35年12月1日生まれ・86歳。
アメリカ出身。
何度オスカーにノミネート(通算24回、史上最多!!)されても授賞式には出席せず、クラリネットを演奏して過ごす―というヘンクツではあるものの、その才能は誰もが認めるところで多くの尊敬を集めるハイセンスなニューヨーカー。
「旬の若手」を積極的に起用することでも有名で、しかも作品の規模が「小さめ」であるため製作費を抑えられ、ゆえに毎年のように作品を量産出来る。
スタジオにとっても若手俳優にとっても「ありがたき存在だった」、、、
にも関わらず、晩節を汚すとはこのことか。
養女への性的虐待疑惑が報じられるとバッシングの嵐が吹き荒れ、元妻ミア・ファローはもちろん、アレン映画出演経験「あり」の俳優の多くが「2度と彼の映画には出ない」と決別宣言、唯一「彼を信じる」と発したのはダイアン・キートンだけだったとか。
本稿は俳優列伝であるからして、
この件に関する言及はコレでおしまい、そして、映画監督としての言及も控える―と記したいところだけれど、出演作のほとんどが監督作だからね、そうもいかないか(^^;)
※9.11を受け、初めて授賞式に登場
<経歴>
ユダヤ系の出身で、アレン映画の本質を探るうえでこのルーツを無視するわけにはいきません。
同じくらいルーツが重要になるのは、スピルバーグでしょうね。
高校時代からハガキ職人として有名で、60年からスタンダップ・コメディの舞台に立ち人気を博す。
映画監督・俳優のデビュー作は、65年の『何かいいことないか子猫チャン』。
ボンド映画の番外編『007/カジノ・ロワイヤル』(67)を挟み、
『泥棒野郎』(69)、『ウディ・アレンのバナナ』(71)、『ボギー!俺も男だ』(72)、『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』(72)、『スリーパー』(73)など監督・主演作を連発。
コメディアンならではの独自の視点で築く映像世界は、コレってひょっとして、松本人志の(映画監督としての)成功バージョンなのでは?? と思ってしまいますね。
とくに映画そのものをパロディにした『ボギー!俺も男だ』は、いま観てもクスクス笑いが止まらない快作です。
そして77年、ニューヨーカーの恋愛模様を切り取った『アニー・ホール』で新たなスタイルを確立。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/b9/727bd71081a3f449278424f3b0297c56.jpg)
批評興行の両面で成功し、オスカー作品賞に輝く。
(もちろん…それでも授賞式は欠席。ただまぁ、受賞を拒否したわけではないのでね)
俳優としての特徴は、神経質で自意識過剰…彼の映画そのまんま、つまり自画像なんでしょうね。
少なくともスコセッシよりは、演技が上手だとは思います^^
『マンハッタン』(79)、『スターダスト・メモリー』(80)、
個人的にアレン映画の最高傑作と思っている『カメレオンマン』(83)では、環境によって体型や顔を変えてしまう男をドキュメンタリータッチで描く。
以降も・・・
『ハンナとその姉妹』(86)、
コッポラ&スコセッシと組んで撮ったオムニバス『ニューヨーク・ストーリー』(89)の「エディプス・コンプレックス」、
※大傑作! コッポラだけ、はっきりいって大失敗(^^;)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/0f/839eedab3febb565f22455110913a051.jpg)
『ウディ・アレンの重罪と軽罪』(89)、『ウディ・アレンの影と霧』(92)、『夫たち、妻たち』(92)、
『誘惑のアフロディーテ』(96)、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(97)、『地球は女で回ってる』(97)、『ギター弾きの恋』(99)、
『スコルピオンの恋まじない』(2001)、『さよなら、さよならハリウッド』(2002)などなど「かわいげのある小品」で佳作・好演を連発。
ただし、『メリンダとメリンダ』(2004)あたりから主人公としては「歳を取り過ぎた」と自覚したのか、監督に専念することが多くなる。
その決意は正解だったと思います、このあとに発表した『ブルージャスミン』(2013)なんて、専念したからこそ出来上がった大傑作だと思いますもん。
ただそのくらい自身を客観視出来る才人でも、スキャンダルだけは想定出来なかったか…そこが、残念でなりません。。。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『令和版・海外俳優列伝(40)ウディ・ハレルソン』
アメリカ出身。
何度オスカーにノミネート(通算24回、史上最多!!)されても授賞式には出席せず、クラリネットを演奏して過ごす―というヘンクツではあるものの、その才能は誰もが認めるところで多くの尊敬を集めるハイセンスなニューヨーカー。
「旬の若手」を積極的に起用することでも有名で、しかも作品の規模が「小さめ」であるため製作費を抑えられ、ゆえに毎年のように作品を量産出来る。
スタジオにとっても若手俳優にとっても「ありがたき存在だった」、、、
にも関わらず、晩節を汚すとはこのことか。
養女への性的虐待疑惑が報じられるとバッシングの嵐が吹き荒れ、元妻ミア・ファローはもちろん、アレン映画出演経験「あり」の俳優の多くが「2度と彼の映画には出ない」と決別宣言、唯一「彼を信じる」と発したのはダイアン・キートンだけだったとか。
本稿は俳優列伝であるからして、
この件に関する言及はコレでおしまい、そして、映画監督としての言及も控える―と記したいところだけれど、出演作のほとんどが監督作だからね、そうもいかないか(^^;)
※9.11を受け、初めて授賞式に登場
<経歴>
ユダヤ系の出身で、アレン映画の本質を探るうえでこのルーツを無視するわけにはいきません。
同じくらいルーツが重要になるのは、スピルバーグでしょうね。
高校時代からハガキ職人として有名で、60年からスタンダップ・コメディの舞台に立ち人気を博す。
映画監督・俳優のデビュー作は、65年の『何かいいことないか子猫チャン』。
ボンド映画の番外編『007/カジノ・ロワイヤル』(67)を挟み、
『泥棒野郎』(69)、『ウディ・アレンのバナナ』(71)、『ボギー!俺も男だ』(72)、『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』(72)、『スリーパー』(73)など監督・主演作を連発。
コメディアンならではの独自の視点で築く映像世界は、コレってひょっとして、松本人志の(映画監督としての)成功バージョンなのでは?? と思ってしまいますね。
とくに映画そのものをパロディにした『ボギー!俺も男だ』は、いま観てもクスクス笑いが止まらない快作です。
そして77年、ニューヨーカーの恋愛模様を切り取った『アニー・ホール』で新たなスタイルを確立。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/b9/727bd71081a3f449278424f3b0297c56.jpg)
批評興行の両面で成功し、オスカー作品賞に輝く。
(もちろん…それでも授賞式は欠席。ただまぁ、受賞を拒否したわけではないのでね)
俳優としての特徴は、神経質で自意識過剰…彼の映画そのまんま、つまり自画像なんでしょうね。
少なくともスコセッシよりは、演技が上手だとは思います^^
『マンハッタン』(79)、『スターダスト・メモリー』(80)、
個人的にアレン映画の最高傑作と思っている『カメレオンマン』(83)では、環境によって体型や顔を変えてしまう男をドキュメンタリータッチで描く。
以降も・・・
『ハンナとその姉妹』(86)、
コッポラ&スコセッシと組んで撮ったオムニバス『ニューヨーク・ストーリー』(89)の「エディプス・コンプレックス」、
※大傑作! コッポラだけ、はっきりいって大失敗(^^;)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/0f/839eedab3febb565f22455110913a051.jpg)
『ウディ・アレンの重罪と軽罪』(89)、『ウディ・アレンの影と霧』(92)、『夫たち、妻たち』(92)、
『誘惑のアフロディーテ』(96)、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(97)、『地球は女で回ってる』(97)、『ギター弾きの恋』(99)、
『スコルピオンの恋まじない』(2001)、『さよなら、さよならハリウッド』(2002)などなど「かわいげのある小品」で佳作・好演を連発。
ただし、『メリンダとメリンダ』(2004)あたりから主人公としては「歳を取り過ぎた」と自覚したのか、監督に専念することが多くなる。
その決意は正解だったと思います、このあとに発表した『ブルージャスミン』(2013)なんて、専念したからこそ出来上がった大傑作だと思いますもん。
ただそのくらい自身を客観視出来る才人でも、スキャンダルだけは想定出来なかったか…そこが、残念でなりません。。。
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明日のコラムは・・・
『令和版・海外俳優列伝(40)ウディ・ハレルソン』