暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

去々来々来々去々

2020年12月18日 | 暁庵の裏千家茶道教室

    (春を待つ巣箱    2020年12月に設置)

 

暖かかった師走も半ばを過ぎ、大雪情報が冬将軍の到来を告げています。

片づけ物や大掃除、それから年始の準備にかからなくてはいけないのですが、今一つ気合が入らず、懐石道具や茶道具などの片づけを一日伸ばしにしています。

・・・というのも、ここ連日新型コロナウイルスの新規感染者数が更新中で、用事があっても東京や横浜へ出かける気になれないのです。

でも今日はお稽古があり、Iさんが午後にいらっしゃいます。SYさんもご一緒の筈でしたが、仕事関係でコロナウイルスの感染者が出たそうで、濃厚接触者とはならなかったものの大事をとってお休み中です。

12月16日付の感染者数は国内合計で2982人、都内最多の678人、神奈川県でも最多の287人でした。だんだんコロナウイルスの包囲網が狭まっているのでしょうか?

さて、気を取り直して掃除をし、床のお軸を変えました。

 

 

「去々来々来々去々」

この語句(禅語?)は、今日庵での朔日稽古の折に心花の間ではじめて出会いました(たしか大亀老師の御筆でした)。とても心惹かれて、その後、足立泰道師にお願いして書いていただいたお軸です。覚えているだけで、「秋待つ撫子の茶事」「クリスマスの茶事」など何度も掛けていますが、令和2年の年末に掛けたくなりました。

新型コロナウイルスに始まり、180度世の中が変わってしまった令和2年(2020年)がようやく去っていき、新たな年がやってきます。

どのような年になるのか、ワクチンは普及するのか、オリンピックは開催されるのか、庶民の暮らしは成り立つのか、お茶の未来はどうなるのか・・・・

「去々来々来々去々」・・・歳月も人も病もあらゆることが去ってはまた来る、来てはまた去って行く。

どんなことになろうとも淡々と受け入れて対処し、去って行くのをひたすら待つ・・・そんな覚悟が必要なのだよ・・・と言っているようでもあります。

 

床の花は蝋梅、とても好い薫りがします。まだ葉が黄ばんでいないのが瑞々しくってよろしいかしら・・・と活けてみました。花入は虎竹の二重切です。

今日の稽古科目はIさんが初炭と唐物、そのあとにS先生の東京教室でご指導をお願いしている台子の濃茶を稽古する予定です。

 

  (黒真塗の炉縁に「去々来々来々去々」を発見!)

 

さぁ~っ! 着物を着て、化粧をしましょう。稽古をがんばりましょう」と自分自身に気合を入れました。着物は紺系の結城紬(・・・だと思う)、帯は紅型の名古屋帯です。

Iさんがいらしたようです・・・

「先生、今日も宜しくお願いいたします」

「よくいらっしゃいました!」

・・・いつものように普通にお稽古できることが嬉しい年の暮れです。

 

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