Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画スタッフ別10傑(28)前田米造

2021-08-30 00:10:00 | コラム
~前田米造のキャリア10傑~

先月鬼籍に入ったばかりのカメラマン、前田米造。
(享年85歳、写真左。ちなみに中央は神代辰巳監督)

『バカヤロー!4』(91)で初めてメガホンを持った爆笑問題・太田光に対し、多くの中堅スタッフが「こんなシロートの命令なんか聞けるか」と無視していたという。

そんな現場を見た前田は大声で「監督、監督。このアングルどうですか」と積極的に太田に声をかけていく。
大ベテランの前田さんがそうなのだから…と、次第に太田のいうことを聞くようになっていくスタッフ。

これ!
これですよ!!

まずスタッフの排外主義をどうにかしろって話かもしれないけれど、太田監督は感謝したろうね。

前田米造というカメラマンは、そういうひとだったのです。


(1)『赫い髪の女』(79)

にっかつロマンポルノの到達点。




(2)『それから』(85)

映像化し難いであろう漱石文学を、ここまでのクオリティに仕上げてくれてありがとう。

だからこそモリタさん、最後の「赤」の描写は映像化してほしかったなぁ!!



(3)『お葬式』(84)

伊丹十三を一気にメジャーへと引き上げた快作。

安定の前田カメラ、お見事のヒトコト。


(4)『天使のはらわた 赤い淫画』(81)

石井隆の劇画世界とにっかつ魂が幸福な結婚を果たした。

いまでもそうだけど、石井隆について話すときだけ「声が大きくなるひと」ひじょうに多いです。


(5)『家族ゲーム』(83)

横一列の食事風景、机から見上げるようなアングル等々、印象的なショットが沢山。



(6)『ピストルオペラ』(2001)

鈴木清順、老いても枯れないぜ。

この映画を観ると、江角マキコの(よく分からない)引退はほんとうにもったいない。




(7)『人魚伝説』(84)

ディレクターズ・カンパニーの第一弾として名高い佳作。

原発問題も絡めた、タイトルだけでは想像もつかない物語の広がりに興奮した高校生の自分でした。


(8)『霧の旗』(77)

清張の名作を山口百恵、三浦友和のコンビで映画化。

ザ・王道の、どしっと構えた前田カメラを堪能しよう。


(9)『ときめきに死す』(84)

タイトルの時点で「勝ち」が見えていたような映画、まぁ原作ありだが、当時のモリタの勢いがよく分かる快作。

80年代は「からっぽ」と自分もいったものの、このあたりまでは、そんなこともなかったんだよな…。


(10)『もっとしなやかに もっとしたたかに』(79)

べつに懐古主義ではないのだけれど、もう、こういう作品は創れないだろうと思うと。。。


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明日のコラムは・・・

『もうカレンダーのおはなし。』
コメント
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