異業種競争戦略内田 和成日本経済新聞出版社このアイテムの詳細を見る |
非常に面白い分析。日経新聞12月10日「経済教室」より。
<不況長期化の中での企業経営
業界の地殻変動 見逃すな>
記事内では、
((ポイント))
●価値連鎖を超越、事業連鎖で業界見据えよ
●市場のシフトにらんだ需要動向の観察を
●隣接領域が新たな成長領域を生む可能性
とされているが、幸い著者の内田氏のブログがあり、そこでのサマリーとしては、
[事業連鎖は異業種競争戦略の中で提唱している新しいコンセプトですが、これによりピンチだけでなく、どこにチャンスがあるかを見いだすことが可能になるという主張です。
下手をすると、市場が縮小していると考えて、すぐコストダウンやリストラに走る企業が多い中で、市場は縮小しているのではなくシフトしているのだと捉えるべきであり、それで初めてチャンスが生まれるというのが根底にあります。
マイケル・ポーターの5フォース分析はここでは通用しないみたいなことまで言ってしまっているので、反響があるのではと楽しみにしています。]
とのことです。
「事業連鎖」概念の説明としては、
[自社の事業活動を分解して捉えるバリューチェーン(価値連鎖)を、自分の業界を越えてより大きく捉える考えかた]
であり、これまでのポーターのファイブフォースでは、企業の外で起きた自称を見逃しているという点で問題を含むという。
下記音楽業界での事例からするとその業界の中で、商品を起点にナンバーワンを目指そうという視点では、もはや生き残れない。
必要なのは、下記アップルが用いた消費者視点で、
需要がどこからどこに移り、ここでどんな事業が誕生するのかを理解すること。
消費者の視点から事業連鎖をさかのぼることであるという。
消費者目線で見ることで不要なものや不満足になっているものが見えてくる。
上記「事業連鎖」を解説事例として挙げられているのが、音楽業界の事例。
従来:
レコード会社が事業連鎖の核を担っていた。
作曲・演奏するミュージシャンを自社で抱え、それぞれをCDという形で製品化し、マーケティングや営業活動を行う。そして販売店に。
↓
現在:
音楽がデジタル情報のままネットワークを通じて発売され、CDだけではなく、流通も不要になり、それをアップルが牛耳るように。
[ポイント]
音楽を聴くのに絶対必要なものは実はミュージシャンだけ。
後はそれをどういう手段で消費者に到達させるかが事業となるに過ぎない。
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