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”インパールの悲劇”(後半)〜”インパールの鬼”と牟田口廉也の無謀と狂気

2018年08月27日 06時38分48秒 | 戦争・歴史ドキュメント

 インパールの悲劇”その1”では、この作戦を指揮した牟田口廉也の無能さについて述べましたが。彼を取り巻く上層部の無能さも半端ないですかな。
 ノモンハンの敗北が、本営上層部の無能さが齎した事は、世界の共通認識となってる訳ですが。このインパール作戦も南下政策やノモンハン以上に、愚劣な作戦であったといわれてます。”ノモンハンの戦い””ノモンハンの戦いその2”(共に要クリック)も是非訪問して下さい。


狂気じみた奇襲計画、無知は無能を曝け出す

 日本はこの”インパール作戦”で、全ての恥を無能さを世界中にさらけ出しました。民族解放とか人種差別撤廃とかの大義名分が完全に吹っ飛んだ瞬間です。神の国日本にも牟田口の様な蛮族が存在する事がバレた訳です。

 これも日本の封建主義という縦社会の歴史が長すぎたせいでもあり、牟田口の陸軍特有の原始的で愚かな精神論は、身内でも背を背けたくなるでしょう。
 それに、牟田口お得意の”ジンギスカン作戦”も頼みの家畜の大半が水死し、すぐに破綻します。その名をとってレストランを開くとは、具の骨董イヤ馬鹿の王道というか。無知は無能を曝け出すの典型です。
 因みに、最初は牟田口も自動車部隊を要求したというが、直ぐに却下された。もうこの時点でアウトです。同胞の犠牲より、自分の名誉を重んじた結果ですかね。

 連合軍は空輸で、日本軍は陸路で、それも家畜を使って物資を運んだが為に、補給系統では雲泥の差が出たんです。家畜ですよ家畜、時代錯誤もいいとこですね。
 それも、ビルマからインドにあるイギリス軍の拠点インパールを3週間で攻略するという狂気じみた奇襲計画でもあった。


インパールの愚策と

 こうした圧倒的不利な状況においても、牟田口中将は負傷者や病人をほったらかしにし、飢餓寸前の兵に突撃を命じた。お陰で死傷者はあっという間に増え続け、負傷者は殆ど死に絶え、僅か4ヶ月で7万を超える命を奪い去った。勿論その中には、英軍が感染を恐れ、病死寸前の日本兵を焼き払ったのも含まれる。
 この7万5千人という数字は、ノモンハン事変の死傷者2万(死者9千人弱)を大きく超えるものだ。

 牟田口中将は、作戦の失敗の責任を取らされるのが怖くて、突撃を命じた。”弾薬がないとか食う物がないとかは撤退する理由にはならぬ”と言い放った。”日本は神の国、神様が守ってくださる”と言い続けたという。その結果が七万五千の白骨だ。

 つまり、日本が”神の国”だったのは、日露戦争までだったんです。後はあまりにも無能な上層部に呆れはて、流石の神様も天罰を下したんでしょうか。神様は何時の時代も正直なんです。神に見捨てられた神の国ですかな。

 全く、インパール作戦の愚策と牟田口や陸軍上層部の無能が改めて再確認できますね。

ジンギスカン作戦とは?

 こんなレベルで陸軍は中将になれるんですから、戦争というものが如何にバカな軍上層部同士でやりあってるのかが理解できる。陸軍とは、経験論と精神論でしか物事を考えられない低能で無策な人種の宝庫なのだ。

 結局、この牟田口もトルーマンと同様に、インパール作戦が大失態と解りながら、先延ばしにし、7万5千の自軍兵士を死に追いやった。それも、自分の責任逃れの為だけに。
 因みに、牟田口の家族や親族はどんな思いで生きてんでしょうかね。近所からは何と囁かれてんでしょう?牟田口よりも血の繋がった連中の方が、ずっと辛く責任を感じてんでしょうか。以下、推測の会話です。 

 ”あの人の叔父様って人殺しよ、それも7万人以上の同胞を殺したって”
 ”いや、あの人は戦争では英雄だったらしいよ。だって、終戦後も、あるレストランの社長だったんだから”
 ”でも、ジンギスカン食堂でしょ。インパールの悲劇を生んだジンギスカン作戦の”
 ”何だいそのジンギスカン作戦とは?”
 ”え?知らないの?現地調達した牛で物資を運んだのよ。でも、運搬には向いてなく、餌となる草もなく、大半が死に絶え、殆ど破棄されたの”
 ”でも、牟田口が立案した無謀な作戦を後押したのは、大本営の上層部でしょ?”
 ”結局、大本営も無能だったという事ね”とでも、噂されてんでしょうか?


インパールの鬼、牟田口廉也

 この牟田口に関しては様々な俗説もある。少し紹介しますね。彼も無能とはいえ、やはり人間で、インパール作戦が敗色濃厚となり部下の藤原参謀に”陛下へのお詫びに、自決したい”相談した。勿論、慰留を期待してだが。

 ”司令官としての責任を感じておられるなら、黙って腹を切って下さい。誰も止めませんよ。今回の失敗はそれだけの価値があります”と、部下の藤原に苦言を呈された。
 全くあてが外れた牟田口は悄然としたが、自決する事なく、開き直って余生を全うしたという。

 全く、無能のお手本というべき生き方ですな。しかし、そういう彼も、前線将兵の証言と異なり、温情ある将軍で郷土の英雄として誇る見方も多数であると。
 が、以下の牟田口のコメントを紹介すれば、彼が二重人格というパーソナリティ障害者であった事が、ハッキリと理解出来る。

 ”皇軍は食う物がなくても戦いをしなければならない。兵器がない、弾丸がない、食う物がないなどは戦いを放棄する理由にならぬ。弾丸がなかったら銃剣がある。銃剣がなくなれば腕がある。腕もなくなったら足で蹴れ、足もやられたら口で噛みけ。日本男子には大和魂がある事を忘れちゃいかん。日本は神の国である。神々が守って下さる”
 これは牟田口の故郷佐賀の”葉隠の教え”から来てるというが、単なる狂気錯乱に他ならない。

 ”負傷やマラリアや下痢なんてのは病気じゃない。貴様のような虫けらがいるから負けるんだ。この大馬鹿者”と負傷した少佐を叩きまくったという。
 また、死に絶えた傷病兵に対しても、”貴様等のこのざまは何だ。それでも帝国陸軍か。こうのを魂の抜け殻と言うのだ。軍法会議ものだ、恥を知れ恥を”と殴りつけた。

 一方で、私の作戦が誤りでなかった事が確認できたが。数万の部下を死に追いやった事実は消えず、私の心が晴れる事はない”とも語ってる。当たり前でしょ。


牟田口中将の暴走

 牟田口の司令官としての資質を疑問視する声は強い。これらは主にインパール作戦においての暴走と大敗北に起因するが。
 必ずしも牟田口の暴走のみにより作戦が決行された訳ではないと。勝敗は紙一重の所であった?など、彼の作戦指揮に対して好意的な解釈も一部には見られるが。どう見ても無理がありすぎる。

 しかし、”インパール作戦以外の主要戦闘では勝利を収めており、最後のインパール作戦でも、ワーテルローの戦い以上に劣勢な戦力で、非常に際どい所まで戦った”と、高く評価する英軍少佐のコメントも印象には残る。
 ただ、殆どの専門家が、”計画に応用の才がなく、過失を率直に認める精神的勇気が欠如し、日本の高級司令部は我々をわざと勝たせた”と皮肉る。事実、軍事史研究者のジョン•フェリスは、”無能”の一言で切り捨てた。


最後に

 この軍上層部の無能と自己否定の欠如と才のなさこそが、何度も言うように、致命的な戦犯と取返しのつかない悲劇を生んだ。
 勿論、数で比較すれば、ルメイが指揮した東京大空襲は3時間足らずで10万の民間人を焼き払った訳ですが。
 因みにヒロシマは一瞬で9万人程が焼死、2ヶ月以内に14万人が死んだ。同じくナガサキは4万が焼死し、9万人が死んだ。

 こんな事やってれば、神様の逆鱗に触れる筈なんですが。神様は牟田口にもトルーマンにもルメイにも、慈悲を与えたこういう矛盾を目にする度、無神論主義者でよかったなと思う。



2 コメント

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陸軍の幹部というのは何時の世も (tokotokoto)
2018-09-01 09:03:04
お久しぶりです。

陸軍幹部というのは何時の世も変わりないですね。頭の中は自虐的精神論のみ。こんな知能の低い叩き上げ人種ばかりが、陸軍幹部に志願するんですよ。これまた何時の世も。

でも、日本人も日本のメディアも戦後長いこと戦争を美化してきました。民族解放の為とか。それが嘘っぱちだと判った瞬間、今度は戦争の負の歴史を語り続けてます。遅すぎますよね。せめてバブル期にこういう事は議論しないと。

でも、転んださんが言うように、自己否定が極端に苦手な日本人が自らの負の歴史に面と向かう事は、それだけ日本人も進歩してるんですかね。

無知って何時の世にも怖いものです。
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Re:陸軍の幹部というのは何時の世も (lemonwater2017)
2018-09-02 03:25:30
少し早いですが、お早うございます。

全く、戦争は無能な人種を蔓延らせ、増殖させ、有能な人種を死滅させます。ヘビが共食いをする様に、人類も大規模な、民族単位の国家単位の共食いをするんですかね。蛇から見たら、コイツらイカれてるって思うんでしょうか。

牟田口中将もルメイもトルーマンも、ヘビよりも醜い動物と言ったら、ヘビに失礼か。
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