新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

内憂外憂を考える

2025-03-02 11:10:58 | コラム
内憂外患を語るのではない:

*高額療養費の問題:
石破総理の「調整しない」という国会答弁は、基礎疾患を抱えている超後期高齢者としては聞き捨てならなかった。人口の30%もが65歳以上となった現在では、医療費の増加は防ぎようがないだろう。だからと言って、病気にかかる者が悪いから割り増しを取ろうという財務省の発想は、無慈悲に過ぎると思う。高価な新薬を使って治療せねばならないガン等の患者の方々のご苦労と心中は慮らなかったようだ。

かく申す私も92歳にして慢性心不全と前立腺がんの患者で、定期的な検査と治療を欠かすことができない。自己負担を割り増そうという発想をした官僚と政治家は「未だ、高齢ともなれば生命が危機に瀕するような色々な病にかかるものである」という経験がない年齢層に属しているのだから、無理解なことを安易に決められるのではないか。

だから、容易にというか、当然のように「自己負担せよ」と言うのだろうと思う。「そのお考えは、安易すぎませんか。国家の財政の為には国民が病に苦しむことは構わないとお考えですか」とぶつけてみたい。これは内憂の問題である。

*高校の無償化:
石破総理は自公維の間で滑らかに協定ができて「思ったより上手く行った」と予算成立の見通しが立ったと喜んでおられると報じられている。我が家には高校に在学中や進学を控えている親族がいないので、何ら直接の恩恵はない。だが、義務教育である小学校と中学校が無償化されていないのはおかしいという指摘があった。「なるほど。そうだな」と受け止めた。疑問に思う、内憂の部類に入れたくなる石破政治と政策。

*政治資金収支報告書不記載問題:
安倍派の会計責任者の松本氏だけが執行猶予付きとはいえ有罪となっても、安倍派の幹部はお咎め無しというのはおかしいとの声は前からあった。そこで、予算委員会は異例と報じられた多数決で松本氏の証人喚問を決めた。何とか非公開の証言は取れた。現在は議員ではない幹部がキックバックを支持したとあったが、お二方は否定された。

私には全く良く解らないと言うか、不可解な現象だなと思う事がある。それは「何方かが潔く『私が言いました』と名乗り出た場合に如何なる処罰が課されるのか、刑事罰が待っているのか、政治家として末代までの大恥辱か不名誉になること等々を熟慮して、回避したいのか」という点なのだ。

自民党か安倍派の政治家の中には「党の為にも、お国の為にも、自分が泥を被ってでも、この問題に終止符を打とう」という人がないようだ。何時まで経ってもスッキリ解決できないとは、内憂ではないのかと思うのは誤りか。

*外憂:
トランプ大統領とゼレンスキー大統領との首脳会談が決裂した。非常に大きな問題であることは間違いないだろうと思っているが、現時点ではヨーロッパ(EU)、UK、アメリカ、ロシアとその友好国の間で、一触即発というような最悪の事態には立ち至る気配はない模様だ。誤った認識かもしれないが、未だ我が国にとって直ちに当事者としての対応が迫られている外患にはなっていないと看做している。

私の勝手な想像では、「トランプ大統領はゼレンスキー大統領がトランプ政権の閣僚のように大統領に忠誠を誓って、鉱物資源供給契約に直ちに署名したら、ウクライナの安全を保障するとのdealを予定しておられたのではなかろうか」だった。

藪中元駐アメリカ大使は「トランプ氏を怒らせてはならない」のにも拘わらず、そうなるような話をしたことと、「ゼレンスキー大統領が通訳を使わずに自分から英語で話したので、激論になることを止めようがなかったのでは」と指摘された。

今後、この両国の首脳会談の決裂の問題と、そこから派生するかもしれない国際情勢の緊張化は、想像するだけでも大変なことではとの感がある。


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