暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

長屋門公園・雛の月茶会のお知らせ

2011年03月06日 | 茶事
3月13日(日)に横浜市長屋門公園(横浜市瀬谷区阿久和東)の囲炉裏ばたにて
ひな祭り茶会に続いて「雛の月茶会」があります。

長屋門公園は、阿久和川の源流近くにある緑地帯にあり、園内には
旧大岡家長屋門と旧安西家母屋(築200年)が保存されています。
日本古来の文化習俗が息づいている貴重な空間(ゾーン)です。

雛人形の展示期間は2月5日~3月31日で、
雛人形500体とつるし雛を楽しんでいただけます。

春うららのひとときをお雛さまとお茶をお楽しみください。
茶会は囲炉裏を囲んで、有志によるお点前にて薄茶をお点てします。
皆さまのお出ましを心よりお待ちしております。

   雛の月茶会  3月13日(日)
               午前 10時~11時30分   20名様
               午後 12時30分~14時   20名様
  
       茶券 500円(薄茶、菓子)  (子ども茶券 300円もあります)

  
   申し込み:当日長屋門へ直接お越しください。
          大勢さんの場合は出来ましたら予約をお願いします。  
          (長屋門公園の電話とFAX:045-364-7072)

   長屋門公園へのアクセス:
         ■相鉄線「三ツ境」駅下車 徒歩18分です。
          相鉄線横浜駅からは「海老名」方面行き《急行》電車で17~19分です。

         ■「三ツ境」駅からはバスも利用できます。
          「三ツ境」駅から「上阿久和(かみあくわ)」バス停まで約6分。
           バス停から長屋門公園まで徒歩5分です。

   詳しくは長屋門公園のHPをご覧ください。

PS) 茶会名称が「雛の月茶会」になりました。
    雛人形の展示が3月末までになりました。
 
                
                

                                  
   写真は上から、「囲炉裏と吊るし雛」
             「長屋門公園の母屋」
             「蔵ギャラリーのお雛さま」


瀬谷の吊るし雛と茶会 (2)

2011年03月04日 | 茶会・香席
             

待合の床に、和歌を掛け、豆雛を飾りました。
茶席の床は、能「隅田川」、野沢蓼州(りょうしゅう)の絵です。
床柱に春曙紅(しゅんしょっこう)を一輪、旅枕にいけました。

改めてご挨拶のあと、すぐに初炭です。
釜をあげると、丸ぎっちょが三つ人待ち顔に見えました。
今日は天気が良かったのですが、とても寒く、火がごちそうなのです。
準備のときは大きすぎるかしら? と思った胴炭がぴったりでした。

香炉を整えて折据を乗せて盆を持ち出し、
「どうぞ折据おまわしを」
役札を引いたSさんが香を焚き、私も相伴しました。
香はアブダビの香(NO.3)です。
ゆっくり三回聞きますが、三回は「過去、現在、未来」を聞くそうで
初めてNさんから伺いました。

ほのかな香を聞いていると、松風が聞こえてきました。
こころなしか、お囃子のように聞こえたのは
先ほどの瀬谷の吊るし雛で出会った五人囃子のせいでしょうか、
それとも能「隅田川」の囃子でしょうか。
ゆったりとした時間が流れていきます。

             

             

主菓子「香りたつ」(寿々木製)を賞味して頂き、濃茶をお点てしました。
濃茶は伊藤園の万歴の昔です。

つづき薄茶で最初は梅、替えは桜の茶碗でお点てしました。
お正客役のNさんの心遣いで、自服をさせて頂きました。
水一杓を忘れたことにあとで気がついたり、いろいろと所作が
身についていないことがわかり、好い経験でした。

反省としては、座布団や閑座をおすすめすれば良かった・・のですが、
肝心の干菓子をお出しするのを忘れたほどですからご勘弁ください。
干菓子は、「福来」(鶴屋吉信)と最近お気に入りの「侘び箪笥」(金沢・諸江屋)です。

薄茶になると、いろいろな話が飛び交いました。
「能は好きですが奥が深く眠くなって・・・」とお話しすると、
私も・・と声が続きます。
「能は、眠くなるくらいが好い能という話を聞きました。
 あの世とこの世の境を行き交う能は眠くなって夢うつつの状態が佳境だと・・・」
というMさんのお話は興味深いものでした。

話は尽きませんが、名残り惜しく茶飲み会をお開きとしました。
・・・とっても楽しかったです!
またのお越しをお待ちしております。

     瀬谷の吊るし雛と茶会(1)へ 
                           その日は、 のち 

     写真は、「川口邸・雛段の茶道具」
           「我が家の豆雛)
           「三人官女と五人囃子  長屋門公園」
           「香りたつ」 (寿々木製)


瀬谷の吊るし雛と茶会 (1)

2011年03月03日 | 茶会・香席
3月3日はひなまつり。
1月末にブログでご案内した「瀬谷の吊るし雛と茶会」の日です
埼玉県からお二人、東京からお一人、横浜市お一人、四名さまの参加で
遠くからのお出ましが嬉しかったです。

10時半過ぎに、最初の見学先の川口邸(横浜市瀬谷区竹村町)へ着きました。
川口邸は期間を限定して自宅開放してくださって、吊るし雛を見学することができます。
今年は3月3日~5日の三日間です。

初日のせいか、お客さんはぽつぽつで、ゆっくり鑑賞することができました。
毎年一つずつ作り続けたという吊るし雛。
最初の数年の作品はシンプルです。

「こんなのから作り始めたんですよ。
 これが昨年作ったさるぼぼの吊るし雛です。
 さるぼぼに始まり、さるぼぼに終わる・・・と作ったのです」
ご自分の歴史を思い出すかのように説明してくださる御当主は
「楽しみにしているので続けてほしい・・という声に後押しされてやっています」

                
                

昨年は味噌蔵を改造した茶蔵庵(さくらあん)で薄茶を頂いたのですが、
今年は5日(土)に茶会があるそうです。
思いがけなくご当主の案内でもう一つの茶室・雲夢庵(うんもあん)の見学が叶いました。
五人のうち、三人が着物だったせいでしょうね。

「雲夢庵」の扁額は、紫野大亀とありました。
三畳台目の茶室へ入り、点前座、炉、水屋も拝見させて頂きました。
床は松の一枚板、点前座の中柱は百日紅、他にも銘木と思われる木が
ふんだんに使われています。
昨日、客があって使用したばかりと伺って、良かった・・・。
これだけの茶室が使われないのは残念!・・と思っていたので。

川口邸から徒歩3分の石井邸(瀬谷区中屋敷)へ寄り、車で長屋門公園へ向かいました。
それぞれ展示の仕方や雰囲気が違うので、欲張って三か所をご案内しました。
蔵の中のお雛さまや吊るし雛を見学し、長屋門名物の甘酒を飲んだりしていると、
早や12時をかなり回っていました。

近くのレストランで昼食をとりましたが、待っている間に自己紹介や茶談義が始まり、
一気にお互いの距離がぐんと近づいたような気がしました。

それから我が家へご案内し、茶会(茶飲み会)です。

              瀬谷の吊るし雛と茶会(2)へつづく