横浜市のJR関内駅近くにオープンした“地ビール”を売り物したビアパブです。ビアパブの席から、小規模ビール醸造所(マイクロブルワリー)の地ビール醸造設備が見える点が特徴です。
このビアパブで飲むことができる地ビールは、自分の醸造設備でつくったものと、他の小規模ビール醸造所の地ビールの両方です。一定量を仕込んで発酵させているために、仕込み時間がかかるために、品切れの自家製地ビールもでます。このため、ビールのメニューは毎日変わります。出された地ビールを飲むのに忙しく、その写真を撮るのを忘れました。
地ビール醸造設備は、糖化を行う「仕込釜」、麦汁にホップを加える「煮沸釜」、麦汁に無菌の酸素と、ビール酵母を加えて発酵させる「発酵タンク」などで構成されています。


ここのオーナーでもあるビール職人の方は、以前は、横浜市の“老舗”地ビール会社でビールづくりの腕を磨き、今回自分の地ビールをつくるために、独立されたそうです。地ビール醸造設備も個人にとってはかなりの初期投資額になります。ビール醸造設備を工夫して、開業にこぎ着けたようです。
自分の手で、自分の小規模ビール醸造所を開業することは、起業家でないとできません。若者が自分の手で新規事業を始めることが、今の閉塞感漂う日本にとっては重要なことです。日本でのビール醸造量の規制緩和が平成6年(1994年)にあり、ビール製造免許取得の最低限度数量が1年間当たり2000キロリットルから60キロリットルになって、小規模ビール醸造所が起業されたようです。
横浜市は国産ビールの発祥の地の一つだそうです。実はビールの発祥の地はいくつかあります。横浜は「徳川時代の末期に、横浜で外国人がビールをつくった地」のようです。その後、日本人の手では大阪でビール醸造が始まり、ビール事業としては札幌が発祥の地のようです。こうした背景がある横浜市では、地ビールをつくる小規模ビール醸造所が多くあるようです。
JR関内駅から北側の海岸寄りにある、横浜市中区日本大通に面した神奈川県庁本庁舎は、横浜市の3塔として、「キング」の愛称で親しまれています。

神奈川県庁本庁舎の近くのイチョウ並木は新芽が出て新緑がきれいになっていました。明治維新後に、横浜市は新産業興しの中心地の一つになりました。明治時代の起業家精神は、現在、どう継承されているのか考えています。