偶にはJリーグのサッカーを:
昨8日は真冬のような寒さに加えて小雨模様で夜になれば関東南部でも雪がという状態で、寒暖差の悪影響が怖いので静かに家に籠っていた。午後になってJリーグの試合で、2部から上がってきた岡山ファジアーノと、初戦から4試合勝ちがなかった浦和レッズの試合の中継があると知って、岡山を見ようとNHKにチャンネルを合わせた。
J1とJ2の格差:
Jリーグのサッカーは暫く見ていなかった。サッカー出身者としては不届きなことだと反省はしているが、古き良き時代の蹴球の選手だった私には、あのサポーターに埋め尽くされたスタンドでの応援の様子をテレビ観戦するだけで疲れてしまうので、Jリーグの技術水準が上がっていると承知していても、ついつい敬遠していたのだ。
それだけではなく、選手たちがNPBとは異なって頻繁に移籍するし、一寸優れた者はアッサリとヨーロッパに出ていくので、選手たちの顔と名前が一致しないだけではなく、経歴や評判にも縁遠くなっているという理由もある。
所で、岡山対浦和の試合である。試合開始後5分も経っていなかった時点で技術水準は措くとしても、岡山と浦和の間にはかなりの力の差があるのが歴然としているのが解った。この点はこれまでにもJ2、即ち2部から上がってきたティームに見られたことで珍しい問題ではないと思う。表現を変えれば、J1の水準がそれほど上がってきたのだろうと思っている。
岡山は解説者の早野氏が指摘したように「ロングボール」を使って攻め込むのだが、その単調さを浦和のディフェンス陣に読み切られて殆ど形を作れずに終わったと見ていた。浦和も私たちの時代には「乱暴すぎる」と判定された激しすぎる当たりが多かったのは「2部上がりの格下に負けてたまるか」という意識が過剰だったかも知れないが「あそこまでやるのか」とも感じて見ていた。
オフサイドの考察:
結果としては後半に岡山のディフェンスが浅すぎると私には見えた欠陥を、チアゴサンタナに衝かれて失点して勝負あったとなった。チアゴサンタナは前半にも得点していたが、VARに微妙なオフサイドの判定で取り消されていた。長年蹴球からサッカーをやってきた者としては、現在の「オフサイド」の判断というか判定の仕方には「如何なものかな」という思いを禁じ得ない。
私はそもそも「オフサイド」とは「攻撃側の選手が一人だけ相手の最終の守り手よりも、相手ゴールに近いところに入り込んで、容易く得点しようとすることができないように設けられた反則だ」と教えられてきていた。それが今では「オフサイド・トラップ」などという守り方もあれば、VARで攻撃側の選手の爪先が最終のディフェンスラインよりも1mmでも前に出ていたと判定されれば、反則になる時代なのだ。
AIの時代:
戦前からの蹴球の選手としては、ITC化とディジタル化の進歩と発展が極限に近づきつつあるのかという時代の流れに沿った判定かとは思うが、何となく虚しいものを感じてしまうのだ。いや,ハッキリ言えば「サッカー観戦の感興が削がれる気がしてならない」のである。人が機械に支配される時代になったのかと言い換えても良いかもしれない。
野球でもMLBではストライク・ボールに判定を機械化する試みが、シーズン開始前の試合に適用されているようなのだ。かく申す私でさえもChatGPTに依存しようかという時代である。スポーツの判定が何処までディジタル化(AI依存)が進むのか、考えるだけでも恐ろしくなる。その面では古き良き時代の儘に、検査役が行司の判定に「物言い」をつける相撲が今日から始まる。