脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 (幻冬舎新書) | |
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幻冬舎 |
この両者 ー人生の目的のために真摯に努力することと、快楽に我を忘れることー には、同じ脳内物質が関わっているのです。4
ドーパミン:
私たちの脳が快楽を感じる直接の源になっている物質が、俗に快楽物質と呼ばれるドーパミンです。
次のようなとき、人の脳の中にはドーパミンが分泌されていることがわかっています。
・楽しいことをしているとき
・目的を達成したとき
・新しい行動を始めようとする時
・好奇心が働いているとき
・恋愛感情やトキメキを感じているとき
・セックスで興奮しているとき
・美味しいものを食べているとき
⇒ドーパミンと受容体
ドーパミンの受容体が減少することで起こると考えられていることとして、
快感感を得ようとして、飲酒の量や頻度が増えていきます。
アルコールだけでなく、ニコチン(タバコ)、コカイン、覚せい剤、過食症などでも同じことが起こります。46
ランナーズハイという現象:
その人の限界に近いペースで走り続けると訪れる。
ワンナーズハイはオピオイドによる現象。
限界に近い運動を続けるのは苦痛です。脳はこの苦痛を和らげるためにオピオイドを分泌し、その鎮痛作用を利用するのですが、その時に同時に幸福感や爽快感が訪れるようです。
このとき利用されるオピオイドがβエンドルフィンだとされています。39
◉患者数の最も多い病気、依存症
本来の設計とは違う方法で「ご褒美」を得ようとする病気、「依存症」です。42
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★依存症には3種類ある 49
①物質への依存 ニコチン、アルコール、薬物、食べ物など
②プロセスへの依存 ギャンブル、インターネット、セックス、買い物、仕事など
③人間関係への依存 恋愛、カルト宗教、DV、虐待など
※セックスがプロセスの依存に当たるのに対して、恋愛は人間関係への依存である。
⇒
考察:
例えば、同じ依存症的要素を高めたいなら、例えば、もっと買い物をしてほしい、もっと仕事をしてほしいということであるならば、
同じプロセスへの依存で成功している他の依存的要素への依存の過程を参考にすればいいということであろう。
<オンラインゲーム=ソーシャルゲームの依存性について>
★キーワードは達成感を刺激する仕組み★
オンラインゲームには既存のゲームに加えて社会的な要素が加わる。
・エンディングがなく延々と新機能がもり続けられる。
・端末と回線があればいつでもどこでも接続可能。
・やればやるほど時間当りの利用料が安く感じられる。
・珍しアイテムを入手した時の脳内快楽と余韻
・知り合うキャラクターとの会話が楽しい
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<同じ報酬を受け取るのでも、ゲームに内蔵されたプログラムに褒められるよりは、生身の参加者からの賞賛のほうが、より大きな社会的報酬となる>
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既存のゲームは、ゲームが進むと
「難易度が上がり、攻略本を参考にしたり、隠しアイテムを探したり、裏側の画面に進んだりという発想の転換も必要になってきます。そして最終面でいわゆるラスボスを倒した時、ゲームはあなたに勇ましい音楽と美しい画面で最大限の賞賛を与えてくれます。他のゲームではあこれに同行者との友情や謎解きのスリルなど様々な要素が加わっていますが、基本はいかにしてプレイヤーに達成感を持たせるかということを目的として設計されています115」
<ギャンブルの依存性に付いて>
ビギナーズラックとかではなく、動物は元々ギャンブルが好きなのではないかという考え
=スキナーの箱
有名な鳩の実験で、
Aの箱:スイッチを押すと必ず餌が出る
Bの箱:スイッチを押すと時々餌が出る
この2つの箱を服す用意し、鳩を入れて一定期間放置して学習させた後、A、Bともに一切餌が出ないようにすると、
Aの箱で学習した鳩は2、3回スイッチを押して餌が出てこなくなると諦めたのに対し、
Bの箱で学習した鳩は、一日中スイッチを押し続けた。
⇒餌が出たり出なかったりするスリルが鳩に何度もスイッチを押させる動機になった。