りくるー「と」→「と」らぶる
『荒野の用心棒』(64)における盗作騒動(=黒澤の『用心棒』)であるとか、
編集権をめぐる争いでハリウッドでは一時期「アラン・スミシー」という架空の映画監督が存在していたとか、
原作者と脚本家・監督の裁判であるとか、
百数十年ほどしか経過していない映画史においても、映画ファン誰もが知っている「トラブル」は沢山生まれている。
2021年が始まって1ヵ月も経っていないが、残念ながら映画史に残るであろうトラブルが発生してしまった。
いや正確にいえば映画史というより、メディア史、ネット史ということになろうか。
『映画秘宝』編集長によるDM騒動。
コトの発端は、ライムスター宇多丸(以下、関係者すべて敬称略)がパーソナリティを務めるTBSラジオ番組に出演した『映画秘宝』編集長・岩田和明に対し、
あるTwitter「女性」ユーザーが「映画秘宝にあまりよい印象を持っていない」という内容のツイートを投稿、それを目にした岩田が雑誌の公式アカウントからリスナーにDM(ダイレクトメール)を送りつけてしまう。
これに驚いたユーザーは編集部に問い合わせをするも、「折り返し」という形でなんと岩田自身がこれに対応、
さすがに恐怖心を抱き、DMをスクリーンショットで撮影しネット上に晒して・・・という流れ。
順番が異なっているかもしれないが、だいたいはこんな感じ。
ここに書くまでもないが、大きな問題点はふたつある。
①公式のアカウントを使ってDMを送信したこと
②被害者となったユーザーの個人情報を、加害者となった編集長が容易につかんでしまっていること
騒動が発覚したあとの、岩田による謝罪コメントも奇妙な文面で火に油を注ぐことになり、
ついには相談役の町山智浩、柳下毅一郎までもが連名で謝罪文を出す始末。
愛読者としてヒトコト、ただただ情けねぇ。。。
中身はちがうが、『岡村隆史のオールナイトニッポン』における失言を想起した。
問題の鍵は、わりとちかいところにあるよね。
秘宝も岡村さんも今でも好きで応援しているよ、
しかしだね、あらゆることに鋭敏でなければならないメディアというものにおいて、その自覚が、あまりにも足りなかったんじゃないのか。
時代の変化に追いついていない、というか、時代が変化していることに鈍感になっている。
『映画秘宝』は、お洒落な映画文化のカウンターカルチャーとして産声を上げた。
しかしお洒落な映画文化の核だったミニシアターがシネコンに駆逐され、敵をなくした『映画秘宝』はいつの間にか権威になっていた。
よく聞く話ではある、反権威が権威になった途端、魅力が失われていくみたいな。
それでも『映画秘宝』は「号によっては」魅力的だった、
相変わらずのマッチョイムズは少し気がかりではあったものの、
ただ、キャッチでもあった「Movie Magazine for Guys」の「for Guys」が去年から消えているんだよね、
「俺たちの…」みたいなのが売りだったのに、そこを変えようとしていた時期だったのかもしれない。
いや、その時期も時期、、、だからこそ、今回の編集長の暴走は残念でならない。
自分がコトの経過の部分で「女性」ユーザーに「」をつけたのは、そういう意味。
お洒落な映画文化を支えていた若い女性に唾を吐きかけるようなスタンスは、当時は有効だったと思う。
現に自分も、そこに乗っかっていたわけだし。
でも時代は、21世紀なんだぜ。
いつまで20世紀のつもりでいるの? っていう。
終わりなき日常を生きろと説き、売春女子高生をも称えていたふしさえある宮台真司は、いまどうしてる?
変わったよね、ちゃんと時代を見ている。
そもそも「#me too」運動って映画界で起こった話だよね、最先端の映画を追いかけていてなにやってんの? っていう。
だからといって廃刊を望んでいるわけではない。
来年のいまごろ、新生の『映画秘宝』が生まれていることを願ってやまない。
(来月早々に変わってしまうのも、なんかウソくさいしね!)
次回のしりとりは・・・
とらぶ「る」→「る」ーと。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『流行語はカーフキック』
『荒野の用心棒』(64)における盗作騒動(=黒澤の『用心棒』)であるとか、
編集権をめぐる争いでハリウッドでは一時期「アラン・スミシー」という架空の映画監督が存在していたとか、
原作者と脚本家・監督の裁判であるとか、
百数十年ほどしか経過していない映画史においても、映画ファン誰もが知っている「トラブル」は沢山生まれている。
2021年が始まって1ヵ月も経っていないが、残念ながら映画史に残るであろうトラブルが発生してしまった。
いや正確にいえば映画史というより、メディア史、ネット史ということになろうか。
『映画秘宝』編集長によるDM騒動。
コトの発端は、ライムスター宇多丸(以下、関係者すべて敬称略)がパーソナリティを務めるTBSラジオ番組に出演した『映画秘宝』編集長・岩田和明に対し、
あるTwitter「女性」ユーザーが「映画秘宝にあまりよい印象を持っていない」という内容のツイートを投稿、それを目にした岩田が雑誌の公式アカウントからリスナーにDM(ダイレクトメール)を送りつけてしまう。
これに驚いたユーザーは編集部に問い合わせをするも、「折り返し」という形でなんと岩田自身がこれに対応、
さすがに恐怖心を抱き、DMをスクリーンショットで撮影しネット上に晒して・・・という流れ。
順番が異なっているかもしれないが、だいたいはこんな感じ。
ここに書くまでもないが、大きな問題点はふたつある。
①公式のアカウントを使ってDMを送信したこと
②被害者となったユーザーの個人情報を、加害者となった編集長が容易につかんでしまっていること
騒動が発覚したあとの、岩田による謝罪コメントも奇妙な文面で火に油を注ぐことになり、
ついには相談役の町山智浩、柳下毅一郎までもが連名で謝罪文を出す始末。
愛読者としてヒトコト、ただただ情けねぇ。。。
中身はちがうが、『岡村隆史のオールナイトニッポン』における失言を想起した。
問題の鍵は、わりとちかいところにあるよね。
秘宝も岡村さんも今でも好きで応援しているよ、
しかしだね、あらゆることに鋭敏でなければならないメディアというものにおいて、その自覚が、あまりにも足りなかったんじゃないのか。
時代の変化に追いついていない、というか、時代が変化していることに鈍感になっている。
『映画秘宝』は、お洒落な映画文化のカウンターカルチャーとして産声を上げた。
しかしお洒落な映画文化の核だったミニシアターがシネコンに駆逐され、敵をなくした『映画秘宝』はいつの間にか権威になっていた。
よく聞く話ではある、反権威が権威になった途端、魅力が失われていくみたいな。
それでも『映画秘宝』は「号によっては」魅力的だった、
相変わらずのマッチョイムズは少し気がかりではあったものの、
ただ、キャッチでもあった「Movie Magazine for Guys」の「for Guys」が去年から消えているんだよね、
「俺たちの…」みたいなのが売りだったのに、そこを変えようとしていた時期だったのかもしれない。
いや、その時期も時期、、、だからこそ、今回の編集長の暴走は残念でならない。
自分がコトの経過の部分で「女性」ユーザーに「」をつけたのは、そういう意味。
お洒落な映画文化を支えていた若い女性に唾を吐きかけるようなスタンスは、当時は有効だったと思う。
現に自分も、そこに乗っかっていたわけだし。
でも時代は、21世紀なんだぜ。
いつまで20世紀のつもりでいるの? っていう。
終わりなき日常を生きろと説き、売春女子高生をも称えていたふしさえある宮台真司は、いまどうしてる?
変わったよね、ちゃんと時代を見ている。
そもそも「#me too」運動って映画界で起こった話だよね、最先端の映画を追いかけていてなにやってんの? っていう。
だからといって廃刊を望んでいるわけではない。
来年のいまごろ、新生の『映画秘宝』が生まれていることを願ってやまない。
(来月早々に変わってしまうのも、なんかウソくさいしね!)
次回のしりとりは・・・
とらぶ「る」→「る」ーと。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『流行語はカーフキック』