
第21作目、相州七里浜(そうしゅうしちりがはま)です。
神奈川県鎌倉市稲村ケ崎
「富嶽三十六景」の広告文で「或は七里ガ浜にて見るかたち」とあるように、
本シリーズ初期の藍摺の一枚です。
藍一色で墨絵の趣があります。現在の鎌倉稲村ケ崎から見た富士です。
北斎には珍しく、人物も描かれていない風景画です。
鎌倉の七里ガ浜は長く、砂浜と江の島の向こうに富士山を望む景勝地です。
しかし、中央の小動岬(こゆるぎみさき)が大きく、左の江の島が極端に小さく
描かれています。
文様化されたわき上がる雲を見ても実際の風景とは異なるようです。
少し角度を上げアップしました。

原画です。

解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
「きゅっ」ですね。心します。
雲は、ここで遊ばないと、と言う思いです。
正面から観て作品に似せていますので、上から見るtネタがバレバレですね。
奥行きの素晴らしさはこうなってるのか~、とじっくり見ることができました。
雲の表現を紙紐だとこうやるのかぁ~。
紙紐の線がきゅっとしていて北斎感を感じます。
青と白だけの絵、潔くて絵も紙紐作品も素敵です。
おっしゃるとおり富士山が主役だと思います。
“ベルリンの藍”が、江戸のべらんめい口調でなまって“ベロ藍(べろあい)”と呼ばれるようになるんですね、と解説にありました。
言葉が時間とともに変化しますね。
今回はややこしい人馬がなく製作時間が短かったのが救いでした。
折師様のご訪問に感謝です。
今回の作品は(個人的に)『おお!富士山が主役だ!!』と(笑 固定概念で富士山が後ろに小さく有るイメージが有ったので)。
あと、背景の雲が「面白い」と。原画もそうですがザ・アニメチックな入道雲!な感じが面白いなぁ~と。
あと、北斎ブルーの話は大変学びになりました!(プルシアンブルーと聞いていろいろ納得してました。確かに日光写真:青写真の色ですね。)
改めて作者たる閑斉様に感謝を!
単純(シンプル)の中に本物が潜んでいると感じました。
ご訪問、ありがとうございました。
[北斎ブルー]というのですね。フェルメールブルーはラピスラズリから作られたそうですが、それが時を経てオランダから伝わってきたのかと思いましたが、また違った錬金術があったのですね。
湧き上がる雲の文様やデフォルメ、北斎さんも楽しかったのでは、と感じます。
江戸のこの時期、欧州より青色の顔料が入ってきたと聞いたことがあります。
北斎が愛した独特の青色「北斎ブルー」誕生の秘密
青色のことだけでなく、北斎の絵について詳しく解説しています。
https://serai.jp/news/294489
「北斎ブルー」のはじまりは錬金術だった。