Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(165)ダニー・アイエロ

2024-10-11 00:10:00 | コラム
33年6月20日生まれ・2019年12月12日死去、享年86歳。
アメリカ出身。

名前に触れただけでイタリアの血が入っているであろうことがピンとくるアイエロさん、

自分にとっての初アイエロは、成龍との共演作。


映画通にしか通じなそうな地味なひとなのだけれど、作品名を挙げれば「あっ、分かった分かった!」という方も多いのではないかしら。

たとえば、寡黙な殺し屋レオンのプロモーター?というか代弁者役とか^^


ねっ、分かったでしょう?

メインを張ることはほとんどないですが、作品をビシッとしめる存在感の持ち主であります。

※じつはマドンナのPVにも出演^^



<経歴>

失明した母を捨ててしまった父に代わり、少年期から新聞配達や靴磨きなどで生計を助ける。
10代中ごろに年齢を偽り陸軍に入隊、除隊後は若くして「とある労組」の代表を務める―すげ~、こういう経験をしてきたひとって、なにがあっても大丈夫なのでしょうね。

ナイトクラブの用心棒として働いて30代中ごろ―ある夜、司会者の代行として歌を披露、その芸達者ぶりに周囲は驚き、仲間たちが強く芸能界入りを勧めました。

望んでこの世界に入ったわけではない、、、というところが、このひとの遅いデビューの背景にあったのですね!

映画俳優デビュー作は、73年の野球映画『バング・ザ・ドラム』(の、端役)。
まだ売れる前のデ・ニーロが主演していました。

その後も『ゴッドファーザー PART II』(74)や『マッド・フィンガーズ』(78)、『アパッチ砦・ブロンクス』(81)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84)などなど、そのガタイのよさを売りに(^^;) 悪い感じの端役を怪演。

転機は85年。
ウディ・アレンの『カイロの紫のバラ』では失業中で妻に暴力まで振るうダメ亭主、『プロテクター』では成龍とタッグを組むことになる刑事を演じ、ギャング映画以外でもいけることを証明し役柄がグンと広がりました。

再びアレンと組んだ『ラジオ・デイズ』(87)、

80年代を代表するであろう『月の輝く夜に』(87)ではヒロインの婚約者を好演。


『乙女座殺人事件』(89)、

ピザ屋店長を演じた『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)はキャリア最高の演技と評価が高く、


以降も・・・

スリラー映画『ジェイコブス・ラダー』(90)では、天使なのか悪魔なのか神なのか分からぬ男を演じたり、


『ハドソン・ホーク』(91)では得意な歌を披露、
『奇跡が降る街』(91)、
ケネディを暗殺したと「される」オズワルドを銃撃したタイトルロールを演じる「主演」作『ジャック・ルビー』(92)、
『レオン』(94)、女装にチャレンジした『プレタポルテ』(94)、『訣別の街』(96)、『ディナーラッシュ』(2000)などなどなど、個人的に気になる作品に高頻度で顔を出すため、自分にとってのお気に入り俳優のひとりになったのでありました。

その後、しばらく映画のキャリアがあいたのはテレビドラマなどの出演が多かったからでしょうか・・・

2019年の12月12日、感染症のため86歳で鬼籍に入りました。

遺作は、その前年の『ハッピーシェフ! 恋するライバル』(2018)。


成龍の映画では失敗作とされている『プロテクター』も、アイエロさんの野卑な感じは素晴らしいんですよ。
観返してみようかな^^

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(166)ダニー・グローヴァー』
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令和版・海外俳優列伝(164)ダスティン・ホフマン(後)

2024-10-10 00:10:00 | コラム
ホフマンさん、第二夜です^^

若いころの反逆・反体制・カウンターカルチャーのイメージは、このひとがニューシネマの誕生と同時に俳優デビューしたからでしょう。

キャリア前半は、そんな映画史が色濃く反映されたものです。


自分の身体を売りにして大都会にやってきた主人公が、知り合ったラッツォ(ホフマン)とともに地獄めぐりをすることになる『真夜中のカーボーイ』(69)は、米国を象徴するカウボーイ・スタイルが男娼の小道具として機能するさまを捉えた残酷な青春映画。


監督は英国のジョン・シュレシンジャー、
現在公開中の『シビル・ウォー』がたいへん話題ですが、これもまた英国人が米国を捉えた作品で、こういうことってあると思うんですよね、つまり外側の人間だからこそ「見えてくる、なにか」というものが。

『ジョンとメリー』(69)、『小さな巨人』(70)。

サム・ペキンパーの『わらの犬』(70)は、「窮鼠猫を嚙む」を地で行く物語で、徹底的に虐げられた主人公が、最後の最後に逆襲し、自身の暴力性に気づいてしまい「帰り道が分からない」と呟いて幕を閉じる。


スティーブ・マックィーンと共演した脱獄物『パピヨン』(73)、
『レニー・ブルース』(74)、

ロバート・レッドフォードと共演、ウォーターゲート事件を暴いた新聞記者を演じる『大統領の陰謀』(76)、


ナチが絡む不気味なスリラー『マラソンマン』(76)は、再びシュレシンジャーと組んだ快作、
『ストレート・タイム』(78)に至るまで、70年代の出演作はどれも娯楽作として一級品ではあるものの、それ以上に作者の訴えたいものが上回っている気がするのですよね。

その、ちょうど境目に位置するのが『クレイマー、クレイマー』(79)でしょうか。

離婚問題と女性の社会進出が声高にではなく、スマートに描き出されていた佳作かと。



80年代以降は、舞台活動と並行していくため映画の空白期間が出来たりもしますが・・・

意外と女装が似合うコメディ、しかし最後は泣ける『トッツィー』(82)、
ウォーレン・ベイティ、イザベル・アジャーニと共演した『イシュタール』(87)、

そして『レインマン』(88)…トム・クルーズってすごいと思うんですよ、ホフマンにしろジャック・ニコルソンにしろポール・ニューマンにしろ、彼と共演することでかつての輝きを取り戻している感があるのですから!


ショーン・コネリー、マシュー・ブロデリックと泥棒一家を演じた『ファミリービジネス』(89)、
『ディック・トレイシー』(90)、『ビリー・バスゲイト』(91)、
スピルバーグの「超」問題作『フック』(91)、『靴をなくした天使』(92)、

ウィルスパニック物の佳作『アウトブレイク』(95)、


オールスター映画『スリーパーズ』(96)、『ウワサの真相』(97)・・・などなど(イシュタールはビミョーだけど)ハズレなしのキャリアを展開。


そのほかの出演作に・・・
『ニューオリンズ・トライアル』(2003)、『ネバーランド』(2004)、『パフューム ある人殺しの物語』(2006)、『主人公は僕だった』(2006)、
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(2014)、『疑惑のチャンピオン』(2015)、『マイヤーウィッツ家の人々』(2017)。


2012年―『カルテット! 人生のオペラハウス』で念願の監督デビューを果たす。



87歳になった現在は、さすがに露出は減少してますが、最後にもういっちょ、ほぼ引退状態のジーン・ハックマンと共演した作品とかに出てもらいたいものだけれど、どうかな^^

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令和版・海外俳優列伝(164)ダスティン・ホフマン(前)

2024-10-09 03:40:28 | コラム
37年8月8日生まれ・87歳。
アメリカ出身。

米国版「井上順」とも評されることの多いホフマンさん、あぁ納得、飄々としているからね。

※徹子さんとも仲良し


ただそれは中年以降のイメージであって、若いころは「かなり」尖ってました。
反逆的だったといってもいいくらいに。
・・・と「見てきたかのように」語ってますが、それはもちろん世代的にムリな話、自分の初ホフマンは『レインマン』(88)だからね。

尖ったころのエピソードは、そのあとに知ったこと。

せっかく前・後半に分けるのだから、最初にオスカーを取ったときのスピーチと、2度目のを比較してみます。

この2度目のショットに触れただけで、あぁだいぶ落ち着いたんだなぁと思うでしょ?



さて。
こちらが、最初にオスカーを取った(=クレイマー、クレイマー)ときのスピーチ。

要約と一緒にどうぞ!!

「とても複雑な気持ちです。僕はアカデミー協会を批判してきた。ある理由で」
「ジャック・レモンが負けたわけじゃない、ピーター・セラーズも負けてない。ロバート・デュバルが劣っていたわけじゃない。僕が受賞したのは、たまたまに過ぎない」
「俳優協会には沢山の俳優の卵が所属している。ほんの一握りの、運のよいものがスクリーンで活躍することになる。それでも夢を捨てられないものは、タクシー運転手で生活費を稼ぎながら、チャンスを掴むのをひたすら待つほかないんだ」

※なにを発言するのか不安そうな共演者メリル・ストリープ、
協会擁護派だったジャック・レモンがスピーチを聞いたあと、うれしそうに拍手するところにも注目。



グッとくるなぁ!

そして、こちらは2度目(=レインマン)のスピーチ。

ずっと穏やか。
ユーモアも多く、
入院中のお父様のことをメインに話しながらも、変わらぬところがひとつだけ。

候補者を気にかけ、彼らの名前全員を出しているのよね~^^



<経歴>

サンタモニカ市立大学に在学中、休んでばかりいたものの「演劇科は誰も落第しない」という噂を耳にして、演劇科を選択したのだとか?(^^;)

最初のキャリアは舞台から。
このころ、いまのことばでいうルームシェアで一緒に過ごしていたのがジーン・ハックマンでした。

その後、リー・ストラスバーグのアクターズ・スタジオで演技力向上に努め、67年の『The Tiger Makes Out』で映画俳優デビューを飾ります。

なんとなく(長い)下積みがあるようなイメージですが、そんなことはぜんぜんなく。
なんといっても同年『卒業』に出演し、青春スターの仲間入りを果たすわけですから!!




・・・あすへつづく^^

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印象悪いことばかりだぜ・゚・(ノД`)・゚

2024-10-08 00:10:00 | コラム
絶句。

展開が分かり易過ぎて、これが映画の脚本であったとしたら不評を買い採用なんかされないだろう。

ドーピング陽性により「いろいろ疑われていた」格闘家の木村"フィリップ"ミノル、大麻所持の疑いで逮捕される。

捕まったのが駅の改札付近であったことから目撃者がスマホを向け撮影、沢山の動画がネットに上げられていて眩暈がした。

きっと、なんらかの薬物を入れて「ハイ」にならないと、リングには立てないひとなのだろう。

・・・・・。

う~む。
優等生ばかりじゃつまらないというのは本音だが、それにしたって、格闘技界における印象の悪いニュースが多過ぎる。

いつもいってるじゃん、それでなくとも野蛮と誤解を受け易い競技なのだから、「素」の部分では「意外とマジメ」と思われないとダメなんだって。

・・・・・。

気持ちが沈むが、切り替えていくほかない。
来週あたまには2日連続でボクシング異例の7大タイトルマッチ(=13日…井上拓真VS堤聖也、寺地拳四朗VSクリストファー・ロサレス、ユーリ阿久井政悟VSタナンチャイ・チャルンパック、岩田翔吉VSハイロ・ノリエガ、14日…中谷潤人VSペッチ・ソー・チットパッタナ、田中恒成VSプメレレ・カフ、アンソニー・オラスクアガVSジョナサン・ゴンサレス、さらに天心の初タイトルマッチ)が開催、

そして。
現時点で無敗のMMAファイター、平良達郎による、


大事な大事な試合がおこなわれる。
(これ勝つと、タイトルが見えてくる!)


上に挙げたファイターは、まぁたまには煽り発言をすることもあるけれど、ダーティな印象はないよね。
拳四朗なんて強そうに「さえ」見えないし(でも強い!)、
前に天心のこと厨二病の傾向が強いといったが、その自信満々さはクスリへの依存を断つであろうから、そういう意味では歓迎。


もうこれ以上、格闘家の不祥事がネットニュースのトップに出ないことを切に願います。。。


※達郎とは、こんなひと。スマートな戦いかた!!


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The Crow

2024-10-07 00:22:15 | コラム
某日、早朝―。

・・・・・あれ?

いま、ベランダ付近を「黒いやつ」が飛んでいった気がするけれど?

気のせいかな、いつも飛ぶのは「白いやつ」つまり鳩だし。


・・・・・あれ?

また「黒いやつ」が横切った。
「白いやつ」にくらべ、身体も態度もデカい。

「白いやつ」は ♪ ウーウー・クルックー・ゴロッポ ♪ みたいな鳴きかただが、コイツは「カァー、カァー」と鳴く、、、というか軽く叫ぶ感じ。

えっ、カラスなの!?

窓を開けベランダに出て、隙間から空き家になっている隣室のベランダを覗く。

常連の鳩たちが一羽も居ない。
風に舞う、鳩の羽…その光景は、多分に死のにおいがした。

そうして理解する、あぁカラスが鳩たちを殺めたのだと。


こんな風にして、鳩被害(=沢山の羽がエアコン室外機のフィルターに張りつき、2~3日にいちどそれを取り除かないと効きが悪くなる)が収まった。

カラスは隣りのベランダに常駐しているわけでもないので、彼(彼女?)による被害は現時点では確認出来ない。

有難いといえば、まぁ有難い。
ちょっと怖い気もするが、とりあえず礼をいっておこうじゃないの、ありがとうカラスさん。


そもそもが?カラス好きの自分ではある。

鳩に比べて頭がよいし、黒々としたところもクールで格好いい。

生きるための必死さを帯びているところも好き。
悪いが、鳩にそれは感じないし(^^;)(^^;)(^^;)

とかいって、これで常駐するようになって、こっちになんらかの攻撃をするようになってきたら「カラス嫌い」が始まるのかもしれないが、生態的に根無し草っぽい感じはするし、まぁ大丈夫なんかな^^


※映画『クロウ/飛翔伝説』(94)…少しだけ早過ぎたダークファンタジーというか、これなかったら、ひょっとしたら『ダークナイト』(2008)は生まれなかったのかもね。

この予告編の冒頭でも煽っているとおり、どうしたって主演ブランドンの「父さんにつづく不審死」が売りになっているようなところはあるものの、映像と音の設計は美しいし、未だ根強いファンが居るのも分かる。


サントラも、そーとー格好いいし!


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明日のコラムは・・・

『印象悪いことばかりだぜ・゚・(ノД`)・゚』
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