Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(405)

2022-02-15 06:33:56 | コラム
とむくるー「ず」→「ず」びぐにぇふつぃぶるすき(ズビグニェフ・ツィブルスキ)

きょうの原稿を編集しようと思ったら、映画監督アイヴァン・ライトマンの訃報(享年75歳)が飛び込んできた。

『ゴーストバスターズ』(84)で有名なヒットメイカーだが、日本では偶然にも『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021)が公開中で、この監督ジェイソンはアイヴァンの息子さんなんだよね。

合掌、じつは自分は『ゴーストバスターズ』は「あんまり…」で、このひとなら断然『デーヴ』(93)だなぁ。


さて。
引退や死で短いキャリアを終えてしまう俳優さんは、残念なことだがけっこう居る。

自分が「もう少し活躍を見たかった」と思うひとは…

たとえば『十九歳の地図』(79)の本間優二。


クールさが魅力だが、本人は芸能活動を望んでおらず80年代末に引退。

もっと短いひとでいえば、
『愛のコリーダ』(76)で定を演じた松田暎子。


定が強烈に過ぎたか、セルフパロディのようなキャラクターが多く、そのことに納得出来なかったのかもしれない、神隠しのように消えてしまった。
(2011年に永眠)

そして、自分のオールタイムベストの上位に入る大傑作『灰とダイヤモンド』(58)で主演したズビグニェフ・ツィブルスキ。



「ポーランドのジェームズ・ディーン」として売り出され、日本でも大人気に。

じつは20作以上に出ており、ポーランドでは中堅的な存在だったらしい。
が、日本で『灰とダイヤモンド』以外の出演作を観ることは難儀で、当時のファンはどうしていたのでしょうね、ビデオもないから繰り返し観ることも出来ないし、雑誌の切り抜きとかポスターとか眺めていたのかしら。

しかし。
67年、走り出した列車に飛び乗ろうとして失敗、転落した拍子に轢かれたのだろうか、死んでしまった。

…えっ。

あっけない最期が、なんというか、『灰とダイヤモンド』的でもあり。


この映画は、まずタイトルが秀逸よね。
同名の原作小説あり。だけれど、レジスタンス活動に燃える青年が経験した、一夜の恋。

灰にまみれた日常にあって、一瞬だけダイヤのように輝く生命の美しさっていうかね。

この映画をリアルタイムではなく、
しかもツィブルスキさえ死んでしまったあとに知る世代は、どうしたって、主人公と俳優を重ねて捉えてしまうのだった。

そして2016年、この映画を監督した「戦う知性派」アンジェイ・ワイダも鬼籍に入った…。
(享年90歳)

そろそろ、大規模な「ワイダ・レトロスペクティブ」が展開されてもよいのでは??


※町山さんの解説、すげーためになる



あすのしりとりは・・・
ずびぐにぇふつぃぶるす「き」→「き」ーぱーそん。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(406)』
コメント (2)
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