「白雲抱幽石」・・・・大好きなお軸、明道和尚の御筆です
7月26日(月)から暁庵の裏千家茶道教室は夏休みに入りました。
その前に7月(文月)最後の稽古が2日続きました。
7月24日(土)午前にAさんが初炭(棚)と濃茶をお稽古しました。10月の初めての茶事に向けて、特に初炭手前を修練しなければ・・・と、一生懸命取り組んでいます。
(初炭手前のお稽古)
午後になってM氏が唐物と葉蓋で洗い茶巾、NYさんが台天目と茶箱・花のお稽古を、そしてAさんと4月に入門されたY氏が見学しました。
6月に「転勤族 水無月の茶事」をされたM氏の差し入れの濃茶(「芳香の昔」西条園詰)と薄茶(「青松の白」大正園詰)を皆で美味しく賞味しながらテンポよく稽古が進みました。
(台天目のお稽古)
7月25日(日)10時からY氏のお稽古です。
自転車で教室まで15分とのことで、颯爽と(汗だくで?)自転車に乗っていらっしゃいます。
Y氏は東京の某ホテルにお勤めで、とても素晴らしいホスピタリティを持っている方です。
前回、Y氏から秋に新しいレストランが開店予定で、その一角に茶房があり、立礼で薄茶を差し上げることを伺いました。
それでは、取り敢えず立礼のお稽古をしておきましょう・・・ということになり、点茶盤を御園棚に見立てて、薄茶の稽古をしました。
「薔薇の茶会」の時にY氏は御園棚の薄茶点前を稽古していましたので、点前の順番を確認しながら、所作で気になるところをご指導しました。
帛紗のさばき方、棗の拭き方、茶杓の拭き方、棗を拝見に出す時の帛紗の扱い方、引き柄杓など、基本を細かく見ていきます。
花は小鬼百合と秋海棠
(根津美術館へ行ったので青銅器のシャワーを浴び、「爵(しゃく)」(写)を使いました)
一休みの間に
「先生、実は茶房にはコンサルタントがいらっしゃるのですが、その方の言う茶房のコンセプトが全く理解できませんでした。お茶には緊張感が必要で、それを感じさせる茶房にしたいそうです。
お客さまには安らぎやくつろいでもらうことが重要と考えていたので、「緊張感」を与えるなんて・・・と。
でも、こちらに伺って少しずつですが、考えていることが分かるような気がしてきました」
「あらっ!それは光栄ですね。「緊張感のあるお茶」・・・私にはとても興味のあるテーマです。
コロナ禍でお茶事をする時、戦国時代の武将がどのような気持ちで茶室に入り、一服の茶を喫するのか・・・ということを時々考えさせられ、今まさに自分がその一人になったような感覚を持ったことがあります。(その感覚とは、死と隣り合わせの緊張感を覚えながら、それを突き抜けた清浄な安らぎの境地へ到達する・・・といったような不思議な感覚でした)
きっと、そのコンサルの方は、レストランのお客さま(多分、企業戦士の方々)を戦国時代の武将になぞらえて、戦場に赴く前のひと時の緊張と安らぎを茶房で体験していただきたい、そのような特別なおもてなしの出来る茶房にしたいと考えたのではないでしょうか?」
「先生、そうみたいなのですが、緊張感って、今までとは全く違うもてなし方なので戸惑っています・・・」
「お茶と緊張感」、難しいけれどとても重要なテーマで、私にとっても良い勉強になりそうです。
緊張しながらのお稽古が続きそうですが、一緒に頑張りましょうね。