Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

2022回顧:特別編 ワースト映画を語る

2022-11-16 00:10:00 | コラム
今宵は、年間回顧の特別編としてワースト映画を挙げます。


公開時は酷評が目立ち、時間が経過するうちに擁護の論評も増えてきた『大怪獣のあとしまつ』は、「よくもわるくもなかった」というのが率直な感想。


やりたいことは分かったし「その意義」もあるとは思うが、巧くはなかったかな。

そんなことより、、、である。


映画ファンへの投票を実施したとするならば、
たぶん今年のワースト作品1位には、90%くらいの票が集まるのではないか。

それほど酷かったといわねばならぬ作品が、モンローの伝記「とされている」ネトフリ産の『ブロンド』。

スペイン訛りがあるはずのアナ・デ・アルマスは「大」熱演しているし、
当時のフィルムの質感を再現したスタッフワークも超一流、

しかし3時間をかけて展開されるのは、モンローが受けつづけたとされる「性的搾取」を露悪的な演出で暴くというもの。

監督が確信犯なのはあきらかで、
そういう描写を徹底することで、モンローの日常がどれだけしんどかったを追体験させる狙いがあった、、、のかもしれない。

だがそれならば事実オンリーで描くべきで、この物語には創作が「かなり多く」含まれており、ケネディとの関係性だって脚色にもほどがある!といわれている。

「悲劇のひと」「犠牲者」のレッテルを張り、ではそこに敬意はあるのかといえば、そんな風には思えない。

性的搾取をテーマにしてそこを描くのであれば、「モンローでない」創作上のキャラクターを置くか、
あるいは、
ヴァーホーベンやリンチ、クローネンヴァーグのように「行き切ってしまう」必要があると思う。

創り手が、どれだけの覚悟を有していたのか―そこに尽きる。
そしてこの映画には、その覚悟が足りなかったのではないか。


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明日のコラムは・・・

『ロス現象の気持ちが、ちょっと分かった~2022回顧⑥~』
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