Cape Fear、in JAPAN

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映画スタッフ別10傑(27)川又昂

2021-08-24 00:10:00 | コラム
~川又昂のキャリア10傑~

敗戦によって2年で廃校してしまった日本映画学校(イマヘイが設立したものとは別のもの)を卒業後、小津と野村芳太郎映画のカメラを多数担当した川又昂、
ほかの監督と組んだ作品もあるにはあるけれど、ベストテンを作るとなると、どうしても「このふたりに偏って」しまう。

相性がよかった、、、ということでしょう。

93歳で亡くなったのはほんの2年前のこと。
監督だけではなく、カメラマンの特集上映とか行われても客はそこそこ集まるのではないかしら。


(1)『砂の器』(74)

多くの識者が言及していることだけれど、原作は松本清張としては弱い。
つまり映画が原作超えを「完全に」果たした稀有な傑作で、それはもちろん、原作には数行でしか表現されていない遍路シーンを全国ロケ敢行で映像におさめたからでしょう。




(2)『日本の夜と霧』(60)

延々と政治論争が繰り広げられる、オオシマのアナーキーな快作。

撮影そのものも、緊張感があったのではないかな。




(3)『東京物語』(53)

ここまで監督にコントロールされる映画制作って、俳優やスタッフは楽しいのだろうか?

みたいな疑問を抱いたこともあったが、
小津の要求にどれだけ応えられるか―みんな、そこにやりがいを見出だしていたのかもしれない。


(4)『青春残酷物語』(60)

オオシマ、初期の代表作。

カメラはあまり動かず、無軌道な男女をクールに捉えている。



(5)『黒い雨』(89)

イマヘイ入魂の反戦映画。
モノクロームにして大正解だった気がする。


(6)『八つ墓村』(77)

いわくつきの猟奇事件を、雰囲気たっぷりの映像で再現。

こういう映画のスタッフワーク、参考になること多いです。




(7)『晩春』(49)

完成度でいえば『東京物語』以上なのではないか。
なんか怖くなるくらいの映画。そんな物語でもないのに。

もう、こんなアングルで統一された映画は誰も創れないような気がする。


(8)『鬼畜』(78)

緒形拳が岩下志麻と小川真由美のあいだを右往左往し、挙句、ひとごろしにまで発展するという物語・笑

清張はずっと「ひとがいちばん怖い」ということを描き、野村芳太郎はそれをもっと分かり易い形で提示してくれていた。
そりゃ、ヒットするのも当然です。



(9)『太陽の墓場』(60)

大阪のドヤ街を描いたオオシマの野心作。
泥臭く生きる人々の息遣いまで聞こえてくるような、肉迫したカメラアングルが素晴らしい。


(10)『迷走地図』(83)

永田町の闇を捉えて見応え充分、清張文学の世界に勝新太郎がマッチするというのは意外な発見かもしれない。

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明日のコラムは・・・

『戦闘服は、膝上で。』
コメント
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