~宮川一夫のキャリア10傑~
天才。
野心家。
異能の監督に愛され信頼され、なおかつその期待に応えなかったことがない。
文句のひとつもいいたくなるが、宮川一夫が居なかったとしたら、黒澤や市川崑、溝口健二の映画の魅力も半減したことを考えると、もう神として崇めるしかないでしょう。
99年に91歳で鬼籍に入る、同級生にはマキノ雅弘。
日本映画のカメラマンといったら、まずはこのひとです。
(1)『おとうと』(60)
幸田文の原作を市川崑が映画化、主演に岸恵子。
いわゆる「銀残し」を発明したとされる作品で、「くすんだカラー映像」は後年の映画に多大な影響を与えた。
(2)『近松物語』(54)
「鬼の溝口」の演出力が冴えわたる傑作。
凛とした香川京子の美しさ、冷徹なキャメラが鮮烈な印象を残す。
(3)『炎上』(58)
三島由紀夫の『金閣寺』を映画化した作品だが、数ある三島映画のなかでも最高作なのではないか。
自分の好みだろうが、市川雷蔵は現代劇のほうが魅力が出ると思うのよね。
(4)『用心棒』(61)
誰もが楽しめる映画―を目標に、黒澤をはじめとする天才たちがアイデアを出し合って出来た快作。
マルチカメラという撮影法を知ったのも、この映画だったかな。
(5)『無法松の一生』(43)
名が通り始めたころに担当した名作。
伊丹万作の名脚本にも注目してほしい。
(6)『羅生門』(50)
黒澤、初期の代表作。
太陽を捉えた場面が有名だが、「あの風」が吹くシーンも素晴らしい。
(7)『ある殺し屋』(67)
日本では珍しいノワール物。
しつこいが…雷蔵さんは現代劇のほうが似合わなくない?
(8)『雨月物語』(53)
幽玄の世界を描いた溝口健二の代表作。
しかし、宮川一夫のキャメラがなかったら実現出来なかったかも―?
(9)『東京オリンピック』(65)
ちなみに河瀨直美監督によるドキュメンタリーは、来春公開だそうです。
(10)『鴛鴦歌合戦』(39)
これ、とんでもなく面白い映画なので、若いひとにも観てほしいな!
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『ぜんぜん歌えないかも!?』
天才。
野心家。
異能の監督に愛され信頼され、なおかつその期待に応えなかったことがない。
文句のひとつもいいたくなるが、宮川一夫が居なかったとしたら、黒澤や市川崑、溝口健二の映画の魅力も半減したことを考えると、もう神として崇めるしかないでしょう。
99年に91歳で鬼籍に入る、同級生にはマキノ雅弘。
日本映画のカメラマンといったら、まずはこのひとです。
(1)『おとうと』(60)
幸田文の原作を市川崑が映画化、主演に岸恵子。
いわゆる「銀残し」を発明したとされる作品で、「くすんだカラー映像」は後年の映画に多大な影響を与えた。
(2)『近松物語』(54)
「鬼の溝口」の演出力が冴えわたる傑作。
凛とした香川京子の美しさ、冷徹なキャメラが鮮烈な印象を残す。
(3)『炎上』(58)
三島由紀夫の『金閣寺』を映画化した作品だが、数ある三島映画のなかでも最高作なのではないか。
自分の好みだろうが、市川雷蔵は現代劇のほうが魅力が出ると思うのよね。
(4)『用心棒』(61)
誰もが楽しめる映画―を目標に、黒澤をはじめとする天才たちがアイデアを出し合って出来た快作。
マルチカメラという撮影法を知ったのも、この映画だったかな。
(5)『無法松の一生』(43)
名が通り始めたころに担当した名作。
伊丹万作の名脚本にも注目してほしい。
(6)『羅生門』(50)
黒澤、初期の代表作。
太陽を捉えた場面が有名だが、「あの風」が吹くシーンも素晴らしい。
(7)『ある殺し屋』(67)
日本では珍しいノワール物。
しつこいが…雷蔵さんは現代劇のほうが似合わなくない?
(8)『雨月物語』(53)
幽玄の世界を描いた溝口健二の代表作。
しかし、宮川一夫のキャメラがなかったら実現出来なかったかも―?
(9)『東京オリンピック』(65)
ちなみに河瀨直美監督によるドキュメンタリーは、来春公開だそうです。
(10)『鴛鴦歌合戦』(39)
これ、とんでもなく面白い映画なので、若いひとにも観てほしいな!
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明日のコラムは・・・
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