Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(437)

2022-11-27 00:10:00 | コラム
つ「りー」→「りー」く

映画『アマデウス』(84)は、
観ていないひとのなかで勘違いされることが多く、モーツァルトの伝記映画ではなく、モーツァルトの「毒殺説」からヒントを得た「天才と凡人」「神とヒト」の物語。

モーツァルトの才能を羨んだ宮廷作曲家サリエリは、モーツァルトのあらゆる活動にヨコヤリを入れようと家政婦を送り込む。


彼女の情報(リーク)により、サリエリはモーツァルトが戯曲『フィガロの結婚』に音楽をつけていることを知る。
当然、サリエリはそれを皇帝ヨーゼフ2世の耳に入れる(リーク)。

皇帝は、『フィガロの結婚』の上演を固く禁じていた。
曰く「階級闘争を煽るものだから。妹は、国民を怖がり始めている」




リーク(leak)を直訳すると「漏れる」。
液体だけでなく、それは情報も指していて。

映画にかぎらず小説や漫画、舞台も、「情報のリーク」によって物語が動き出すことが「よく」ある。

「多用」はどうかと思うけれど、いざというときに使えば抜群の効果が期待出来るっていうね。


たとえば。
『天国と地獄』(63…トップ画像)、権藤さんの片腕だった河西はボスが身代金を出すか出さないかで迷い、弱みを見せ始めた途端、
敵対していた重役たちにボス情報(=自社株をコツコツ貯めていたこと、誘拐で脅迫に遭っていること)をリークする。

「貴様、あのクソ上役たちに俺を売ったな!?」
「えぇ、売りましたとも」
「大阪の話も喋ったのか!?」
「えぇ、すっかりね」
「この、ゲス野郎!!」


たとえば。
『JFK』(91)、暗殺事件を調べる検事に「実際の名前は明かせない」と断りを入れつつ、そーとーな機密情報をリークしてくれる謎の男X大佐。

これだけ明かして「法廷には立てない」とか「私がいえないことは自分で調べろ」とか「幸運を祈る」とか、ちょっとよく分からない、混乱させるだけのひと…ともいえるんだけどね笑

さらに告訴を煽るし(^^;)



たとえば。
ちょっと変化球でいえば、『L.A.コンフィデンシャル』(97)。

知るはずもないひとが口にした「ロロ・トマシ」という人名。

これは真犯人自らがリークしちゃった、つまり「墓穴を掘った」事案でしたね^^



あすのしりとりは・・・
りー「く」→「く」つ。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(438)』
コメント (4)
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