 冒頭でも言った様に、追い詰められた生き物は牙を剥く。だがコウモリには牙があるが、ウィルスには牙がない。
 しかし、コロナウィルスには牙の代りにスパイク蛋白という”賢い”棘(トゲ)がある。殺傷能力のとても低い棘だが、人に棲み付くには格好の武器でもある。

 その棘も変異するほどに鋭くなり、ヒトの細胞内で密かに混乱を引き起こす。
 元々、”無生物”とされたウィルスが細胞内に入り込み”生物化”し、変異する事で”病原体化”すれば、ウィルスの致死率なんてどうでもよくなる。
 つまり、薄く広く感染を広げれば、確実に医療システムは崩壊する。そういう事を文明が如何に脆いかという事を、コロナウィルスは最初から見抜いてた様な気がする。

 ヒトは自らが作り上げてきた文明を延々と自慢してきた。そうした愚かな人類の間では、博士や医者や政治家らが上級市民とされるが、ヒト以外の不特定多数の生き物にとっては、ウィルスという変異を頻繁に繰り返す下等動物?こそが最上級の生物なのかもしれない。
 つまり、ウィルスから見れば、我らサピエンスは愚か過ぎる劣等動物に映るのだろうか。

 我々人類もコロナウィルスに学び、真剣に生存戦略を考えねばならない時期に来てるようだ。
 そう思うのは私だけだろうか?



8 コメント

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コウモリって (#114)
2021-02-25 13:25:38
昔から不吉な生き物だとされてきた
それで人は
彼らを追い払おうと必死になった
しかしコウモリもバカじゃない
体内に様々なウィルスを取りこんで
人間に反撃した

しかし人もバカじゃない
コウモリを殺し
ウイルスはワクチンで始末した
でもコロナウィルスは生き残った
そして新型コロナは毒性を弱める事で
人ではなく人が作り上げた文明を
今や滅ぼそうとしている

そういう事言いたいんですよね
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コウモリって〜パート2 (tomas)
2021-02-25 21:23:53
よく見ると可愛い瞳してるし、頭も良さそうですよ。
猫だって昔は不吉な生き物とされてたけど、今は可愛さ余って可愛さ百倍って感じで、ペット界のリーダーとして堂々と君臨してます。
自然と自然動物を保護することはウィルスを大人しくさせておくことと同じで、あらゆる生き物は存在する価値があります。

でも私としては、蛇だけは大嫌いです。
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#114さん (象が転んだ)
2021-02-25 22:27:33
ズバリ、そういう事ですね。
今や人類は、他の生き物からあらゆるものを学ぶべきですよ。
学ぶ事を忘れた生き物は本当に哀れです。
多分、人間だけが学ぶ事を忘れたカナリアなんでしょうが。
その典型がコロナ騒動でしたね。
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tomasさん (象が転んだ)
2021-02-25 22:32:46
コウモリとかヘビをペットにするつもりもないんですが、彼等の棲家くらいは破壊すべきではないです。
共存とまでは言わないですが、相互不干渉という精神はとても大切です。
でも人類を死滅させるには、毒性は必要ないんですね。コロナ様には色々と勉強になります。
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ウィルスの歴史 (paulkuroneko)
2021-02-26 16:27:00
人類の歴史は約700万年とされますが、コロナウィルスが1万年の歴史を持つとすれば、生き物だとしてもずっと先輩格に当たりますね。
また、空を飛ぶという視点で見れば、人類よりコウモリのほうが優れてる生き物です。

人類は文明を興したという視点からだけで自らを優秀な知的生命体だと見るフシがありますが、どうやら間違ってたみたいですね。
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コロナ感染者激減の謎 (腹打て)
2021-02-26 17:29:46
なんだか怪しいとは思ってたんだよね。
まるで東京オリンピックへ向けて順調すぎるほどに激減してる。誰だって政府が裏で操ってんじゃないかって思うよな。
「そこまで言うか」(ニッポン放送)で解説されてたけど、やっぱりかって感じだった。
感染者は激減してるのに、重症者や死者は思ったほど減ってなく、ほとんど横ばいだもの。

保健所は感染者が増えすぎて、濃厚接触者全員洗い出すのは不可能だし、業務ができないとの事で、日本政府が方針を転換したのが理由だ。
つまり、政府は保健所に対し、濃厚接触者全員のPCR検査は無理だから、高齢者や病院関係のクラスターを重点的に検査をしろと。
結局、夜の街や飲食店や遊技場など経路不明の感染者が多く出るケースを検査から外したわけだ。たしかにこれじゃ、検査数は減り、陽性者数も当然減る。
ワイドショーが言ってることが全てではないけど、ここが変だよ感染者激減っていった感じだね。
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paulさん (象が転んだ)
2021-02-26 19:34:33
人類には他の動物にはない、奢りとか強欲とかがありますから、結果的には下等動物に成り下がるんでしょうね。
パンツをはいた下等動物とでも言うんでしょうか(悲)。
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腹打てサン (象が転んだ)
2021-02-26 19:37:03
やっぱりかって感じで、全く同感です。
どう見ても減り方が怪しすぎますもんね。オリンピック開催に合わせるかのように、定規を引いたように激減する。
政府もそこまでしてオリンピック開催に拘るんですかね。貧乏国日本もここまで落ちぶれるとは?
悲しい限りですね。
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