Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(379)

2021-06-20 00:10:00 | コラム
ぷれみ「あ」→「あ」いどるえいが

岡田斗司夫だったか、たとえばハリウッドのスーパーヒーロー映画とか、日本でも『魔法少女まどか マギカ』などを鑑賞する際は・・・

「ちょっと、知能指数を下げる必要がある」

・・・と話していて、なかなかに語弊がある表現、でもちょっと分かるなぁというか。

これは日本特有のアイドル映画にもいえるかもしれない、なぜなら昭和の時代に量産されたそれらは、主演者のファン「だけに」向けられたものだから。

と断言したものの、ときどき、その思いが揺らぐアイドル映画が出現する。


例に出しちゃうのは申し訳ないが、アイドル映画のほとんどは『シブがき隊 ボーイズ & ガールズ』(82)や『おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!』(86)のような、ファン以外はどう楽しめばよいのか分からない珍作ばかりで。(でも後者の監督は原田眞人だったりする!)



映画ファン名乗ってても、アイドルものはパスでいいんじゃね?
と思うひとも多いことでしょう、

以下は、そんなひとにこそお薦めしたい「意外とやるじゃん、アイドルも!」と思わせてくれる5本の青春映画です。


※制作年度順…一連の角川映画は知られ過ぎているので除外

『ロックよ、静かに流れよ』(84)

主演は男闘呼組、映画好きのあいだでも評判になった佳作。

ジャニーズ全体で捉えても、最もよく出来た映画なのではないかしら。



『テイク・イット・イージー』(86)

主演は吉川晃司、監督は大森一樹。
けっして上手ではないが、のびのびと演じる吉川ちゃんが素敵でね。




『20世紀ノスタルジア』(97)

ヒロスエの一瞬の輝きをフィルムに捉えていて、これぞ映画の奇跡だと思った。褒めすぎ?




『幕が上がる』(2015)

主演はももクロ、
平田オリザが書き下ろした高校演劇部のドラマを本広克行が映画化、監督にとっても現時点における最高傑作になったと思う。

ブレイク直前の、吉岡里帆、芳根京子、伊藤沙莉も出てるよ!



『響 HIBIKI』(2018)

元「欅坂46」の平手友梨奈が初主演、女子高生が書いた小説をめぐる物語。

平手さん、雰囲気はあるものの演技力は途上状態にあって荷が重いのでは?と思われたが、いやいやがんばってます。


あすのしりとりは・・・
あいどるえい「が」→「が」んだむ。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(380)』
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映画スタッフ別10傑(18)マイケル・チャップマン

2021-06-19 00:10:00 | コラム
~マイケル・チャップマンのキャリア10傑~

去年の秋に鬼籍に入ったチャップマンは、キャリア初期にスコセッシ二大傑作の撮影を担当。

『タクシードライバー』(76)をスクリーンで拝んだのは、上京後の名画座だった。
高校生のころ、ビデオテープが擦り切れるほど観ていたはずなのに、まるで初見のような衝撃が走った。

すでに知っている物語にではなく、ビデオ映像とフィルム映像のちがいに。
夜のニューヨーク、ヘッドライトやネオンの光が、こんなに眩かったのかと。

なにひとつ観てなかったんじゃん!! と自分を恥じた。

もうひとつの傑作は権利が複雑なのかな、いちどもリバイバル上映されていない。

あぁスクリーンで拝みたいな、たとえデジタル上映だったとしても、家で触れるものとはまったくちがうであろうから。





(1)『タクシードライバー』(76)

いってしまえばすべてが名シーン、
敢えてひとつ挙げるとするならば、ベッツィに振られたトラビスが電話をかけるシーンかな。

カメラがゆっくり横移動して無人の空間を映し、孤独感が強調されている。


(2)『レイジング・ブル』(80)

リングのなかを所狭しと動きまくるカメラワーク、チャップマンはこれでオスカーを取るべきだった。




(3)『逃亡者』(93)

逃亡/追跡シーンがすべてシャープなのは、監督というより、たぶんチャップマンの手腕によるもの。


(4)『真実の行方』(96)

エドワード・ノートンの演技が絶賛された法廷劇。

カメラの動きがおとなしめなのは、ノートンの演技を際立たせるためでしょう。


(5)『ロストボーイ』(87)

吸血鬼の物語を80年代のノリで創ってスマッシュヒット。


イメージにないかもしれないが、シューマッカー監督ってカメラの構図や照明にすごくこだわるひと。

チャップマンもやりがいがあったと思う。


(6)『ラスト・ワルツ』(78)

ザ・バンドの「たいへん豪華な」解散コンサートをスコセッシ指揮のもとに撮影した記録映画。

チャップマンもおつかれさまだが、それ以上に編集が大変だったと思う。




(7)『3人のゴースト』(88)

有名なスクルージの物語を現代風にアレンジした、リチャード・ドナー監督作。

この映画を観ても分かるが、チャップマンは夜を捉えるのがバツグンに巧いです。


(8)『マッド・フィンガーズ』(78)

あまり知られてないが、これはよいよ!
カイテルの狂いっぷりに痺れましょう。




(9)『マイ・ライバル』(82)

アスリートのドラマに同性愛の要素を落とし込んだ、なかなかの野心作。

スローモーションを多用した競技シーンが素晴らしい。


(10)『さらば冬のかもめ』(73)

ジャック・ニコルソンが主演した「最後のほうの」ニューシネマであり、チャップマンにとってのカメラマン・デビュー作でもある。

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大阪版は、おとなしくウチで!

2021-06-18 00:10:00 | コラム
『RIZIN.28』の興奮を引きずっている感じだが、今週末は井上尚弥くんのタイトルマッチがあり、翌週には早くも『RIZIN.29』が開催される。

尚弥くんはベガスなのでもちろんWOWOW観戦、

『RIZIN.29』は『28』からつづくトーナメントの第2部なので、平時であれば大阪まで行っちゃうだろうけれど、今回は我慢してスカパー!観戦。

あぁ楽しみだ。


しかしだね、『28』のポスターがクールなのに対し、


『29』の騒がしい感じはどうしたことだろう笑


関東と関西のイメージで、こんなに変わるん??

・・・まぁ自分だって関西に対する偏見はあると思うけど、ちょっと露骨に過ぎるなぁとは思うのよね(^^;)


※しかし何度観ても、これはアートだなと



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沙良めあて

2021-06-17 00:10:00 | コラム
『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(2019、日本テレビ)以来だから2年ぶりか、映画キチの自分がテレビドラマを観ている。

あと2回で最終回の、『ドラゴン桜』(TBS)ね。

あれ自分、『A組』といい金八といい、学園モノ好きかな。

まちがいではない、
ただ今回の『ドラゴン桜』でいうと・・・
無理矢理1クールに収めるため、枝葉たくさんあるのにすべてが中途半端な感じがしてもったいないなぁと思うところが多々あり、完成度という点では評価し難い。

にもかかわらず途中退席しないのは、まぁ、どんな作品であっても途中退席しない主義というのもあるし、南沙良さんがあまりにも素敵で、彼女見ているだけで飽きないというのもある。

そう、沙良めあてで観つづけている。


平手さんもがんばってるけどね。



ネットでドラマの感想などに触れていると、「学校買収の話が邪魔をしている」というのが多い。


擁護派は「いやでも、それは原作漫画にも描かれているし」。

うん実際に描かれている。



でもちょっと、思わせぶりが過ぎるよね。
第1話の最後のあたりで(暗躍しているキャラたちが)「楽しみですね」。
前回の最後で「いよいよですね」。

次回でやっとこさ全容が明かされそうだが、引っ張るにもほどがあるだろうと。

あと2話で受験の結末まで描くんでしょ、寄り道になってませんか?みたいな。

そんな風に文句たれながらも、沙良さん出てくるとどうでもよくなったり笑


・・・まぁ、こんな観かたをしてもいいよね笑


※こちらは前回のです。山P元気してるかな。



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にっぽん女優列伝(263)藤井かほり

2021-06-16 00:10:00 | コラム
65年9月23日生まれ・55歳。
名古屋出身。

公式Twitter

女性を美しく撮る日本の映画監督といえば、ダントツで石井隆、ついで塚本晋也なのではないかしら。

このふたりに起用されたらいいのになぁ、、、と思う女優さんも多いけれど、
逆に、起用されたことによって知ったひとも居て。

そのひとりが、藤井かほり(ふじい・かほり)さん。


『東京フィスト』(95)は塚本監督の弟さんもよい演技をしている、
しかし結局のところ、藤井さんのための映画だったと思うのです。

そのくらい、この映画の藤井さんはよいです。最高です!!



<経歴>

多摩美術大学美術学部・グラフィックデザイン学科卒。

在学中にスカウトされてモデル業をスタートさせる。
シュッとしたひとですからね、大学でも街中でも目立っていたことでしょう。

映画俳優デビュー作は、89年の『Peach―どんなことしてほしいのぼくに―』。

『喪の仕事』(90)、
そして95年、『東京フィスト』に主演。

かつて自分はレギュラーで書かせてもらっていた「エロ本の」映画コラムで、「覚悟がないと観ちゃいけない映画」と評しました。
その思いはいまでも変わっていないのですが、と同時に、多くのひとに触れてほしいとも思ってます。

生きざまを賭けたふたりの男の殴り合いに、ほとんど強引に割り込んでくるヒロインを熱演する藤井さん。
リングの上で戦うことが出来ぬかわりに、次々とピアッシングすることで身体を傷つけていきます。


「都市と肉体」を見つめつづけた塚本監督「初期の」集大成といえるこの映画、もっと知られていいはずなのだけれども!!

そしてこんな大傑作に出演した藤井さんが、その後のキャリアを伸ばせなかったことにも納得いきません。

本人の問題というより、90年代後半の日本映画が、藤井さんの覚悟を抱えることが出来なかったのでは―と思うほどなのでした。


ほかの出演作に・・・
アゲハの母を演じた『スワロウテイル』(96)、『夏時間の大人たち』(97)、岩井俊二の傑作『四月物語』(98)、
『ざわざわ下北沢』(2000)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001)、『ピストルオペラ』(2001)、『ドラゴンヘッド』(2003)、『リンダ リンダ リンダ』(2005)、『メゾン・ド・ヒミコ』(2005)、『14歳』(2006)、再び塚本監督のラブコールに応えた『HAZE』(2006)、『Lost & Found』(2010)、『あかぼし』(2013)など。

話題作に「そこそこ」出演しているものの、こんなものではないはず!! なのですよねぇ・・・。


次回のにっぽん女優列伝は、藤谷文子さんから。

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明日のコラムは・・・

『沙良めあて』
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