中国観光客の「爆買い」を考えると:
ここ数日間はテレビ各局は躍起になって中国からの買い出し旅行団(観光客と言ってはいるようだが)の特集を採り上げている。彼等は実質的な買い出し旅行を「爆買い」と表現しても、先ず批判的な報道の仕方はしない。寧ろ、低迷する我が国の第・小・中の小売業の救いの神の如くに捉えた報道姿勢を採り続けざるを得ないのだろう。その背景も気持ちも解るがね。
一説によれば、昨年の中国人の買い出し額は2兆円を超え、1人平均のお買い上げ高は25万円に達したとあった。今や小売業界にとっては国内の個人諸費が低迷する時期にあっては、欠くべからざる存在だと礼賛している。報道姿勢には「有難味」のみが一方的に強調され、コインの裏側を採り上げたマスコミは一社すらないのが不思議のようであるし、当然のようでもある。
しかし、今週辺りから彼等の報道姿勢には幾らかの変化の兆しが見え始めてきた。即ち、個人で同一の家電製品を複数買い漁っているお客様に問い掛けて「土産にする」とか「頼まれたので」等と言わせるようになった。マスコミの連中だって個人で温水便座を2個も3個も買えば「何かがあるだろう」と思うのは当たり前ではないのか。
私は世界屈指の駆け引き上手の中国人の商売人が、単に知り合いに依頼されたからというだけで、わざわざ日本まで来て重くて高額で信頼度の高い高品質の家電製品を手数料も取らずに国に持って帰るとは考えられないのだ。私はもっと素直に転売目的だってあり得るのではないかとすら考えたのだが、如何なものだろう。
そこで私は中国人の平均的な収入は何処まで上がってきたかも検索してみた。当たり障りのない数字は月収¥25,000で年収にすれば¥300,000見当だ。この収入で我が国まで来て25万円も買っていくためには余程の蓄えがなければなるまいと思う。彼等の貯蓄性向は短期間にかなり上がってきたいのかと思わせられたが・・・・。
また、テレビの報道で私が見た限りではバスで大挙して銀座や秋葉原に押しかけてくる観光客は、どうしても「富裕層」には見えず、ごく普通の一般人ばかりなのだ。嘗て90年代末に上海の高級ホテルのバーで悠々と寛いでいた富裕層(だったのだろう)はあのような雑な服装(なり)をしていなかった。報道する側はこれくらいの背景を承知しているはずだと思う。それを知らぬ顔で「爆買い」と騒ぎ立てる狙いは何なのか。
直ぐに裏側を見たがる私は、中国の観光客の爆買いの決済が現金かかの「銀聯カード」(Union Pay)か気懸かりだ。テレビではそこまでは詳しく映さないので実態は解らない。私が知る限りでは銀聯カードはそもそも「デビットカード」であって、クレディットカードではなかったはずだ。だが、そこはそれ中国のことで、既にクレディットカードのように使われ始めていると風の便りに聞いている。
何が言いたいのかといえば「カードの決済で何らかの問題が生じていなかったのか」という辺りだ。このような点には一切報道がないし、また採り上げにくいのだろう。年収30万円の人が何年か貯蓄をして海外旅行に出掛け、しかも年収とほぼ同額の買い物するというのはかなり準備期間と、それ相応の覚悟を要するのではないかと思う。
世界第二の経済大国にのし上がった中国では一般人にそこまでの余裕が生じてくるほど発展を遂げたろうか。私はそこまで掘り下げた報道姿勢が欲しいのだ。かく申す私は、1970年から海外に出張と個人の旅行で80~90回は出掛けてきた。だが、一度として25万円も買い物に出費した経験はない。中国と我が国との生活水準と経済発展の違いがあったとしても、考えたこともない金額だ。
コインの裏側をもう一つ探ってみよう。テレビ局は観光客の中に香港や台湾からの人たちもいるので一視同仁に扱っている。だが、私はこれは誤った姿勢であり、特に台湾と中国は別けておくべきだと思う。更に言えば、彼等の中には我が国の不動産(物件という言葉もあった)を物色しているお金持ちがいると得々として報じていた。これは危険な兆候であり、何らかの警告的な解説があって然るべきだと思う。カタカナ語でいえば「ミスリーディング」になりかねないと危惧する。
結論めいたことを最後に言えば「中国等の観光客の出費に依存せねばならないような景気の状態に持っていったのは誰の責任か」と問いたいのだ。私は政治を責めるのは正当(フェアー)ではないと信じている。反省すべきは経済界であり、何ら景気改善というか自社の経営改善に持って行けず、総理に言われなければ昇給にも踏み切れなかった経営者の方々に反省を求めたいのだ。
ここ数日間はテレビ各局は躍起になって中国からの買い出し旅行団(観光客と言ってはいるようだが)の特集を採り上げている。彼等は実質的な買い出し旅行を「爆買い」と表現しても、先ず批判的な報道の仕方はしない。寧ろ、低迷する我が国の第・小・中の小売業の救いの神の如くに捉えた報道姿勢を採り続けざるを得ないのだろう。その背景も気持ちも解るがね。
一説によれば、昨年の中国人の買い出し額は2兆円を超え、1人平均のお買い上げ高は25万円に達したとあった。今や小売業界にとっては国内の個人諸費が低迷する時期にあっては、欠くべからざる存在だと礼賛している。報道姿勢には「有難味」のみが一方的に強調され、コインの裏側を採り上げたマスコミは一社すらないのが不思議のようであるし、当然のようでもある。
しかし、今週辺りから彼等の報道姿勢には幾らかの変化の兆しが見え始めてきた。即ち、個人で同一の家電製品を複数買い漁っているお客様に問い掛けて「土産にする」とか「頼まれたので」等と言わせるようになった。マスコミの連中だって個人で温水便座を2個も3個も買えば「何かがあるだろう」と思うのは当たり前ではないのか。
私は世界屈指の駆け引き上手の中国人の商売人が、単に知り合いに依頼されたからというだけで、わざわざ日本まで来て重くて高額で信頼度の高い高品質の家電製品を手数料も取らずに国に持って帰るとは考えられないのだ。私はもっと素直に転売目的だってあり得るのではないかとすら考えたのだが、如何なものだろう。
そこで私は中国人の平均的な収入は何処まで上がってきたかも検索してみた。当たり障りのない数字は月収¥25,000で年収にすれば¥300,000見当だ。この収入で我が国まで来て25万円も買っていくためには余程の蓄えがなければなるまいと思う。彼等の貯蓄性向は短期間にかなり上がってきたいのかと思わせられたが・・・・。
また、テレビの報道で私が見た限りではバスで大挙して銀座や秋葉原に押しかけてくる観光客は、どうしても「富裕層」には見えず、ごく普通の一般人ばかりなのだ。嘗て90年代末に上海の高級ホテルのバーで悠々と寛いでいた富裕層(だったのだろう)はあのような雑な服装(なり)をしていなかった。報道する側はこれくらいの背景を承知しているはずだと思う。それを知らぬ顔で「爆買い」と騒ぎ立てる狙いは何なのか。
直ぐに裏側を見たがる私は、中国の観光客の爆買いの決済が現金かかの「銀聯カード」(Union Pay)か気懸かりだ。テレビではそこまでは詳しく映さないので実態は解らない。私が知る限りでは銀聯カードはそもそも「デビットカード」であって、クレディットカードではなかったはずだ。だが、そこはそれ中国のことで、既にクレディットカードのように使われ始めていると風の便りに聞いている。
何が言いたいのかといえば「カードの決済で何らかの問題が生じていなかったのか」という辺りだ。このような点には一切報道がないし、また採り上げにくいのだろう。年収30万円の人が何年か貯蓄をして海外旅行に出掛け、しかも年収とほぼ同額の買い物するというのはかなり準備期間と、それ相応の覚悟を要するのではないかと思う。
世界第二の経済大国にのし上がった中国では一般人にそこまでの余裕が生じてくるほど発展を遂げたろうか。私はそこまで掘り下げた報道姿勢が欲しいのだ。かく申す私は、1970年から海外に出張と個人の旅行で80~90回は出掛けてきた。だが、一度として25万円も買い物に出費した経験はない。中国と我が国との生活水準と経済発展の違いがあったとしても、考えたこともない金額だ。
コインの裏側をもう一つ探ってみよう。テレビ局は観光客の中に香港や台湾からの人たちもいるので一視同仁に扱っている。だが、私はこれは誤った姿勢であり、特に台湾と中国は別けておくべきだと思う。更に言えば、彼等の中には我が国の不動産(物件という言葉もあった)を物色しているお金持ちがいると得々として報じていた。これは危険な兆候であり、何らかの警告的な解説があって然るべきだと思う。カタカナ語でいえば「ミスリーディング」になりかねないと危惧する。
結論めいたことを最後に言えば「中国等の観光客の出費に依存せねばならないような景気の状態に持っていったのは誰の責任か」と問いたいのだ。私は政治を責めるのは正当(フェアー)ではないと信じている。反省すべきは経済界であり、何ら景気改善というか自社の経営改善に持って行けず、総理に言われなければ昇給にも踏み切れなかった経営者の方々に反省を求めたいのだ。