(147)教養としての10年代アニメ 反逆編 (ポプラ新書) | |
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ポプラ社 |
アニメ:情報と娯楽の2側面から分析するもの。7
教養:教養の内容はその時代や民族の文化理念の変遷によって応じて異なる。5
⇒アカデミックな制度としての学問だけが教養ではなく、文化研究が射程に入れるような、文学、音楽、映画、テレビ、加えて、マンガやアニメなどの文化一般に通じる、これも今日の教養として考えることが出来る。6
(9)
★ 社会学における時代認識論/10年代「何者にもなれないお前たち」(80)
:社会学などでは出生時期が同じなら、歴史体験は共有しているのだから、同じような精神構造を持ち、同じような行動様式を示す。
アニメ⇄ライトノベル 109
ゼロ年代、10年代アニメは多くがライトノベルに端を発している。
ライトノベルの特徴:
1大人でも子供でもない、若者を読者として想定していること
2口語的表現を多用していること
3視覚に訴えるイラストを多用していること
4マンガ、アニメやゲームなど他のポップカルチャーと深い関係があること
5文庫が大半であること
アニメ論:21
アニメ論を執筆するということは、その作品に内在する可能性に注目し、そのアニメの世界を生き直すこと。
インフォテインメントとしてのアニメ
□ 95年 エヴァンゲリオン
アニメに興味を持たなかった人が興味をもつように。(31)
□ゼロ年代のアニメ
「セカイ系」 11
エヴァっぽい作品
「たかだか語り手自身の了見を『世界』という誇大な言葉で表したがる傾向」11
「きみとぼくという小さな関係性が、世界の危機やこの世界の終わりと言った抽象的大問題に直結する作品群」11
◎まどか★マギカ
⇒ここに意識高い系とか、自慰意識過剰系が絡んでくると思う。
⇒絶望少女ものという新しいジャンル展開を促した。(117)
【アニメとアイドル】
セカイ系のアイドル:AKB48
サヴァイブ系のアイドル:ももクロ、ベビーメタル
『ラブライブ』
(125)
サヴァイブ系:
登場人物が殺し合いを強いられ、その極限状況の中でいかにサヴァイブするかをテーマにした作品群 33
『涼宮ハルヒの憂鬱』:セカイ系の代表作
⇒家族や社会の欠如
全ロ年代の他のアニメ:
サヴァイヴ系=デスノート
背景: 35
サヴァイヴ系の背景には911テロや小泉構造改革以降のサヴァイヴ感(引きこもりでは生き残れないという決断主義)に反応した創造力が背景にある。
01年9月11日:
世界内線状況を移した『機動戦士ガンダム00』『コードギアス反逆のルルーシュ』(32)
時代背景とに人間心理意図の一致:
人間には決して癒されない絶望があるということ 63
□ 10年代アニメ
絶望がたゆたうアニメ
『結城友奈は勇者である』
残念系:
美男美女、つまり容姿端麗で誰からも愛されるのに、性格、言動、趣味がどこか抜けて残念な人。92
進撃の巨人:210
圧倒的な力に対する人間の無力感を表彰した作品が増えて来ている。
12年、安倍晋三が政権に帰りさき、保守的な国家感を提示する中、家族や地域社会といった社会的な創造力が存在感を失い、進撃の巨人的な大義や全体性と言った大きなものを志向する作品が人気を博した。
背景:
ぼっち飯 99
学校や職場で一人で食事をとること
ランチメイト症候群:
一緒に食事をとる相手がいないことに恐怖を覚えること
中二病 76
1邪気眼系:自分には何か不思議な力があると考える中二病
2DQN系:ヤンキーや不良に見られるけんか自慢のような中二病
3サブカル系:他人とは違う趣味志向を自慢する中二病
中二病発生要因:86
そうなりたい自分がアイIになり、他者が期待しているミーmeを抑圧することで中二病は発生する。
『スタードライバー』
【ロボットアニメと成長願望】
★ 身体拡張と精神拡張というロボットアニメに見られる特徴(46)
日本のロボットアニメにおけるロボットが、しばしば搭乗者の「身体拡張」と考えられて来た歴史がそれを裏打ちする。そして身体が拡張するということは、搭乗者に潜在する闘争心が掻き立てられるので、「精神拡張」にも繋がり、さらにいえば「未来拡張」にも綱がる。
愛でる対象としての男性キャラクター(51)
『輪るピンクドラム』
<時代背景:消される恐怖/存在の不安定さ>80
こどもブロイラー:
不要とされた子供が廃棄される処分場
『ユリ熊荒!』
百合:女同士の好き
透明の嵐(87):
空気の読めない学生に対して行われる排除の儀
仲間はずれ型のいじめ(109)
本能と制御の壁(103)
熊は壁などものともせず、人を食べることを辞めなかった。それは、人間を憎んでいるからではない。ただ熊がそういう生きものだからだ。103
『デュララ!!』
町おこしと地域密着アニメ
『TIGER&BUNNY』
いぬやしきなどに通じる日本独自のヒーロー観の誕生
ストーリーとしては、特撮ヒーローに憧れる男性が正義の味方として、活動するものの無能力なので巧く行かない中での成長を描いたもの。
★ 時代の空気としては、
「変身願望」というか、自分だって出来ることがあるはずとか、「自分がまだ本気出していない」系の空気があると思う。
■『サイコパス』
監視社会/フーコーのパノプティコン
時代として、2112年の国で、「人間の心理状態や性アック傾向を計測し、数値化するPSYHO-PASSが導入された未来の日本という設定。
□ ゲームの世界 127
日本の場合ゲームの世界とファンタジーの世界は強く関連している。
ノゲノラ:
ノゲノラを読んで感じる高揚感は、「戦略的思考」さえあれば、価値を得ることが可能だという希望に裏打ちされていること。139
精神疾患系のブーム
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