Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(411)

2022-04-15 00:10:00 | コラム
ぷるとにう「む」→「む」し

「おとなになった、あるある」のひとつとして成立しそうなのが・・・

「子どものころはあんなに触れたのに、虫に触ることが出来なくなった」というもの。

うんわかるわかる、自分は大丈夫、、、というか、むしろいまのほうが「より」触れるようになったものの、その感覚はわかる。

その理由は、なにも年齢だけとはかぎらない気もするのだけれどね。

昭和に比べて、あきらかに虫と接する機会が減ったでしょう?
これは、子ども・おとなに無関係で。

東京ではカブトムシ発見しただけで、ちょいとテンション上がるくらいだし。

ガキのころは、捕まえる気がなくても赤とんぼが肩に止まったりさ。
かーちゃんに「佃煮を作るから、いなご捕まえてきて」といわれ、べつに1時間の大冒険をせずとも数十分で虫かごいっぱいに捕まえられたわけですよ。

接する機会が減ったことにより免疫がなくなってしまい、いざご対面すると未知との遭遇みたいにドキドキしてしまうと。

まぁゴキブリだけは、別物と考えたほうがいいかもしれないが・・・(^^;)


映画に登場する虫。

その筆頭は、やはり『フェノミナ』(85)でしょう。
鬼才ダリオ・アルジェントが、美少女ジェニファー・コネリーを起用して描く伊産のホラー映画。

ジェニファーは昆虫と交信出来る能力を持ったヒロインを好演、
また、ゴブリンによるテーマ曲も最高に尖っていて未だ多くの映画ファンに愛されている佳作よね。




アンノが「次の、次」に放つ『シン・仮面ライダー』のモチーフは、当然バッタやトンボなどの昆虫。



これらは、どちらかというと虫たちを「神聖なもの」として描いている。
もう少しリアリティがあって、かつ想像力に溢れているのがアニメーションの『バグズ・ライフ』(98)。


その可愛らしさを削ぎ落し、ヒトの敵として描かれたのが『ミミック』(97)や『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)。

ただ後者に関しては巨大化し過ぎて、もはや虫とは思えない。怪獣だ怪獣。


「デカさ」からくる恐怖心だから、虫へのアレルギーという点で『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(84)の、このシーンのほうが上でしょう^^



あすのしりとりは・・・
む「し」→「し」とう。

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『シネマしりとり「薀蓄篇」(412)』
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おつかれウィリス

2022-04-14 00:10:00 | コラム
ブルース・ウィリスが失語症を理由に俳優業を引退すると公表、
67歳、まだ早い気もするが、ボクシング村田くんじゃないけれど「無事にリングをおりる」「無事にスクリーンから去る」選択も美しいものだからね~。

90年代前半は「ウィルス」と誤表記されたりもしたが、
「ほぼスキンヘッド化」してからは迫力も増し、監督にも恵まれてアクション映画以外でも活躍、スターらしいキャリアを築いてきた。

多くの未公開作があるため、どれが引退作になるか不明。
とりあえずきょうは、現時点における5傑を展開してみたい。


『12モンキーズ』(95)

テリー・ギリアムが仕掛けたディストピアの世界観に、ウィリスがぴたりとハマった。
麗しのマデリーン・ストーが、結末の哀しみを際立たせるほどにうつくしい。

この映画が、ウィリスの最高傑作だと思う。



『ダイハード』(88)

説明不要、誰が観ても面白いアクション映画の最高峰。

「ダイ」と「ハード」のあいだにある「・」が映画のスピード感を損なうと感じる自分は、あえて「なしの表記」にしています。あしからず。


『シックス・センス』(99)

シャマランの発見と同時に、「静」の演技が出来るという発見のあった会心作。



『デス・ウィッシュ』(2018)

チャールズ・ブロンソンの人気作『狼よさらば』(74)を、ホラー監督として定評のあるイーライ・ロスがリメイク。
この監督起用は吉と出たと思います。



『パルプ・フィクション』(94)

俳優としての大きな分岐点。
煙草にチョッパーにボクシングに日本刀、小道具すべてがウィリスにぴったりで最高だった。


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『シネマしりとり「薀蓄篇」(411)』
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にっぽん女優列伝(322)李麗仙

2022-04-13 00:16:22 | コラム
42年3月25日生まれ・2021年6月22日死去、享年79歳。
東京出身。

高い評価が出来ない作品や人物を評する際に最も能力を発揮する(!)松尾スズキが、大鶴義丹を…


「唐十郎と李麗仙(り・れいせん)の子どもとは思えぬ演技力を披露」

と評していて、腹がよじれるほど爆笑したことがありました(^^;)(^^;)(^^;)

まぁそれはともかく。
李麗仙さんは舞台メインのひとですから、映画キャリアはそれほど多くありません。
ありませんが、なかなかに濃ゆいキャラクターを演じており、このあたり、さすが舞台界で「アングラの女王」と慕われるだけのことはあるなぁと。

※本編も面白いけれど、予告編最高^^



<経歴>

韓国人としての名前は「イ・ヨソン」。
(日本国籍を取得したのは75年)

元夫は劇作家・唐十郎、息子は大鶴義丹。


舞台芸術学院中退。
在学中に唐と出会い意気投合、唐による状況劇場の看板女優として活躍する。

映画俳優デビュー作は、68年の『戦後残酷物語』。
進駐軍と娼婦たちの関係性を描いた、クールでいて熱い物語。

オオシマによる『新宿泥棒日記』(69)、『サマー・ソルジャー』(72)、
「さそり」シリーズの第3弾、カラスを飼う悪玉を演じる『女囚さそり けもの部屋』(73)、
『任侠外伝 玄界灘』(76)、
ポール・シュレイダーが監督した三島偏愛映画、しかし遺族の反対により日本では未公開となった『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』(85…自分は友人が持つ海外版DVDで鑑賞)、
『潤の街』(89)。

90年代は目立った映画作品はありませんでしたが、テレビドラマでは『3年B組金八先生』の第4シーズン(95~96、TBS)で教頭先生を好演していたのが印象に残っています。

『夜を賭けて』(2003)、『ニワトリはハダシだ』(2004)、『蟲師』(2007)、
『望郷の鐘』(2014)。

2019年ころに脳梗塞を患い静養、しかし2021年6月22日―まだ1年も経っていないのですね、肺炎のため死去。
享年79歳、映画の遺作は2016年の『ホテルコパン』でした。


世代というのもありますが、状況劇場の舞台っていちども観たことがないのですよね。
唐とのタッグ作、いちどくらいは観たかったなぁ!!



次回のにっぽん女優列伝は、りょうさんから。

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『おつかれウィリス』
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にっぽん女優列伝(321)米倉涼子

2022-04-12 00:10:00 | コラム
75年8月1日生まれ・46歳。
横浜出身。

公式サイト


超大声でいう「日本のスマホ代は高すぎる!」と、超クールにいい放つ「私、失敗しないので」で有名な米倉涼子(よねくら・りょうこ)さん、
この二項が指し示すように、基本テレビのひとで映画キャリアは片手で数えられる程度だったりします。

顔とか身体とか、

じつに映画向きだと思うのですけれどね、意外とスクリーンにハマらない。

分からないものですね~。


※ネトフリには積極的に参加するのに、映画的な撮影空間があまり好きでないのかな~?



<経歴>

「第6回全日本国民的美少女コンテスト」審査員特別賞受賞。
「ユニチカ」水着キャンペーンガール、「キリンビール」キャンペーンガールを務める。


93年にモデルデビューを果たし、数々の女性誌の表紙を飾る。

映画俳優デビュー作は、2001年の『ダンボールハウスガール』。

堂々の主演作―これ、悪くない出来なんですよ。
変化球の青春映画というか。
ですからこのあと、次々に主演作が制作されると思っていたのですが・・・

『GUN CRAZY 復讐の荒野』(2002)、
超のつくチョイ役といっていい『寝ずの番』(2006)、『櫻の園』(2008)、

そして『交渉人 THE MOVIE タイムリミット高度10,000mの頭脳戦』(2010)くらいなのですよ映画って。


意外だなぁ!

逆にドラマは・・・
テレ朝と蜜月の関係にあり、
松本清張のドラマ化3部作『黒革の手帖』(2004)、『けものみち』(2006)、『わるいやつら』(2009)に連続主演、
そして『ドクターX 外科医・大門未知子』のシリーズ(2012~現在第7期の2021まで)で当たり役をモノにすると。

舞台劇『CHICAGO』でブロードウェイデビューも果たしていますし、かなりのやり手だと思うんです。
だから余計に、映画の現場でなにかあったんじゃないかと勘繰りたくなってしまうのですよね…って、とくに、いまそういうことをいうと誤解を受けそうなのですが。


約30年所属していたオスカープロモーションを退社、現在は個人事務所を立ち上げて活動しています。

『X』の映画版とかではない、新たな魅力をまとった米倉さんのスクリーン・パフォーマンス、ぜひ観たいのですけれどね!!

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(322)李麗仙』
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にっぽん女優列伝(320)吉行和子

2022-04-11 00:10:00 | コラム
35年8月9日生まれ・86歳。
東京出身。

吉行和子(よしゆき・かずこ)さんといえば・・・
すんごい家柄と、オオシマによる労作なのでしょうけれども、
自分にとっては、まず『3年B組金八先生』シリーズ(TBS、79~)の、池内先生役ですね。


これで「感じのよいおばさん」の印象を強くしてから『愛の亡霊』を観たものだから、たいへん驚きました。
(3B出演当時はけっして中年ではなかったのですが、同居する名取裕子がぴちぴち過ぎて!笑)




<経歴>

父は作家・吉行エイスケ、
母はNHK連続テレビ小説『あぐり』(97)のモデルになった美容師・吉行あぐり、
そいでもって兄は作家・吉行淳之介、妹は詩人・吉行理恵。

ここまでくると羨ましいとかでなく、ことばは妙ですが息苦しくなってしまう…かもしれません(^^;)

高校在学中に劇団民藝付属水品研究所に入所、55年に舞台デビューを果たす。

59年、日活と契約。
実質的な映画俳優デビュー作は、同年のイマヘイ監督作『にあんちゃん』。

『雑草のような命』(60)、『けものの眠り』(60)、『地図のない町』(60)、『摩天楼の男』(60)、『この若さある限り』(61)、『あいつと私』(61)、『街に気球があがる時』(61)、『キューポラのある街』(62)、『黒い海峡』(64)、『こころの山脈』(66)、『旅路』(67)、
『現代任侠道 兄弟分』(70)、『暴力団再武装』(71)、『父ちゃんのポーが聞える』(71)、『修羅雪姫』(73)、『遺書 白い少女』(76)などなど、メインどころを張ることは滅多にないものの、脇で光るたしかな演技力を披露、多くの映画監督に絶大な支持を得るようになりました。

そんなところへきて78年、オオシマによる性愛哲学映画『愛の亡霊』で堂々の主演にして大のつく熱演、


映画界の話題をかっさらったのでした。

『コリーダ』のほうが有名ですけれどね、鑑賞し易いのはこっちのほうかもしれません。
(どちらにせよ、いろんな意味でよい意味で「痛い」映画ではありますが…)


『密約―外務省機密漏洩事件』(78)、『黄金のパートナー』(79)、『神様のくれた赤ん坊』(79)、
『おさな妻』(80)、『父よ母よ!』(80)、『獣たちの熱い眠り』(81)、『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』(82)、『天城越え』(83)、『十階のモスキート』(83)、『ダブルベッド』(83)、『彩り河』(84)、『愛・旅立ち』(85)、『犬死にせしもの』(86)、『ブラックボード』(86)、『野ゆき山ゆき海べゆき』(86)、『瀬戸内少年野球団・青春篇 最後の楽園』(87)、『メイク・アップ』(87)、『永遠の1/2』(87)、『優駿 ORACION』(88)、
『ふたり』(91)、『私を抱いてそしてキスして』(92)、『ひめゆりの塔』(95)、『お日柄もよくご愁傷さま』(96)、『不機嫌な果実』(97)、『流れ板七人』(97)、『菊次郎の夏』(99)、『御法度』(99)。

・・・って、ちょっと驚きましたね。
ほぼ鑑賞済みですし、けっして忘れていたわけではない・・・はずなんですけど、ああこっちにもあっちにも出ていたのか!って。

『百合祭』(2001)、『折り梅』(2002)、『雪国』(2002)、『ナースのお仕事』(2002)、『透光の樹』(2004)、『帰郷』(2004)、『予言』(2004)、『この胸いっぱいの愛を』(2005)、『ZOO』(2005)、『佐賀のがばいばあちゃん』(2006)、『地下鉄に乗って』(2006)、『舞妓Haaaan!!!』(2007)、『監督・ばんざい!』(2007)、『おくりびと』(2008)、『僕の彼女はサイボーグ』(2008)、『いけちゃんとぼく』(2009)、
『レオニー』(2010)、『恋谷橋 La Vallee de l’amour』(2011)、『百合子、ダスヴィダーニヤ』(2011)、『シェアハウス』(2011)、『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(2011)、『東京家族』(2013)、『ひまわりと子犬の7日間』(2013)、『御手洗薫の愛と死』(2014)、『小さいおうち』(2014)、

『家族はつらいよ』(2016)、『家族はつらいよ2』(2017)、『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』(2018)、

『夏美のホタル』(2016)、『海すずめ』(2016)、『春なれや』(2017)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017)、『亜人』(2017)、『DESTINY 鎌倉ものがたり』(2017)、『羊と鋼の森』(2018)、

この年の女優さんが主演を張ることに希望を感じる『雪子さんの足音』(2019)、


『おもいで写眞』(2021)、『誰かの花』(2021)、
そして最新作は、現在公開中、亡くなられたばかりの宝田明にとって遺作となった『世の中にたえて桜のなかりせば』(2022)。


86歳でも元気にキャリア更新中、もういっちょ主演でもいっときますか?^^

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(321)米倉涼子』
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