新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

ST教授と懇談した

2025-03-07 07:03:46 | コラム
トランプ論に最も時間を費やした:

昨6日のST教授との会談では、トランプ大統領の言動の考察から始まった。私は某氏の「あの目付きには尋常ならざる気配を感じる」を紹介したが、あのトランプ大統領の何ものをも恐れない発言については、産経新聞が“sane washing”を引用して評していた。

これはEcoNetworksによれば「メディア批評家のパーカー・モロイ氏が今年9月にニューリパブリック誌の記事で使った言葉です。ジャーナリストには、トランプ氏の粗暴で筋の通らない発言を、典型的な政治家による適切な発言であるかのように整える傾向が見られるとして、その行為をsane washing(正気のように見せかける行為)と表現しました」と解説されていた。
教授と意見が一致した点はと言えば、先ずは私が一期目から疑っていた「トランプ氏はもしかして何もかも承知の上で、全てのことに無知を装っていて、その得意とする交渉を有利に運ぶtoolとしてのdealを有効に活用する為に、民主党の議員が掲げたプラカードにあったような“false”か”nonsense“であり、間違ったことを言っているのではないか」だった。

だが、ST教授は2000年代初期にイリノイ大学のクリスチャンズ教授のメデイア倫理学研究室にフェローとして在籍しておられたころに、プロレスの興行師だったトランプを度々テレビで見ておられたので、「何でも承知かと疑ってはいるが、あの経歴では先ず知っているとは思えないのだ。だが、どうしても何もかも承知の上ではないかとの疑問が残る」と指摘。

次なる一致点は「トランプ大統領には非常に優れた複数のchief of staff(幕僚長)がついていて、その者がwire puller(黒幕という訳もあるが、ビジネスマンたちの間では「人形遣い」即ち、陰で糸引く者として使われていた)として操っているのではなかろうか」だった。

教授はアメリカの上院にも勤務された経験がある早稲田大学のMN教授は知り合いだそうだが、さらなる一致点は「テレビがアメリカとその政界の消息通として重用するMM教授、KM前嶋教授、TK教授などは、確かに状況に精通しておられることは解るが、現地におられるのではなく豊富な情報源を有効活用しておられて、独特の解説をしておられるようなので、やや物足りなさを感じる」だった。

教授と共にテレビ局にも新聞にも求めたい事は「日ごろからアメリカで政財官界を支配しているような人たちと接触して、彼らの意見を取材する体制を整えておき、『トランプとその政治とは』を報じてもらいたい」いう点だった。私の親友・YM氏がビジネススクールにいたころは、一流の私立大学の経済学部教授たちの意見/見解が聞けたのだったが、上記の教授たちは主としてsecond hand informationを語っておられるのではないないかという感があるのが残念だ。

マスコミの駐在員や国内にいるジャーナリストたちに望むことは、アメリカの支配階層の人たちに積極的にというか密接に交流して彼らのトランプ政権についての見方等の情報を取って伝えて欲しいという事。即ち、私が在職中に話が聞ける機会があった大手メーカーのCEOや、経営陣の幹部たちのビジネスの世界の人たちの見解も聞きたいのである。同時に、トランプ大統領の岩盤の支持層である労働組合員やプーアホワイトのような下層にも取材して、彼らの評価も伝えてほしいと思うのだ。

このような「トランプ大統領のアメリカ」について語り合うことに最も時間をかけたが、「我が国の英語の教育の問題点」等も話題に上った。だが、昨日は教授の次の予定の時間が迫ってきたので、他の話題は次回に譲ることにして散会した。


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