暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

炭所望

2010年07月06日 | 稽古忘備録
その日は蒸し暑い日でしたが、着物で稽古へ出掛けました。
床のお軸は、「清流無間断」(せいりゅうかんだんなし)です。

ここのところ暑さで自宅での稽古が間断気味・・・と、
反省しながら準備をしました。
Kさんが炭所望(客)、貴人清次濃茶、貴人点を、
私は炭所望(亭主)、貴人清次薄茶、入子点を見て頂きました。

炭所望は、亭主が連客に所望して、客の一人が行うのですが、
趣向の一つとして私も茶事で時々いたします。
炉では初炭所望と後炭所望がありますが、
お客さまについで頂くのは風炉中が乱れない状態でしますので
風炉では初炭だけになります。

溜精棚に葡萄染付の水指と日の丸棗を荘りつけ、
釜敷を懐中して、一礼し蛍籠の炭斗を運び出しました。
羽根、香合、釜の蓋の順で手前を進め、
釜を釜敷に載せて畳中央まで引き、鐶を下座に置きました。
棚使用の初炭、炭所望、盆香合、後炭の場合は釜を引く位置は畳中央まで、
棚を使用しない初炭では畳中央を割って釜と鐶を置きます。

初掃きをして羽根を炭斗へ戻し、水屋へ下がります。
灰器を運び出し踏込み畳敷き合せへ置き、袱紗を捌いて灰器の右へ置き、
茶道口へ下がり、
「お申し合わせの上、どうぞお炭を」

Kさんが炭をつぎ、月型を切りました。
後掃きをして羽根を炭斗へ戻し、灰器を持って
踏込み畳敷き合せへ置き、袱紗を捌き直して置いて席へ戻ります。

「ありがとうございました」
一礼してすぐに出て、袱紗をつけ、灰器を水屋へ引きます。
風炉正面へ座り、風炉中を拝見すると、
「どうぞお直しのうえお香を」
「風情よくついで頂きまして有難うございます」

香を二片、胴炭と熱灰の上に置き、香合の蓋を閉めると
「お香合の拝見を」
受け礼して客付へ廻り、貴人畳の角へ出そうとすると、ご注意がありました。
「炭所望の場合、香合は客付きへだします」
(・・貴人畳の角へ出すのは棚を使用しない初炭の場合です)
香合をお出しし、鐶をかけ釜を最初の位置まで戻し、鐶を置くと
「風炉中の拝見を」と、先生(正客)から声がかかりました。

私(亭主)は受け礼して水屋へ下がり、
濡れ茶巾をのせた腰黒薬缶を前へ置き、茶道口で控えます。
正客は風炉中拝見し、帰りに香合を引いて席へ戻りました。

薬缶を持ち出し、釜へ水をついだ後に、ハプニングがありました。
いつものように釜の蓋をする時、
竹の蓋置がくっついているのに気がつかず、釜中にドボン!
「あらっ!どうしましょう!」

初めてのことであわててしまいました・・・。
Kさんが火箸を持ってきてくれて引き上げました。
「蓋置がくっつくのはよくある事なので、
 今のうちに経験できて良かったです・・・」
と、先生もなぐさめてくださって気を取り直し、
何とか手前を続けました。

・・・という訳で、その日は今ひとつ集中力に欠けていました。
帰りに寄った郵便局で財布まで置き忘れ、厄日でした・・・。

                            

     写真は、「箱根明神ヶ岳の小紫陽花」です。

箱根 明神ヶ岳 (2)

2010年07月03日 | ハイキング・ぶらり散歩
(つづき)
④ 頑張って登って、休んでまた登って
 「頂上はまだかしら?」
 と思う頃に視界が開け、ガレ場へ出ました。
 そのすぐ先が明神ヶ岳の頂上で到着は12時50分。
 9時45分頃から歩き始め、約3時間かかりました。

 山頂からは小田原市街、相模湾、箱根の神山、大涌谷、金時山が
 一望でき、運がよければ富士山も見えます。
 あいにく富士山は見えませんでしたが、雄大な景色を眺めながら
 お弁当を広げました。30分ほど休憩し、記念撮影をして出発です。

⑤⑥ 火打石岳へ向かう稜線の道は、前方に金時山を望む気持ちの良い道です。
 秋にはススキの銀の海がさぞや・・と思いながら下っていきました。
 ところが、火打石岳から矢倉沢峠までにアップダウンが続く難所でした。

 山頂下で出会った小田原市在住の60代の男性は
 「矢倉沢峠の道標に明神ヶ岳90分とあったので気楽に来てみたのですが、
  ここまで3時間かかりました。大変でした!」

 ・・そうなのです。
 Nさんが数えたところ、火打石岳から矢倉沢峠まで
 大小含めて八回のアップダウンがあるそうです。

 アップダウンが続き、笹藪で視界も悪く、いい加減嫌になったところで、
 やっと前方が開けました。
 金時山が目の前に見えると、まもなく矢倉沢峠です。
 
⑦ 峠から仙石原の金時山登山口までは下りで、もう一息です。
 途中の民宿に寄って温泉へ入り、汗を流して生き返りました。

               
                      

歩行中には1.5リットルの水分補給をしながら、
トイレへ行く必要も無いくらい大量の汗をかき、
身体の細胞中の水が全部入れ替わったような気分でした。

一番の収穫は、心配していた膝が大丈夫とわかったことです。
翌日、そのまた翌日も筋肉痛はほとんどなく、
これでお茶を続ける自信?がムクムクと湧いてきました。

爽快な汗をかき、山の気に触れるハイキングへ
懲りずに行きたいと思っています。
またどうぞ、お誘いください。

         (1)へ               時々 


  写真は、「明神ヶ岳山頂から神山、大涌谷方面を望む」
       「金時山を見ながら下山へ」 「山法師」

箱根 明神ヶ岳 (1)

2010年07月01日 | ハイキング・ぶらり散歩
今日7月1日は山開きです。
6月24日、梅雨の晴れ間に箱根明神ヶ岳へ登りました。

1月の「東海道を歩く」以来、お休みしていましたので
久し振りのNさん、Hさんとのハイキングです。
実は、少し前の茶事と茶会の後で左膝が痛かったこともあり、
「大丈夫かしら? お荷物にならないかしら?」
恐る恐る出かけました。

朝7時30分横浜駅集合、小田原へ向い、小田原から大雄山鉄道に
乗り換え、9時15分道了尊駅着。
さらにバスで道了尊(大雄山最乗寺)へ行き、
道了尊バス停留所へ着いたのは9時40分頃でしょうか。
そこから徒歩で明神ヶ岳(1169m)へ向いました。

Nさんから頂いたコーススケジュールは次の通りで
全行程(歩く時間だけ)5時間25分です。

道了尊バス停留所・・①(15分)・・最乗寺登山口・・②(60分)・・
見晴小屋・・③(30分)・・神明水・・④(60分)・・明神ヶ岳・・⑤(50分)・・
火打石岳・・⑥(60分)・・矢倉沢峠・・⑦(25分)・・金時登山口・・(15分)・・
仙石バス停留所

                

① 最乗寺登山口まで、大雄山の見事な杉林の中を歩き、 
 いよいよ明神ヶ岳登山道を登って行きました。

② 見晴小屋までは杉林の道を花を楽しみながらゆっくり行きました。
 かわいらしい下野草がたくさん咲いていて、茶花に生けるイメージを
 思い描いたり、小紫陽花の清楚な姿に見とれたり・・。
 ピンクと白のスイカズラの花が風で散って道しるべのようでした。
 あいにく風がなかったので、吹き出るような汗を拭きながら
 ひたすら登りました。

③ 見晴小屋を過ぎるとススキやカエデの木が目立つ草原へ出ました。
 秋に来たら銀の穂波と紅葉がさぞや美しいだろうと思う場所です。
 アザミ、下野草、キツネノボタン、岡トラノオが咲き乱れ、
 なだらかな道にホッとしながら進みました。

                

④ 途中に「神明水」という水場があり、冷たい水で顔を洗い、
 喉を潤し、生き返った心地です。
 水を1リットル用意しましたが、夏場は1.5リットル必要だそうで、
 とにかく物凄い汗の量なので、ここで水分補給をたっぷりしました。
 神明水を過ぎると急な道が続き、頂上までもうひと頑張りです。

 途中、暑さのせいか、少しふらふらしたので休憩し、Nさん持参の
 冷水タオルで元気を取り戻しました。


         (2)へ            時々 


   写真は、「下野草」 「大雄山杉林を行く」 「神明水」です。