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湘南・鎌倉のシンボル「大銀杏」倒れる!クローン技術で再生へ

2010年03月12日 | 環境保護
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 湘南のシンボル
 ここ湘南に住むようになったのは、中学生のときだった。その当時から親しんでいた、江ノ島や鎌倉。その中心ともいうべき、鶴岡八幡の大イチョウが強風で倒れた。3月10日未明のことである。

 樹齢800年以上とされるご神木の大イチョウは、鎌倉幕府の3代将軍実朝を暗殺した公暁が、身を隠していたとの言い伝えがあり、県の天然記念物にも指定されていた。11日には大銀杏を心配する参拝客らが朝から神社を訪れていた。

 私の家族の初詣は、いつもここ鶴岡八幡宮である。その石階段を上るときふと見上げ、タイワンリスをイチョウの幹に探したのも懐かしい。秋には黄金に色づいた、あのオオイチョウが見られなくなるのは寂しい。

 再生に向けて
 大イチョウは根こそぎ倒れた形で、樹高約30メートルのうち、高い部分の幹は何カ所かにわたって折れている。鶴岡八幡宮の吉田茂穂宮司は、倒れた木の根元部分を生かし、再生に取り組みたい考えを明らかにした。12日にも作業を始めるという。
 
 木が倒れた直後の10日、現場を調査した東京農業大学の浜野周泰教授(造園樹木学)は「根系の状態から、倒伏の回復は不可能と判断される」と八幡宮に見方を伝えた。八幡宮側は「ベストを尽くしたい」としていている。

 同八幡宮では、すでに大イチョウの枝を切り取って挿し木を試みているほか、倒れた木の根元付近から「ひこばえ」と呼ばれる若木が芽生える可能性を期待しているという。

 松沢神奈川県知事も、県として独自に「再生」に取り組むことを吉田宮司に伝えた。県自然環境保全センター(厚木市)が持つクローン(遺伝子の保存・増殖)技術を活用し、大イチョウの枝などから「クローン苗」を作るという。

 知事は、鎌倉市も含めた3者で、大イチョウの歴史的な意義を後世に残す方策を協議する検討会の設置も提案した。(2010年3月12日15時03分  読売新聞)

 保存は可能か?
 強風の影響で倒れた鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)の大銀杏(いちょう)について、関係者らが「保存」と「再生」を目指して、検討を始めた。

 3月11日、神奈川県は八幡宮側に「倒木を保存してほしい」と要請した。倒木の保存では、一般的に年輪が分かるよう輪切りにするなどの展示方法がとられる。しかし、八幡宮側は「大切な神木で輪切りはありえない」としており、今の形をできる限り残す方法を模索することにしている。

 文化財科学の専門家である鳥取大農学部の古川郁夫教授によると、倒木の保存には巨大なタンクに薬品を入れ、乾燥・防腐処理をする必要がある。だが、古川教授は「高さ30メートルの木が丸ごと入る大きさのタンクは聞いたことがない」と難しさも指摘している。

 クローン技術とは?
 植物を再生するにはどんな方法があるだろうか?植物は種子でふえるのが一般的だが、あいにくこのオオイチョウは雄の株で種子は残っていない。種子以外には挿し木、挿し芽、取り木、株分けなどの方法がある。「クローン苗」とはこれらのふやし方のことで、クローンの元の意味は「挿し木」である。現在ではDNAが同じものをクローンと呼んでいる。

 挿し木
 挿し木は地球上に存在する植物の殆どに対して行うことの出来る繁殖方法。また挿し木による植物の増やし方は多く利用されている。さし木を行うときは切り口をそのまま土に埋めるように行います。したがって、土に菌類が豊富にあると病気になってしまうことがあるため、菌のない土を使うようにする。

 さし木に適している土はパーライト、バーミキュライト、ピートモスといった改良用土、また赤玉土や水苔などが良いとされている。挿し木する前は土にある程度水分を与えておくようにするとよい。

 挿し木を行い成長させるには気温が暖かくなければいけない。気温は約20~25℃が適しており、春が過ぎようとする5月半ばから秋が始まる9月半ばくらいまでが良い。風通しの少なく日の当たらない場所に挿し床を設置しておく。水の管理はしっかりと行います。基本的に毎日葉に水を拭きかけるように。約1ヶ月で根が生える。

 挿し芽(さし芽、挿芽)
 挿し芽とは、まだ成長著しい若い枝や芽を切り取り適した土に挿して繁殖させる方法。基本的なところは挿し木に似ている。ただ挿し穂が若いというところに違いがある。種子から繁殖させるより早く管理も楽という特徴がある。挿し芽の最適な時期は梅雨時の6~7月。

 取り木(とり木、取木)
 取り木とは、成長している植物の茎をカッターなどで表面を削り取りその周囲を水苔や透明なビニル袋で養生し、一定の期間をおくと表面を削り取った茎から根が生えてくる。そして根から下の部分を切り取ることで、目的の大きさで再び育成することが出来る。取り木とは苗木を作る作業です。大きくなりすぎた植物を適度な大きさからもう一度育てることが出きるし、元の切り取られた茎は再び葉がつくところから育成することが出来る。

 株分け(株分)
 観葉植物のなかでも宿根タイプは時が経過して行くにつれ株が増大し、数も増える。こうなると植木鉢の中は根でぎっしりとなってしまい、植物にとってよくない。そこで、株分けを行う。株分けは他の増やし方に比べ大変簡単であり、初めて行う方でも気軽に行うことが出来る。方法は土から植物を抜き取り、ハサミで根を切断していき、分けるだけで完了。あとはそれぞれの植木鉢に入れてやる。

 種子(種)
 挿し木といった増やし方を知らない方は植物とは種子からしか増えないと思っているほどポピュラーな増やし方。増えるまでの期間が一番長いが、その植物の種に適した土を用意してまけば良いだけなので大変お手軽。

 

参考HP 観葉植物Studio「植物のふやし方

遺伝子組み換えとクローン技術100の疑問
天笠 啓祐
東洋経済新報社

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ラン科植物のクローン増殖
富山 昌克
トンボ出版

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