Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

寝落ちとPRIDE

2020-10-16 00:10:00 | コラム
映画の創り手にとって、最も屈辱的な感想とは、おそらく・・・

「退屈で、途中で観るのをやめてしまった」

あるいは、

「寝落ちしてしまった」

・・・なんじゃないかな。


映画制作にかけた数ヵ月間・数年間を否定されることになるのだから。

それが分かっているから、受け手のなかにはコレを必殺技のように用いるひとが居る。

創り手の自尊心を傷つける、二の句が継げない残酷な表現だよね。
(「寝落ちする」ことがネタになっている、タルコフスキー映画みたいな「超」例外もあるけれど!!)


しかしじつは、この表現は諸刃の剣みたいなところがあって。

使いどころを誤ると、受け手としての自尊心がやられることがあるのだった。


「え!! あんなに面白いのに!?」
「あれを楽しむための脳が、お前にはなかったんだね」

・・・などといわれてしまったりして。

つまりは名作と誉れ高い作品や人気作などに対し「容易に」この表現をしてしまうと、返り血を浴びることになるのよ。

だからいま、Twitterではこんなタグが立っている。

#寝落ちした映画を正直に言う

「正直に」というのがポイントね。
これは暗に人気作を挙げろといっているようなもので、映画ファンを自称しているものにとっては真に勇気が要ることなのです。

自分も参加してみましたよ、勇気を出して笑


以下、自分が寝落ちしてしまった人気作を挙げておこう。


『未来世紀ブラジル』(85)

鬼才テリー・ギリアムの傑作。

と、エラソーに紹介してみたものの、「寝落ち」という挫折を「何度も」経たあとに「なんとか」完走したのだった。

映像のリズム、、、の問題なのだろうか。


『交渉人』(98)

ケビン・スペイシー、サミュエル・L・ジャクソン共演のサスペンス大作。

観返してみたら、抜群に面白かった笑

ち密な脚本、ふたりの俳優も熱演だが、それでも初見時は、なぜか頭と心に「ぜんぜん」入ってこず、何度も何度も頭をカクンカクンさせたのだった・・・。




『夏至』(2000)

静謐なタッチを特徴とするトラン・アン・ユン監督作。


敢えて「静謐」と置いておくのは、「だから寝てしまったんだ」というイイワケのため? かもしれない。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(215)中川翔子』
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機種変ドキ

2020-10-15 00:10:00 | コラム
スマホにしてからずっとSamsung(韓国)のGalaxyを使っていて・・・

Galaxy2、4、6、いまが9で4代目。

Galaxy9を使い始めて2年とちょっとが経ち、「いつものように」という表現を用いると皮肉っぽいかな、充電の効力が弱めになったり、いろいろ不具合が出てきた。

いわゆる、機種変「ドキ」なのかもしれない。

正直、5年くらいはもってほしいのだが。

分割払いを終えた途端に機種変しなければならない、、、っていうのもね。


Galaxyにこだわったのは、デザインかなぁ。
MACユーザーじゃないからiPhoneの選択肢はなかった―という考えは古いけど、最初から興味なかったのも事実、
SONYのXperiaかGalaxyの二択だった。

なら次の機種は自然と5Gの新Galaxy? となりそうなところだが、正直デザインや機能はもういいかな? なんて思い始めてたり。

カバーするからデザイン隠れるし。
機能は、まぁ、電話とLINEが使えればいいし、あとはアプリ次第だし。

それよか、「より安い」端末でいいんじゃね? と。

なんかそう思うだけで、おとなになった気分がしています。


・・・ちょっとちがう?

うるせーよ。




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明日のコラムは・・・

『寝落ちとPRIDE』
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外国女優別キャリア10傑(43)ナオミ・ワッツ

2020-10-14 00:10:00 | コラム
~ナオミ・ワッツのキャリア10傑~

パッとしない10年ちかくのキャリアから一転、鬼才リンチの映画でヒロインを魅力的に演じた途端に売れっ子へ。

世の中って、つくづくタイミングだなと。
これを逃がし、売れるはずなのに売れなかったひとなんて沢山居るのだろうなと思う。


(1)『マルホランド・ドライブ』(2001)

リンチがネクストレベルに到達した傑作。

ヒロインふたりの演技も素晴らしいが、未見のひとは「泣きのおんな」のパフォーマンスにも注目してね。




(2)『21グラム』(2003)

3人の人生が事故をきっかけに交差する、ひとつの心臓をめぐるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの力作。

ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、シャルロット・ゲンズブール共演。

かなりつらい物語だが、映画を観ている! という大きくて深い感慨に浸ることが出来る。



(3)『イースタン・プロミス』(2007)

カナダの異端児クローネンヴァーグによる、暴力をテーマとした怪作。

ヴィゴ・モーテンセンがとにかく不気味なので、ナオミが出てくるとちょっとホッとする笑


(4)『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)

イニャリトゥによる野心溢れる実験作。

ナオミはエドワード・ノートンの恋人を演じている。


(5)『ツイン・ピークス2017』(2017)

テレビドラマだが、配信系であったし、創りはほとんど映画なので。

「もうひとりの主人公」ダギーの勝気な妻を好演した。



(6)『ザ・リング』(2002)

Jホラーの代表作をリメイク。

雰囲気はバツグンだが、いろいろ足し過ぎてシンプルな怖さはなくなった気も・・・。




(7)『タンク・ガール』(95)

英国のカルトコミックを映画化、劇場公開時にきっちり観たはずなのに、ナオミをどうこう思わなかったんだよな~。

やっぱりタイミングでしょうか、機が熟すまであと6年・・・。


(8)『キング・コング』(2005)

ピーター・ジャクソンによる、クラシックの再構築。

特撮はさすがの出来ではあるものの、ワッツは、こういうヒロイン役としては「少々」地味なのかもしれない。。。



(9)『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(2015)

微妙な邦題だが、物語はよく出来ているし、このタイトルは本編のなかに登場する台詞から取っている。

妻を亡くしたデイヴィス(ジェイク・ジレンホール)と、たまたま出会ったカレン(ナオミ)の関係を描く。


(10)『バイス』(2018)

ブッシュ政権時に副大統領を務めたディック・チェイニーをモデルとしたコメディ。

クリスチャン・ベールのカメレオン演技が見もの、
ナオミはほんのチョイ役―FOXキャスター―で、じつはノンクレジット扱い・・・なのだが、出てきてちょっとうれしかった。

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明日のコラムは・・・

『機種変ドキ』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(350)

2020-10-13 00:10:00 | コラム
ぐん「ま」→「ま」どんな(マドンナ)

プリンスもそうだけど、マドンナと名乗るのはそーとー勇気の要ること。

でも彼女の場合、それが本名なんだよね。

Madonna Louise Ciccone、62歳―自分が最初に好きになった洋楽アーティスト。

映画『マドンナのスーザンを探して』(85)を観て、本業は歌手なのだと「あとから」知った。


左のロザンナ・アークウェットが主演で、マドンナはあくまでも助演。
映画自体が面白いのに配給会社は弱いと思ったのか、当時人気のマドンナを敢えてタイトルに冠した。

これを観てマドンナに興味を抱き、シングルレコード『ラ・イスラ・ボニータ』を買う。


ときはアナログからCDへの転換期、だから最初に買ったアルバム『Like A Prayer』はCDだったね。

これは開封すると、マドンナが好きだった香水の香りがするという仕掛けがついていた。




78年―夢を抱き、ニューヨークで下積み生活を始める。
なかなか芽が出ず、ヌードモデルをやったりポルノ映画に出たことも。
売れたあとにこの映画がビデオ発売されスキャンダルになったりもしたが、スタローンもそうだし、みんな生きるためだよね。

81年にソロデビューを果たし、84年発表のアルバム『ライク・ア・ヴァージン』が大ヒットを記録、一大ブームを巻き起こす。
自分がマドンナの存在を知るのは、この少しあとだったかと。

以降の活躍は、自分が記すまでもないでしょう。
曲だけでなく先端をいくステージ、PV、ファッション、映画出演、そして数々―ショーン・ペン、ウォーレン・ベイティ、ガイ・リッチーなどなど―の恋愛。

ただ「ほんとうに愛したのは、ペンだけだった」とも語っているよね、自分もお似合いのカップルだと思ってた。

ここからは、映画に限定して。
ペンと共演した『上海サプライズ』(86)や『フーズ・ザット・ガール』(87)はマドンナそのものを売りにした作品でどうということはない、
『ディック・トレイシー』(90)もベイティがマドンナを撮りたかっただけのように思える。

91年、ドキュメンタリー映画『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』発表。
アーティストとして絶頂期を迎えたころがフィルムに焼き付けられていて、これは観る価値「おおいに」あり。

女子野球の世界を描いた『プリティ・リーグ』(92)、タランティーノ組のオムニバス『フォー・ルームス』(95)、
そして96年―エバ・ペロンを熱演した『エビータ』に主演、


オスカーでは歌曲賞を受賞、ノミネートされたものの主演賞は勝ち取れなかった。

「男を利用してでものしあがっていく」というエバのキャラクターがマドンナにあっていて、キャリアで最高の演技だったと思う―うん、このときオスカーあげてもよかったんじゃないかなぁ!!


現在は昔ほどヒットしていないし影響力もないが、新譜が出るとやっぱり気になるし、体型を維持したまま踊りまくるマドンナは最高にクールです。




次回のしりとりは・・・
まどん「な」→「な」ーど。

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明日のコラムは・・・

『外国女優別キャリア10傑(43)ナオミ・ワッツ』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(349)

2020-10-12 00:10:00 | コラム
うーぴーごーるどばー「ぐ」→「ぐ」んま(群馬)

わが群馬出身の有名人といえば・・・

ヒムロックと布袋さん。


井森さんと中山秀ちゃん、篠原涼子さん。


バンドのBUCK-TICK。

文芸系はちょっと弱く、未だ田山花袋が推されている。
好きだけど、絲山秋子も居るぜよ! といいたい。

で、映画監督は有名どころが3人。


前橋の小栗康平と清水崇、館林の原恵一。

小栗康平は、この世に商業ということばは存在しないかのような映画を撮るひと。
清水崇は、ホラーを専門に撮る職人系。
原恵一は、尖ったアニメーションを撮る俊英。

やっぱり、カワリモノが多いね群馬出身者は!笑

<小栗康平>

74歳。
40年のキャリアで6本しか撮っていない寡作のひとでもある。

ふだんどうやって生活してるんだろ? と思ったら、家もなく知人の家に住んでいたことも。
(なんか前時代的で、すげー!)

宮本輝の名作を映画化、子役と加賀まりこの演技が絶賛された『泥の河』(81)でデビュー。

島尾敏雄の恐ろしい私小説をクールに描いた『死の棘』(90)は、自分のオールタイムベストの30選に入る。

夫の浮気に嫉妬し取り乱し、精神をきたす妻の姿(松坂慶子)がとにかく強烈。

群馬県が出資したにも関わらず観光映画にもなっていなかったのが笑える『眠る男』(96)、

洋画家・藤田嗣治の半生をエンタメ要素を完全に排して描いた『FOUJITA』(2015)など、

自分が「たまたま」映画好きで、しかも「たまたま」群馬出身だから注目していたし大好きだけど、
そうじゃなかったら、まったく眼中になかったかもしれないな~。。。

ん?

いやいや、もちろん褒めてますよ笑




<清水崇>



いわゆるJホラーを牽引した功労者のひとり。

脚本家・石堂淑朗や同郷の小栗康平に師事し、映画術を学ぶ。

2001年の『富江 re-birth』で監督デビューを果たし、次作『呪怨』(2003)でスマッシュヒットを記録する。


個人的にはそこまで感心はしなかったな、でもウケるのも分かる手堅い演出だったとは思う。
それが業界内での信頼につながったのでしょう、以後、『呪怨 パンデミック』(2006)、4DX専用の『雨女』(2016)、『犬鳴村』(2020)などホラーを連発する職人となる。

意外だったのが、実写版『魔女の宅急便』(2014)を担当したこと。

世評は芳しくなかったけれど、ちがう畑への進出は歓迎です。

<原恵一>

誰だ、霜降り明星の粗品だ! なんていっているヤツは!?


天才なんだぞ、このひとは。
粗品も、どちらかというと天才系だろうけれども。。。

東京デザイナー学院(現・東京ネットウエイブ)出身。
人づきあいは悪いが手腕はたしか、、、だったようで、20代ですでにアニメーション『ドラえもん』の演出に携わる。

92年、『クレヨンしんちゃん』の演出を担当。
局内でも気合いを入れている作品ではなかったものの大ブームを巻き起こし、97年の『暗黒タマタマ大追跡』から映画版の演出も担当する。

2001年、『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』が大評判となり一躍ときのひとに。

2005年の『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』まで演出を担当したのちは、『河童のクゥと夏休み』(2007)や『カラフル』(2010)、『バースデー・ワンダーランド』(2019)など、フリーランスとして力作アニメーションを発表しつづけている。


あすのしりとりは・・・
ぐん「ま」→「ま」どんな。

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