空耳 soramimi

あの日どんな日 日記風時間旅行で misako

父の命日、紫苑の日

2014-09-10 | その外のあれこれ



父が死んだ日 庭の紫苑が満開だった。
たくさん集めた花束のように光に向かって開いていた。

今年の花は少ない
父の言葉のように少ない

父の言葉は生涯で人の一生の半分にも満たなかっただろう


部屋の中では碁石や将棋を握って手招きをした
夏は河原で一日釣りをして
冬は広場に出て北風の中で凧を上げていた

遊び慣れた言葉のいらない世界で・・・

父は今年も紫苑のように黙ったまま

風に揺れて私のもとに還ってくる。








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