Cape Fear、in JAPAN

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映画監督別10傑(66)深作欣二

2019-12-19 01:54:01 | コラム
~深作欣二のキャリア10傑~

梅宮の兄ぃが亡くなってしまったので、『仁義なき戦い』組の主要メンバーで元気なのは小林旭だけかな?

ホンモノにしか見えない俳優さんたちの油ギッシュ演技も最高だけど、いちばん驚くのは制作するスピード。

現代のように労働基準法がきちんと機能していなかった、
いわゆるプログラム・ピクチャー扱いだったので、黒澤のようにワンショットのために1日かけることなど不可能だった。

という背景があったにしても、
73年1月に第1作が公開され、翌年6月までに5作品が創られたわけですよ。

ちょっと異常ですわ、これは。
敬意を表しつつ危ないことをいえば、クスリでもやっていないかぎり、こんな仕事はこなせないんじゃ? と、まだまだ甘ちゃんな自分は思うわけで。。。


(1)『仁義なき戦い 広島死闘篇』(73)

5作品のなかで最も浮いたポジションにあるが、完成度はピカイチ。

菅原の文ちゃんは狂言回しであり、実際の主人公は北大路欣也と千葉真一だった。




(2)『蒲田行進曲』(82)

銀ちゃん!!



このヒトコトで一同が理解出来る時代が、いつまでもつづいてほしいが・・・。


(3)『仁義なき戦い 代理戦争』(73)

「死に急ぐ若者たち」という一大テーマが、最もはっきりと提示された力作だと思う。

じつは物語そのものは、ほかの作品と「ごっちゃ」になってしまっているのだが、このテーマだけは、はっきりと覚えている。

なぜならナレーションまで用いて、そこを強調しているのだもの。


(4)『柳生一族の陰謀』(78)

「徳川三代将軍位争奪戦」を材に取ったオールスター時代劇。

有名な俳優さんがこれでもかと出てくるので、歴史に疎かった(ガキのころの)自分でも楽しめた。

出雲阿国を演じた大原麗子が、信じられないくらいに美しかったなぁ。


(5)『県警対組織暴力』(75)

ノリは『仁義~』そのまんまだが、菅原の文ちゃんがヤクザではなく刑事役というのが新味。

東映が「調子に乗って」量産した『仁義~』系の映画では、いちばんしっかりしている創りで楽しめる。


(6)『仁義なき戦い』(73)

ブレまくりのキャメラ。
反復がクセになる津島利章の音楽。
俳優たちのなりきり演技。

これがヒットしないわけないよね、北野武が『アウトレイジ』でやりたかったのも、これだったのだと思うもの。

(7)『バトル・ロワイアル』(2000)

中高生に絶大な支持を得たベストセラー小説を映画化、
監督・俳優たちに恵まれて、想像し得る最上の形として完成したのではないか・・・とまでいうと褒め過ぎかな。

一部で否定的な意見も聞かれた前田亜季嬢、自分は好きです。(そこが大きいのかも笑)




(8)『華の乱』(88)

与謝野晶子を吉永小百合が、有島武郎を優作が演じるという、深作さんの映画では珍しい文芸映画。

畑違いの気もするが、脚本に筒井ともみが絡んだことによって骨格がしっかり出来ており、映像美も見事で140分があっという間だった。


(9)『いつかギラギラする日』(92)

ショーケンが頑張るガンアクション。

綻びが散見される脚本や、ぎゃーぎゃーうるさい荻野目慶子など、批判も多かったが、楽しんだもの勝ち。みたいなところがなかったかい?






(10)『復活の日』(80)

小松左京が原作のSF大作。

ジョージ・ケネディやロバート・ボーンまで出演しているのはうれしいが、映画としてはけっして成功作とはいえないのかもしれない。

最も印象に残るのは、主題歌だし・・・。

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明日のコラムは・・・

『今年の出費ベスト5』
コメント (1)
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