この季節の夫の仕事のひとつは、庭のドイツトウヒの枝と赤い実のついたクリスマスホーリーの枝を切りとることです。けっこう大量にきりとって、ひとにあげたり、家に持ち帰ります。
いつも大きすぎて、私の手にあまるので、今年は小さ目にしてもらいました。
クリスマスホーリーの木は私の背丈より大きくなって、クリスマス前に真っ赤な実をたくさんつけます。
ただ残念ながら このクリスマスホーリーは本物でないというか、クリスマスカードに描かれている西洋ヒイラギではありません。いわゆるチャイニーズホーリー、和名ヒイラギモチです。初夏に小さな白い花が咲くそうです。学名 Ilex cornuta モチノキ科(Ilex モチノキ属)
本来のクリスマスホーリーはヨーロッパ原産のセイヨウヒイラギです。学名 Ilex aquifolium
ダーチャには日本のヒイラギもあります。垣根で満開です。愛らしい小さな花が集まって咲いていて、かぐと芳香がします。私はこの花が子供のころから好きでした。こんな寒いときに咲いているのを見るとなにか感じるものがありました。
ヒイラギの漢字は木へんに冬で、柊。冬の木、冬に花を咲かせる常緑の木の意味でしょうか。この漢字もいいなって思ってきました。
ヒイラギと聞いても、柊と書いても、白いいい匂いの花ではなくて、とげとげのある葉が浮かんできます。とげのある葉を節分に使うのはとげのある葉で鬼を脅すからでしょうね。
ところが、垣根で咲いているヒイラギを見て驚きました。葉にとげとげがない!
えーっ、なぜ? どうして? いつの間にとげがなくなったの?
ネットで「ヒイラギ、葉にとげがない」と検索してみました。そしたら、葉にとげがあるのは若木で、成木になると葉のとげがなくなってゆき、丸みのある葉になるとありました。
また柊の字は、うずく、ずきずきいたむ、の意味で、葉のとげに触ると痛いからとありました。ヒイラギは疼木とも書くそうです。冬の木、冬に花を咲かせるって意味ではないし、中国の「柊樹」からきたと分かりました。80歳にして今までいだいていたヒイラギのイメージはすっ飛びました。ああ、子供の時から節分に使ったり、真冬に咲かせる花の匂いをかいだり、身近な木だったのに、年をとるとヒイラギはとげをなくしてゆく、そのことを知りませんでした。
ご存知でしたか。
それに、日本のヒイラギは日本でクリスマスホーリーと呼ばれる西洋ヒイラギやチャイニーズヒイラギとは関係のない、モクセイ科モクセイ属なんだそうです。学名は Osmanthus heterophyllus (Osmanthus モクセイ属) 種小名のheterophyllus は「異なる葉」の意味で、「若い木にある棘状の葉の鋸歯が、老木になるとなくなる性質に由来する」そうです。
これからはヒイラギの木を見たら、若木か成木か、老木か分かりますね。
全然別の植物ですが、西洋ヒイラギもチャイニーズホーリーも年をとるととげをなくしてゆくのだそうです。これも不思議・・・・ なぜでしょうね。
お隣のIさんが今年も木戸に飾るクリスマスのリースを作ってくれました。